

DATE : 7-9 Aug 2009 @ MAKUHARI-MESSE, CHIBA / DAY 03
PHOTO : (C)SUMMER SONIC 09 All Right Reserved.
TEXT : Yuki Murai (HigherFrequency)
DAY 03 - 9 Aug (Sun), 2009
LINEUP : Beyonce, The Veronicast, Teenage Fanclub, マキシマムザホルモン, Sonic Youth, Keane, Limp Bizkit, The Qemists, The Flaming Lips, Teenage Fanclub, The Vaselines, N.A.S.A., and more
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最終日は筆者の青春とでも呼びたいオルタナ系のメンツが Sonic Stage に多くキャスティングされており、今日だけ 『ロックの子』 に戻るつもりで昼過ぎから再び幕張メッセへ。 迷うことなく Sonic Stage へ向かい、日曜の昼さがりにビールを飲みながら、The Vaselines の迷いないグッド・ミュージックに聞きほれる。ほんわかあったか、ふわりふわりとしたアコースティック・サウンドは、若かりし頃は渋くて逆にアバンギャルドとも言えたのだろうが、今や一周して和みの境地。MCでも 「そういえば今日は Beyonce が出るのよね!」 「俺たちも Beyonce のファンだよ!」 などと、本日の大トリを務めるスーパー・スターの事までぬるく話題にしながら、実にマイペースな時間が過ぎていった。 | |
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続いて、同じく筆者の青春、Teenage Fanclub を見ようと思っていたのだが、改めてタイムテーブルを確認すると、反対側の Mountain Stage にマキシマムザホルモンの名前が。「ここで見ておかなきゃ、なかなか見ないだろうし…」 と意を決して参戦! 満員の Mountain Stage は暗い室内に鋭い照明という雰囲気がまさにロック・アリーナという感じで、ステージが非常に遠い。しかし、左右についた巨大モニターでステージの様子もよく見えたので、後ろから遠巻きに楽しむことにした。 人気ぶりにも確かに納得の見事な演奏力、楽曲の構成力、ナヲとダイスケはんの爆笑トークと、コアさとポップさが同居したステージは、インターナショナル級のロック・ショー。ダイスケはんの 「邦楽ファンとか洋楽ファンとか関係ねー!お前ら全員ロックファンだろがー!」 のMCに、日ごろ、ロック界に比べれば格段に狭いはずのクラブミュージックの中ですら、ジャンルの厚い壁を感じているわが身にも突き刺さり、不覚にも涙が…。 | |
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再度 Sonic Stage に戻り、3日目の筆者の個人的な目玉、Sonic Youth のライブへ。80年代から活躍する大ベテランであり、実験精神溢れる真の意味での 「オルタナティブ」 を体現する Sonic Youth。10年前の Summer Sonic 第一回でのライブも伝説として語られる彼らだが、全く年月を感じさせない格好良さでステージに登場した。当時から未だに筆者憧れの夫婦である Thurston Moore・Kim Gordon 夫妻を目の当たりにし、言葉にならない感激が全身を駆け巡る。肝心のサウンドも、ベテランでありながらカケラほども丸みを帯びる気配もない素晴らしい好き勝手放題ぶりで、期待を全く裏切らない!唄やサビ部分ではなく、雰囲気とノイズでもっていくような Thurston の変態ギターソロのタイミングでクラウドが盛り上がるノリが、筆者の中では不思議なことに普段エレクトロニック・ミュージックを聴いているときの感覚や、音像の見え方に非常に近く感じられた。歌詞やメロディの存在を前提とせず、「音」 そのものを楽しむことを目的に作られた音楽という共通点があるからだろうか? ライブのクライマックスと同時に震度4の地震があったことを後から知ったのだが、その時はちょうど、Thurston がアンプの上に上ったり、マイクスタンドを客席に放り投げるという若手バンドもびっくりの暴れっぷりを見せていたので、筆者含め、恐らく Sonic Stage では誰も地震に気付いていなかったと思われる(笑)。 | |
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Sonic Youth に大満足し、もう思い残すことなしの筆者であったが、大トリの Beyonce でチルアウトしてから帰ろうと Marine Stage へ移動。上の方の席でのんびりしようと思っていったのだが、さすがの地球規模のスーパー・スターの本気のステージは、のんびりするなんてとんでもない、最高のエンターテインメント・ショーであった。 アリーナの全席がびっしりと埋まっている迫力にも、Beyonce 1人のスター・オーラが圧勝している。端から端まで全く抜かりのない演出、パワフルな歌声、素晴らしい衣装、どこをとっても一級品で、またバックバンドもダンサーも、どうやって集めたのか疑問な程のクオリティ。ステージの後ろが全面LEDモニターのような画面で、ライブ映像とビデオがリアルタイムで合成されるなど、全てが想像を超えた素晴らしさであった。 最後に打ちあがった大輪の花火で、10年目の Summer Sonic はお開きに。また来年も、新しい音楽と感動と発見を探しに、今度はいつもの友人達も連れて参加したい。 | |
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