

DATE : 7-9 Aug 2009 @ MAKUHARI-MESSE, CHIBA / DAY 02
PHOTO : (C)SUMMER SONIC 09 All Right Reserved.
TEXT : Yuki Murai (HigherFrequency)
DAY 02 - 8 Aug (Sat), 2009
LINEUP : Linkin Park, B’z, Elvis Costello and The Imposters, Joan Jett and The Blackhearts, CSS, The Ting Tings, The Horrors, Luciano presents AEther, Klaxons, Lady Gaga, Ravex, Ryukyudisko, ミドリ, and more
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深夜から遊びに行くいつものクラブ癖が抜けず、筆者の Summer Sonic は2日目の Dance Stage の 『トリ』 (深夜帯の同ステージは 「Planet of Sound」 となる)、この夏のクラブ・ミュージック界でもホットな話題として各所で取り上げられていた Luciano の提唱するライブセット・Luciano presents AEther からという遅めのスタートとなった。
単独では6月の Big Beach Festival でも来日しており、わずか2ヶ月ぶりの帰還。ライブといわれても実際にどのようなものか全く想像のつかない状態でステージへ。
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「Luciano のライブ」 という前情報しか得ていなかった筆者、おそらく Luciano 一人がラップトップなどの機材を入れてライブを行うのだろうな…と予想していたのだが、そこに現れたのは何とおなじみの Cadenza メンバーと (Mirko Loko、Reboot、Digitaline、Lee Van Dowski) とパーカッショニストを引き連れた Luciano! 以前に Sonar かどこかのショーケースのレポートで見たことのあるような、ピカピカと光る近未来的なデバイスを操り、音と光を同時に操る指揮者のように5人の演奏者をあやつっているようだ。フロア側に背を向けた立ち位置といい、指揮者という呼び方が非常にしっくりくる。ジャンベ風のパーカッションの音色を基調とし、その上に色と音がシンクロしながら繰り出されてくる、これまで以上に図太く腰に来る Cadenza 印のラテン・テイストサウンドは、筆者の大好物のど真ん中。最新のテクノロジーを導入することで音楽の原点に回帰していっているかのような、奇妙に逆行したフィジカルな…いや、セクシーと言いたい、根源的なのに新しい音楽体験であった。 まるで異世界のようだった AEther にすっかり魂を抜かれながらも、すぐ隣の Sonic Stage で、UKでのニューレイヴ、インディー・ロックブーム勃発の立役者といえる Klaxons のライブの終盤から途中参加。首にタオルがポイントの、いかにもロックファン!な、カジュアルな服装の女の子達と、バキバキの色彩のニューレイブ少女達が仲良く並んで拳を振り上げているのが非常に印象的で、何よりこのバンドのあり方をよく表していた。その割には、ステージ上の本人達は地味目な(?)雰囲気。演奏も実にしっかりと地に足がついており、バンドサウンドの中にある踊れるグルーブ感は秀逸、優等生な感じすらした。もちろん盛り上がりも申し分なかったのだが、もう少し過激さ、エッジィさを期待していたのは筆者だけだろうか…。 | |
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さて、実は AEther に並んで2日目の個人的ヘッドライナー、アート志向のNY出身ポップ・スター Lady Gaga のステージ。入場規制対策の誘導アナウンスが何度となく繰り替えされる満杯の会場の中、いよいよ待ちくたびれたクラウドの前に、”ファクトリー・ガール” Edie Sedgwick を意識した Gaga 主演のショートムービーが流れ、”I’m…Lady Gaga!” のセリフと同時にステージ全面に張られたスクリーンが落下。ド派手な衣装の Lady Gaga が登場すると同時に大歓声があがり、代表曲 'Pokarface' や 'Just Dance' を生バンド演奏とゴーゴー・ボーイズを従えて、何度も衣装チェンジをしながら披露されたタフなステージングに見入ってしまった。最後、本人のピアノ演奏による 'Pokarface' アコースティック・バージョンは、「知らない人もいると思うけど、私のアルバムの曲は、私が全部書いてるのよ!」 とMCでも言っていた通り、実は作曲家として Britney Spears らに楽曲提供も行っているという素顔を確かに感じさせるものであった。ついつい個性的なキャラクターだけが先行しているのはちょっと惜しいかも。 ここでさすがに休憩と、フードエリアに移動。フェス定番のカレーやラーメンに、各国のエスニックフード、さらには地元千葉の名産などなんでもありの品揃えは、そこだけでも十分イベントとして独立できそうな勢いで、ついつい長めの休憩となってしまった。 Planet of Sound に戻ると、DJユニット Mixhell がちょっと懐かしめのハードなハウステイストでフロアをロック中。時折2人組の片方が横に置かれたドラムセットに移動して演奏を始めては、またいつの間にかデッキの前に戻っているというスタイルが興味深かった。DJ界は太鼓流行り? | |
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続けて avex 20周年&手塚治虫生誕80年記念ユニット・ravex の登場!手塚治虫風のキャラクターとして描かれたアーティスト・ビジュアルを打ち出しているが、確かにそのままマンガのキャラクターにもなれそうな、大沢伸一・田中知之・☆Taku Takahashi の 『濃い』 3人組のお祭りっぷりは、見ているほうも思わず盛り上がってしまう面白さであった。まさかその曲を?と誰もが発表時に驚いた 'I RAVE U' の ravex リミックスをしょっぱなからドロップし、いつの間にか混み混みになっていたフロアから wow ! と景気よく合いの手が入る、ある意味カオスな雰囲気…かなりの見ものであったことは間違いない。 ravex のライブを中抜けし、Sonic Stage の Ryukyudisko のライブへ。「琉球電舞」 と書かれた巨大なのぼりが置かれたステージで、ちょうどゲストボーカリストの城 南海が伸びやかな声で歌っているところからの参加となった。ヴィヴィッドで明るくハッピーな音像は、まさに色彩豊かな沖縄の風景へとサウンド・トリップできるひと時であった。 再度の長めの休憩をはさみ、ミドリのライブへ。どういったバンドなのか全く知らなかったのだが、これがジャズ・パンクとでも形容したい、とんでもない凄腕のバンドであった(すでにご存知の方にはお恥ずかしながら…)。 正統派のジャズピアノを踏まえた旋律を絶妙に壊し、キーボードを蹴飛ばし、置き去りにしてはステージを跳ね回る天才肌風のキーボーディスト・ハジメ、デス・ボイスからキッチュなロリータ・ボイス、引き裂くようなシャウトまで持ちあわせたギター・ボーカルの後藤まりこ、そして自在に暴れまわる上モノをしっかり支える凄腕のウッド・ベース岩見とドラムの小銭喜剛の4人組。これは格好いい!としか言いようがないサウンド!こんな衝撃的な、しかも日本のバンドと出会えたことに猛烈に感謝しつつ、朝を待って一旦帰宅と相成った。 | |
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