sonarsound tokyo 2004

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sonarsound tokyo 2004 Special Chicks on Speed INTERVIEW

Chicks on Speedはニューヨーク出身のMelissa Logan, ミュンヘンのKiki Moorse, オーストラリアはボウラルのAlex Murray-Leslieの3人で1997年にその活動をスタート。現在では、新たにAnat-Ben David, Ann Shentonもツアーメンバーに加わって世界中をまたにかけて活動を繰り広げている。このマルチメディアポップバンドは2001年にKaltes Klares Wasserでヨーロッパでチャートイン、その後Top Of the Popsに登場し、以来Angie Reed、 Le Tigre、 DAT Politics、 Kevin Belchdomなどのアーティストの作品をリリースするChiks On Speedとしてのレーベル活動や本、そしてファッションブランドのデザインと活躍の場を広げている。これまで仕事をともにしてきたアーティストにはファッション界ではKarl Lagerfeld、音楽業界ではDJ Hellや Tobi Newmannなどが名を連ねる。 近々多作なCristian Vogelをプロデューサーに迎えたニューアルバムPress the Spacebarをリリースする彼女らに日本のSonarsoundでのパフォーマンス直前にインタビューした。

> Interview : Laura Brown (ArcTokyo) / Translation : Eri Nishikami (Restir Magazine)

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HigherFrequency (以下HRFQ) : もうすぐ公演が始まりますよね。今どんな気持ちですか?

Alex : エキサイトしてるわ!

Kiki : これでSonarで演奏するのは3回目なの。2000年のバルセロナ、ついこの間はサンパウロで、今回が3度目。Sonarはエレクトロシーンでは一番大きいイベントの一つだし、ここでプレーできるのは最高の気分よ!

Alex : 一つのフェスでこれだけたくさんのメディアが盛り込まれたものって他にはないし、Sonarで同じバンドとかDJを何度も呼ぶことって少ないから、本当に光栄なことだと思っているわ。

HRFQ : 日本は何度目ですか?

Alex : そうね、日本はもう3回目かしら。DJで一度来て、あとSympathy Qでうちの洋服を紹介しに来たこともあるわ。

Kiki : 私はプライベートで2,3回来たことがあるわ。あと、以前スタイリストをやってたとき、オーストラリアに行く途中に立ち寄ったこともあるし。

HRFQ : 日本にくるアーティストは皆日本は独自の文化と欧米の影響の両方が入り混じっていて面白いって言いますがそう思いますか?どういうところでそう感じますか?

Alex : 欧米の味付けがされたマンガみたい。

Kiki : (質問に対して)え〜、私はいつもそうとは限らないと思うわ。というか、むしろヨーロッパより良いものが多いって感じじゃない?だって、ヨーロッパの料理は、日本で食べたほうがおいしかったりするでしょ。ただファッションセンスについてはちょっと違うかもしれない。例えば日本だとあるスタイルが良いってことになったら、みんなそればっかりみたいになるでしょ?ヨーロッパではあんまりそういうことはないかもね。。

Alex : あと、ナチュラルなのがいい。当意即妙のプロセスっていうのかしら。前に、Fenn O'bergのグラフィックをやったことがあるんだけど、そのときにそう感じたわ。自分が経験したしたものを取り入れて、そこから何か全く別のものを生み出していくって感じで、すごくヘルシーな方法だと思ったわ。

HRFQ : 日本のデザイナーやミュージシャンでインスパイアされた人はいますか?

Alex : オノヨーコは絶対にはずせないわ!あと、ベルリンの友達なんだけどHana Yoからは本当にいろんなことを教えてもらったし、あと、Ryo G Ikedaの大ファンなの。特にCasta Nicholiとやったライブは最高だった!

Kiki : 音楽ならYMO!あとBoredomsもクールね。

Alex : Acid MothersとTemple of…

Kiki : あとハチ公!!

Alex : ODDも。

Chicks On Speed Interview

HRFQ : みんなどうやって知り合ったんですか? ミュンヘンアートアカデミーからの知り合い?

Alex : いつも皆間違えるんだけど、Melissaと私がまずミュンヘンアートで出会って、私たち二人ででSeppi-Barってバーをやってたの。ミュンヘンでホントはやっちゃいけない場所でやっててね、そこでMelissaがKikiに会ったの。

Kiki : そのころ二人とも日本人の彼氏がいたんだけど、日本人って絶対日本人同士で集まるじゃない?それで、そのお互いの彼氏を通じて知り合うことになったんだけど、しばらくするとMelissaが突然、自分の作ってるダンスステップだかなんだかに関するビデオに出てくれって言ってきて、私は私で靴マニアでものすごい靴のコレクションがあったから、「色んな靴を履いてビデオに出られるのっていいかも…」みたいな感じで受けることにしたの。

HRFQ : そこからどうやってCOSができあがったんですか?

Alex : 最初に始めたのは私とMelissa。そのころ学校の中にあった銀行に、半年に一回くらいのペースで自分たちの描いた絵を売ってて、それがきっかけでペインティングのプロジェクトに関わるようになったの。ある日、「何やってるの」ってMelissaに聞いたら「売るために絵を描いてるんだ」って言うから、「じゃあ私にもやらせてよ」って感じで。私がやったのはコラージュのためにいろんなものを切ったり、あと、それの説明書きなんかを書いたりすることだったんだけど、何と25個作ったものが全部売れたちゃったの!で、朝そこに向かう途中、電車の中でアーティスト名を考えなきゃいけないってことになって、なんだか全てのプロセスを猛スピードで片付けちゃったから"Chicks on Speed"って名前にすることにしたの。

HRFQ : "Fake Band"を始めたとき音楽があなたたちの表現の中心の手段になると思っていましたか? 実際音楽が中心なんでしょうか?

Alex : 音楽だけが中心ってわけじゃないわ。ただ音楽を通じて私たちのことを知っている人が多いってことかしら。だから本を作ったりして、ただ単にバンドをやってるじゃないんだってことを言いたかったの。ファッションもやるし、ウェブショップもやるし、レコードレーベルも持ってるし、アートの展示とか、他のアーティストとグラフィックやるし。ただ音楽に一番集中してるって言うのは確かかもね。でもステージのために作る衣装の量なんかはすごいし、最近では展示会も更に重要になってきているから、展示会とかショートフィルム、それと音楽は今じゃ同じ位大切と言ってもいいかもしれないわ。いつも変化してるけど。

HRFQ : マルチメディアでってことは、DVDでのリリースは考えていないんですか?

Alex : もちろん。(今回Sonar Cinemaでも上映された) Visitorsを出したいわ。COSレコードからのリリースになると思うけど、是非ライセンスもやっていきたいと思ってるの。DVDのレーベルでGASっていうのがあるんだけど、すごくいいディストリビューションのネットワークを持ってるからいろんな形でリリースできたら最高ね。あと、来年の2月にバルセロナのファッションイベントでまたショートフィルムをやる予定にもなってるわ。

Chicks On Speed Interview

HRFQ : Visitorsの話はどこからでたんですか?

Kiki : NYのDeitch Projectっていうのに参加しないかって話があって、始めはワークショップみたいなものをやろうと思って参加することにしたの。スクリーンプリントとか縫製エリア、あともちろん壁画なんかもあって、その中の一つが映画の撮影だったんだけど、そこから話が始まってフィルムメーカーのDeborah Schamoniが全てのコンセプトを作ってくれたの。

Alex : この映画はAl SteinerとかTed Geyerなんかの本当にたくさんの人に協力してもらって、あと、Melissaも何曲か曲を作ったし、Cristian Erikssonはソロでバンジョーを弾いくれたりしたの。Anatも参加したし。でも、こういったコラボレーションがなかったら、このプロジェクトは絶対に実現しなかったと思うわ。だって私たちはフィルムメーキングの専門家でもなければコンピュータのエキスパートでもないでしょ。だからみんなには本当に感謝してるわ。

HRFQ : Anat、あなたは今回のツアーから彼女たちに同行することになったと思うのですが、3人に知り合ったきっかけは?

Anat : MelissaとKikiとAlexにはイスラエルで7年程前に会ったわ。The Pil & Galia Kollectivっていうジャーナリスト兼キュレーターの友達がいたんだけど、The FaceでCOSをみてすっかり気に入っちゃって、絶対会わなきゃってことになったの。

Alex : だってそのThe Faceの記事の最後「この人たちに何かやってほしいことがある方はとりあえずご連絡ください」って書いてあったからね。だからそうしたんでしょ。

Anat : で、私はあるシアターのレジデントアーティストだったんだけど、PiaとGaliaもそこで働いてて、そこにCOSを招待してショーをすることになったの。私が彼女たちに会ったのは、Chicksがイスラエルでビデオを撮影したとき会ったのかな。私もその後ヨーロッパに引っ越巣ことになったから、一緒に何かやるのも楽になったわ。

HRFQ : ところで、Melissaは今妊娠中ですよね? だから新しい人とやっているんですか?

Alex : うん、Anatとは2001年からライブなんかで共演していて、私たちのステージの前に必ず20分枠で出て自分のショーをやったりしてくれてたの。ねぇ、どんなショーだったか説明してよ、Anat。

Kiki : マレーネディートリッヒっぽいやつよ。男装するやつ。

Alex:かなりスキャンダラスな感じなの!ねぇ、Anat、ちょっともうすこし自分のショーについてしゃべってよ!…彼女はわたしたちがショーをやってる間もステージにいてくれて、ライブでプロジェクションとかミックス、あと撮影したりMelissaとステージで踊ったりするの。Melissaが妊娠したって聞いたときは「バンド活動を止めなきゃいけないかも」って感じで皆ちょっとびっくりしたんだけど、そしたらMelissaは「何いってんのよ、他に誰か入れれば良いじゃない」っていうわけ。「はっ?誰かかわりに入れるなんてありえないわ」と最初は思ったんだけど、結局何日間かのミーティングの末、もしできるとしたら今可能性があるのはこの世に2人しかいないってことになって…。ただMelissaのかわりっていうわけではなくて、新たな個性を加えるっていうイメージだったから、今では彼女は4人目のChickってわけ。もしMelissaが帰ってきたらたまにはその4人でやっても良いと思っているわ。AnatでもAnn Schentonでもね。ところで、Melissaは1月17日が予定日だから、かなりおなかも大きくになってるのよ。

End of the interview


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