MIAMI 2006

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WMC 2006 - HigherFrequency back in Miami


ダンス・ミュージック・シーンにおいて最も重要なイベントの一つとして認識され、業界人やクラブ・リスナーなどシーンに関わる人々がここぞと集まるマイアミの Winter Music Conference (略して WMC) に、HigherFrequency が昨年に引き続き二回目となるレポートを行った。

Miami Photo3月下旬の約一週間(今年は3月22日〜29日の間)アメリカ有数のリゾート地 フロリダ州マイアミのマイアミ市とマイアミ・ビーチ市(サウス・ビーチ)を中心に行われる WMC は、今年で開催21回目と非常に長い歴史を誇るコンフェレンスであり、ダンス・ミュージック・シーンに関わる人間にとっては、一度は参加してみたい一大イベントの一つである。爽やかな風と眩しい太陽が照りつけるバカンス地で、夢のようなラインナップを揃えたイベントが一日中繰り広げられ、街中が音楽で溢れ返る…そんなイメージだけでも、まだ寒空の下、花粉症対策に追われる東京人にとっては何ともうらやましい限りだが、昨年もレポートでもお伝えしたとおり、一言で「フェスティヴァル/コンフェレンス」と言っても、まさか町中にタイム・スケジュールやイベントの開催場所が記されているわけもなく、ガチガチに固められたタイム・スケジュールも存在するわけでもない。街全体がフェスティヴァル会場となり、一日中どこかのクラブやバーでイベントが行われているという、まさに「 That's America! 」といったイベントこそが、この WMC なのである。

Miami Photo そんなユル〜い感じがビジネス的には非難の対象となるのか、近年ではコンフェレンスの意義やそのオーガナイズ力に対して、ネガティヴな意見も増えて来ているということ。確かに、実際にコンフェレンスに足を運び、一日に平均2イベントというハードなスケジュールでパーティーをカヴァーした HigherFrequency が、あまりのイージー・ゴーイングさにカルチャー・ショックを受けたのも事実ではあった。しかし、行われるパーティーの質や出演するDJの数、世界中の業界関係者を寄せ付けるマグネット力という面を考えても、 WMC がシーンに与える影響はやはり大きく、それに匹敵する力を持つコンフェレンスは世界のどこを見てもまだ存在していない。

オープン・カフェで食事をすれば普段は遠い存在の DJ や業界関係者がTシャツに短パン姿で街を歩き、クラブに行けば大物 DJ が夢のようなバック・トゥー・バックを行い、フロアでお酒を飲み、話しかければ気軽に応えてくれる…それは、このフェスティヴァルが文化として地域に密着し、絶大なるクラブ・ミュージック・リスナーの支持を誇っているからこそ生まれる雰囲気であり、今回のレポートではそんなマイアミならではの感覚を少しでも味わっていただければと思う。

Miami Photo


Text by Kei Tajima (HigherFrequency) _ Photos by Kei Tajima & Nick Lawrence (HigherFrequency)