HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

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CLUB ROCKETS × SPECTRUM presents SPECTRUM EXCLUSIVE PARTY
@ CLUB ROCKETS, OSAKA

DATE : 21 November 2009 (Sat)
GUEST DJ : Roman Flugel (aka ALTER EGO/Berlin), Ree-K (THREAD, Hypnodisk/Tokyo),
Tez (RAFT TOKYO, Gemini Recordings/Tokyo)
SPECIAL GUEST LIVE SET : A.Mochi (Figure/Tokyo)
DJ : Masahiro Goda (SPECTRUM)
SPACE DIRECTION : mind-bending (unique)
LIGHTING : MOTOIKE
SPACE LAZER WORKS : SENCE OF WONDER (SPECTRUM)
PHOTO by JUNKO NAKAMURA
TEXT by MIKO MURANO


世界中のダンスフロアを賑わせた名曲 'Rocker' で知られる Alter Ego のキーパーソン Roman Flugel が待望の再来阪。しかもクオリティーの高いパーティーで定評のある SPECTRUM によるオーガナイズ!前回来阪時も絶妙なコンビネーションを見せてくれた SPECTRUM meets ROMAN が繰り広げるマジカルな空間を堪能すべく、ROCKETS へと足を運んだ。

SPECTRUM のレジデントDJ、MASAHIRO GODA からパーティーはスタート。同時にたくさんのパーティーピープルがフロアに流れ込む。幅の広い選曲で定評のあるDJなのだが、今回はストロングスタイルと言える厳選したテクノセットでフロアを一気に盛り上げていく。序盤から繰り出されるオーガナイザー SENCE OF WONDER の滑らかでスタイリッシュなレーザーワーク、そしてクラブだけに留まらず、京都の寺社仏閣や伝統美あふれる庭園等で独創的な映像インスタレーション活動を行う空間演出集団 mind-bending。この2組の光彩チームが織り成す空間は圧巻で、果たしてカラフルな着色を繰り返す様は、さながらフロアに 「生命」 を与えているかのようだった。 オープン直後にしてROCKETSでは 「パーティー」 が始まっていた。そりゃそうだ。もう日付変わっているわけだし。スロースタートはありえない。躊躇しない、いかにも百戦錬磨の SPECTRUM らしい狙った選曲と演出だ。

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続いて大阪、ベイサイドジェニーに始まりマザーホールを拠点に関西のトランスシーンの最前線を引率してきた RING のオーガナイザー TEZ。かくゆう筆者も RING で育ったようなもので、東京で大阪で TEZ の名前を見る度に、そのパーティーに足を運んでいたりする。現在、拠点を東京に移し RAFT TOKYO にレジデントDJとして参加。そこで得た経験値を糧にさらに増した安定感とグルーヴ、爆発力も兼ね揃えたテックハウスのセットを披露。Roman Flugel が ROCKETS に姿を現した頃、フロアは一度目の最高潮の盛り上がりをみせていた。TEZ のプレイは今回のMVPといっても過言ではなく、常に SPECTRUM のチームが信頼を置いてブッキングしていることにただ納得するばかりだ。

そして、奥に一段上がった特設のDJブースに Roman Flugel が立つと、待っていましたと歓声があがる。あきらかに厚みを増す出音。その豊かな低域は常にヴァイナル派の Roman からのご挨拶といったところか。比較的アッパーでエレクトリックなベースラインの曲が目立ったが、ミニマルハウスを軸に遊び心のある、いかにも Roman Flugel といった選曲。序盤は緩急ある展開で、ときおり 「くいっ」 っとメガネを直す仕草と合わせてグイグイとフロアを持ち上げ、世界のトップDJの風格を熱気を帯びた ROCKETS に充満させた。Roman 自身、出演した昨年末の SPECTRUM @ NOON を 「2008年のベストパーティー」 に挙げていることもあり、今回の大阪公演にはかなり意気込んでいたようだ。 後半はセクシーなハウスグルーヴを織り交ぜ、ミキサーを弄りながらフロアの歓声に応える。一見ラフなフェーダーさばきからも、いかにパーティーを楽しんでプレイしていたかが伺い知れる。

途中盛り上がり過ぎてお客さんが Roman のいるブースに上がり込んでしまうハプニングもあり…。 結局、予定の時間が過ぎても 「もう少しだけ!」 と言って聞かなかったそうだ。説得させられ、残念そうにブースを去る Roman がとても可愛く思えた。どうでもいい話だが、筆者には途中から仲本工事(akaドリフターズ)に見えて仕方なかった。もちろん良い意味でである。

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Roman Flugel が去り、幾分お客さんの減ったものの、残った者たちにとってはここからが本当のパーティー。
続くは前回、ROCKETS 主催の SPECTRUM フリーパーティー COLORWHEEL にて関西初ライヴを果たした A.mochi。 LEN FAKI 直系の重厚なキックとベースでたたみ掛ける圧倒的なライヴを披露。ROCKETS のサウンドシステムとの相性も良く、一曲目 Len Faki - 'Death By House (A.Mochi Remix)' のキックがズシリと入ったときには寒気がするほど興奮した。どこかしら昔良き時代のトランスパーティーにも似たグルーヴを内に得た筆者は、込み上げてくる感情が堪えきれなくなっていた。さらにこのあとには REE-K の時間が待っているのだ。なんて幸せ。同じグルーヴに呼応したパーティーピープルたちと酒を飲み交わしながら、時間が経つことに逆らうかのように夢中で踊った。

ライヴの音がフェードアウトし、歓声が上がると同時に、ステージはブルーやパープルのレーザーが揺らめく妖艶な空間に変貌。REE-K の登場である。前日10時間かけて来阪し、疲労困憊にみえた REE-K だが、やはりブースに立つと別人のようである。彼女の耳を介して緊張感を持った危険なトラックが次々と投下される。それは共通の言語となり我々に語りかけては、姿を消していく。筆者も長年様々なDJを見聴きしてきたが、これだけ芯の通ったDJはほとんどいないと断言できる。REE-K の世界が確かにそこにはあって、今夜の締めくくりには最高の贅沢だと思った。

幾度となく失敗と成功を繰り返してきたであろう彼らによる確信的な内容。久しぶりにパーティーらしいパーティーに行ったように思う。最後の最後に音が止まるまで飽きることのない最高の演出をしてくれた光彩チーム mind-bending と SENCE OF WONDER に拍手を贈りたい。生きていて良かったと、強い勇気をもらった一夜。

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