HigterFrequency COLUM

ENGLISH COLUMN

Dr.Shingo's Electronic X

Dr.Shingo's Electronic X


Text & Interview : Dr. Shingo

みなさんこんにちは、ドクターシンゴです。
気付けばまた前回のコラムから2ヵ月も経っている。光陰矢のごとし。
年末の慌しさが合わさって最近は何だかソワソワしています。お年玉が貰える歳でもないのに、ボーナスが貰える様な職業でもないのに…。あくまでも僕個人の感覚ですが、毎年訪れる年の瀬、何かが「終わる」みたいな感覚がこみ上げて来ます。例えばバイトが終わる30分前の感覚…とでも言いましょうか。人間は死ぬまで行き続け、通常ならば限界が来るまで働き続け、と生活の営みを続ける訳ですが、どこかで「区切り」や「目標の達成」を設ける事によりその永遠とも取れる営みに「安息のポイント」を設定しているのだと考えます。ゴールが無いマラソンに参加する人は少ないでしょう。一年の区切りとなるこの季節は、僕に取って今年何を達成できたのか、逆に達成出来なかったのかを考え、365日頑張りましたね、と自分に言い聞かせる「安息のポイント」なのかも知れません。 求道者に目標の達成を見出す事は難しく、良いDJをした〜というその次の週にもDJをしているし、CDをリリースしても既に頭の中は次の曲作りの事で一杯、苦悩の日々が終わる事はありません。「年末年始だから、とりあえず今やっている事を終わらせて一月から頑張るぞ!」みたいな安易な雰囲気になる都合の良い習慣があるから僕は年末年始に浮き足立ち、「来年」の目標を立てたりする事が出来るのでしょう…。皆さんはどんな一年を過ごされましたか?

「Closing 2006」とうたった今回のコラム、今年の僕のスケジュール表をめくりながら思いつく事を書き留めてみたいと思います。 2月、Sven Vaeth とDJとありますね。スベンとDJを一緒にやったのは2回目ですが、いつもDJではさほど緊張しない僕ですがこの日ばかりはガチガチでした。自分が大好きなDJの一人であり、僕のヒーローでもある Sven とのパーティーは時間が過ぎるのが早かった事を覚えています。4月、おなじみ Cross Mountain Nights での James Holden とのプレイ。今年印象に残っているDJの中でも断トツ上位にランクインする極上のプレイを見せてもらいました。5月、ゴールデンウィーク中に開催された CLASH@ageHa。今年参加したクラブパーティーの中では最高の動員。3000人以上のテクノファンが終結した光景を見るのは圧巻でした。6月は僕のレーベル「HIGHLAND」が立ち上がった月です。 7月、人生初参加&初DJの Fuji Rock Festival。ナゼもっと早く参加しなかったのか?と思うくらい楽しいイベントでした。こんなに音楽を愛する人達が日本には居るんだな、と感動させられ自分の気分も高揚しました。僕のDJもいつも以上にヒートアップしていました。8月は初の韓国でのDJと Maniac Beach。特に Maniac Beach は今年参加したパーティーの中でも印象深いパーティーのひとつです。Maniac Love というクラブが作ったクラバーの「絆」を痛感させられると共に、シーンのトップに十数年君臨してきたブランドの底力を思い知らされたパーティーでした。10月は新アルバム「Initiation」が発売、その後ツアーに突入します。訪れたどの都市でも非常に良いリアクションを頂き、みなさんが現在進行している最新のテクノサウンドのツボをしっかり押さえられている所に非常に感心させられました。中にはこの higher-frequency 上で連載していた Resident の僕のDJミックスを熱心に聴いてくれている方達もいたりと嬉しい出会いがあったりしました。

さてここからは今年のNo.1ディスク…などと行くところですが、そちらは正に僕の Resident DJ Mix をご参照下さい。ミックスに使われた曲全てが僕のお勧めであり、紹介すべきトラックばかりです。Resident セッションは本年12月で終了しましたが、来年も何かの折には僕のDJミックスを掲載すると思うのでお楽しみに!

今回のコラムはこの辺で終わりにしたいと思います。年末年始のご挨拶にはまだ早いですが、この場をお借りしまして今年一年の世話になりました皆様、パーティーに足を運んでくださったみなさん、大変お世話になりました&ありがとうございました。又来年も宜しくお願いします。来年は更にプロダクションとパフォーマンスに磨きをかけ、今年以上に自分が納得する「目標の達成」を目指したいと思います。…やっぱり何だか仕切り直しが出来そうな年末年始の気風、良いではありませんか(笑)。クラバーの皆さん、飲み過ぎないようにお気をつけ下さい。飲んだら運転しないようにしましょうね!

このコラムはこの様なのんびりとしたペースではありますが来年も続きますので、どうか気長にお付き合い下さい。ではカウントダウンパーティーでお会いしましょう!! (年度末のご挨拶をしたばかりなのに…)

Dr.SHINGO プロフィール

長野県出身。幼少から様々な楽器を演奏し、米国・バークリー音楽院への留学を経て2001年よりデモテープの配布を開始、最終的に故 christian morgenstern のレーベ ル Forte Records よりアルバムリリースのオファーを受ける。2002年デビューシングル「Have you ever seen the blue comet?」でワールドデビューを皮切りにアルバム「Dr Shingo's Space Odd-yssey」をリリースし、一躍その名を世界に轟かす。Sven Vath、石野卓球、等のトップアーティストからも絶大な評価を得、世界各国からリミックスの依頼が舞い込むようになる。 2004年5月にはセカンド・アルバム「ECLIPSE」をドイツの TELEVISION RECORDS よりリ リース (日本盤は先行で3月にMUSIC MINE よりリリース)。約2年間の活動の中で20枚ものシングル、アルバム、リミックスワーク、そしてコンピレーションCDへの楽曲提供を果たし、名実共に日本を代表するエレクトリックミュージック・プロデューサーへ と成長した。幅広い音楽の知識を持ち、それを余す所無く自身のプロダクションに応用する事により、実験的であり、斬新なトラックを発表、常に現在のテクノシーンを前進させようとする姿勢を崩すことは無い。特に類を見ない抜群のメロディセンスが彼のプロダクションに更なる“ポップ”なエッセンスを加えている事により、孤高のエレクトリックミュージックを発信し続けている。


バックナンバー