HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

HigterFrequency パーティーレポート

渚音楽祭 2009秋 <大阪> @ 舞洲スポーツアイランド (B広場), OSAKA

DATE : 4 October 2009 (Sun)
ACTs : RAJA RAM, 渋さ知らズ, DAISHI DANCE, DEXPISTOLS, GOCOO, Harp On Mouth Sextet, FullMoonMondo, ATOM, Nogerru, LUCAS, DJ TOYO & MC LEO, KOICHI SATO, KUNIMITSU, DJ BeYonD aka O-MAN, ACTIVIA feat. NOGERA, MIKE McKENNA, KO-MATSUSHIMA, DJ JUSE, SARU, CHU*, Takashi Sudo & Isao Sudo, SINKICHI, SINN, Adaltz, and more
PHOTOS : Eliu*, Kuro, Mixtribe, Sandy
TEXT : Terumi Tsuji

イベント詳細


3年目にしてやっとアマテラスが味方をしてくれた。過去2回、雨に泣かされた秋の渚大阪だったが、今回は雲一つない秋晴れ。10月にも関わらず、半袖でも汗ばむほどの晴天。まさに野外フェス日和となった。

渚のノボリで飾られたエントランスを抜けると、まずはチルスペース渚公園がお出迎え。小高い丘の先には明石海峡が一望できる絶景が広がっており、ここが大阪市内であることを忘れてしまいそうなほどだ。中秋の名月当日ということもあり、漆紅に彩られたベンチや紅葉をモチーフにしたデコレーションで早くも秋を感じさせてくれた。渚公園を少し進むと、今度は FM802 と Lovearth Camp によるエコ・エリア。オーガニック・ジャムやハンドメイド・ソープをはじめとする自然に優しいプロダクトばかりを集めたエコ・マーケットや、自転車発電機 "Lovearth6 (ラヴァーズ6号)" とアーティストのコラボレーションライブなど、様々な企画が行われており、エコロジーをより身近に感じることが出来た。

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まずは今回新しく追加になった月ステージへ。このステージは Onzieme が全面的にサポートしているということもあり、Mike Mackenna や Ko-Matsushima, DJ Juse といった Onzieme に出演するDJを中心としたラインナップ。オーバーグラウンド系テクノ、ハウス、エレクトロを求めて、早い時間帯から常にフロアーはオーディエンスで賑わっていた。

また今回から、会場の至る場所にテーブルや椅子、ベンチが設置されていた。テントやタープの持ち込みが禁止のフェスでは、こういったちょっとしたホスピタリティーが非常に嬉しい。日よけタープのついたテーブルに座り、太陽から聞こえてくる FullMoon Mond のサイケデリックトランスをバックにランチを食べていると、目の前にスパークリングワインブースを発見!迷わずボトルで購入し、青空の下昼間からお酒を愉しむという休日ならではの贅沢な時間をすごした。

また、おむつ交換や授乳スペースも備えたキッズエリアがきちんと用意されている辺りも、子連れパーティーピープルには嬉しい配慮だ。市内からアクセスも良いデイパーティーということもありキッズ連れのカップルも多い。秋の会場は地面がコンクリートではないため、裸足で踊ったり、草むらに寝転がって音を楽しむ人も続出。こういった所が、大阪の渚はピースフルだと言われる所以なのかもしれない。

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お腹も一杯になったところで、Raja Ram のプレイする太陽ステージへ移動。トランス界の大御所のプレイということで、フロアはサイケトランス好きのギャル・ギャル男だけではなく、著者のようなゴアトランス時代からのトランスファンが次々と集まり、フロアは一気に寿司詰め状態。しかも今回は Hallucinogen 名義で絶大な人気を誇る Simon Posford とのアンビエントユニット Shpongle や、GMS とのユニット 1200 Micrograms にも参加しているNogera も急遽ドラマーとして参加。ピンクの犬(?)をモチーフにしたキュートな自転車に乗ってステージに登場し、そのユニークな風貌と動きでオーディエンスを湧かせた。長年一緒にプレイしている2人ならではの絶妙なコンビネーションを披露。終止笑顔で踊りながらオーディエンスを煽り、御年60歳を超えているとは思わせないパワフルで貫禄のプレイを見せてくれた。

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クリーニングタイム終了後、太陽ステージでは GOCOO のライブがスタート。映画 「Matrix Reloaded」 「Matrix Revolutions」 のサントラにも参加しており、アメリカやオーストラリア、ヨーロッパでも人気の和太鼓集団で、大阪渚に登場するのはこれが初めて。東京の渚には何度か出演したことはあるものの、大阪での知名度はまだそこまで高くないのか、フロアーはまだまだ寂しい。パワフルな和太鼓のビートがスタートすると、今までに聴いた事のないプリミティブでミニマルな音に吸い寄せられるよう人がドンドン増えてくる。力強いサウンドも然ることながら、ピッタリと息のあったパフォーマンスにただただ脱帽。太鼓だけでここまでクリエイティブなサウンドが創れるということに感動を覚えるほどだった。30分という短いライブだったため、今回見逃してしまった人は、次のチャンスに是非とも体験して欲しい。

続いて登場したのは、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いの DAISHI DANCE。オリコン・ダンスチャートで1位を獲得するほどの人気だけあって、フロアには可愛いOL風の女の子やお洒落な男の子が多い。夕暮れ時のオレンジ色の空と女性ボーカルハウスが最高にマッチしてとっても気持ちがいい。いわゆる 「乙女ハウス」 と呼ばれるボーカルハウスは普段はあまり聴かないジャンルなのだが、意外にも野外に合う事が発覚。メロディアスなハウスを聴きながら、太陽が海に沈んで行くのを眺めていた。

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太陽が沈み、空が紺とオレンジのグラデーションに染まった頃、反対側の空には大きな満月が顔を出した。そこからは渚も夜バージョンに変化。カラフルなライトイングやレーザー、VJと、それぞれのステージ毎に違った顔を見せてくれる。雲ステージには "人力ミラーボール" が登場し、オーディエンスも一緒になって光遊びを楽しんだ。また、星と光ステージがコラボレーションした新ステージ 「灯」 では、光の魔術師 Bataland がサイケデリック・ワールドを展開。虹色のライティングの中で Altz の別名儀 Adaltz のディスコハウスで聴いていると、まるで70'sにタイムスリップしたかのような気持ちにさせられた。

最後に向かったのは太陽の渋さ知らズ。今回はステージの数が減ったということもあって、太陽ステージにバンドメインの風ステージが融合したラインナップ。シルクドソレイユを彷彿とさせるような衣装に身を纏ったダンサーがステージ中央に登場。そこにインプロビゼーション・ジャズともいえるフリージャズ合わさって行く。スクリーンには彩色豊かな深海魚の姿が映し出され、不思議な世界を創って行く。途中渚のオーディエンスには少し「渋すぎ」と思われるサウンドもあったが、終盤の 「本田工務店のテーマ」 からアンコールに掛けてのお祭り騒ぎは、まさに 「渋さ知らズ」 節炸裂。渚を締めくくるのに相応しい、賑やかで楽しいパフォーマンスだった。夕日と満月そして極上の音を心行くまで堪能し、著者の'09年の野外シーズンも幕を閉じた。

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