HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

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’05年より Tsuba Records、Buzzin' Fly Records、liebe*detail、Saw Recordings、Rekids などの人気レーベルで活躍するロンドン在住の若手DJ/トラックメイカー Spencer Parker。エレクトロハウスを中心としたユニークなサウンドを特徴とし、地元ロンドンではレジデントをいくつか勤め、世界各国からの招聘もひっきりなしという人気ぶり。今回、Radio Slave こと Matt Edwards が主宰する Rekids から3枚組みのレーベル・コンピレーション が発売され、その3枚目のミックスを Spencer Parker が担当したとあってインタビューを決行。勢い溢れる心持ちと、素直な人柄が表れた内容となっている。

Interview & Introduction : Midori Hayakawa (HigherFrequency)
Translation : Shogo Yuzen

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HRFQ (HigherFrequency) : あなたの音楽的なバック・グラウンドを教えて下さい。

S.P (Spencer Parker) : 子供の頃、僕は絶大なヒップ・ホップファンで、Gangstarr, Public Enemy, Brand Nubian や A Tribe Called Quest のようなアーティストの曲を聴いていたんだ。でも大きくなるに連れてクラブに遊びに行くようになって、ハウスミュージックに出会った。その頃からクラブでの出来事を音楽で思い出せるようにレコードを買うようになったんだ。しばらくしてレコードが集まった時に友達の18歳の誕生日パーティーでDJを頼まれたんだ。それがきっかけで今までずっとDJを続けてきたんだよ!

--どのようにしてダンス・ミュージックのアーティストとしてのキャリアをスタートしたのですか?

S.P : 最初はただ好きな曲を編曲するところから始めたんだ。最初の頃に僕が編曲した曲の一つが、DJ T の 'Rimini' だったんだけど、僕が編曲をした翌週になんと Pete Tong が Radio 1 でかけてくれたんだよ。他にも Radio Slave と一緒に Justice vs. Simian の 'Never Be Alone' のリミックスを作ったんだけど、その曲も有名なDJ達にかけてもらえたんだ。そこから編曲やリミックスの制作を続けて、最終的に僕のファーストシングル、'Open Your Eyes' をリリースしたんだ。

--ロンドンに在住しているそうですが、魅力は?オススメのクラブやスポットは?

S.P : ロンドンは素晴らしい街、常にたくさんのことが起こっている場所だね。The End のようにいくつかのいいクラブは無くなってしまったけど、ソーホーには今でも Blackmarket や Phonica のようないいレコード屋があるし、Ghost や The Arches みたいなクールなクラブも新しく出来ているよ。ショッピングをするなら Selfridges がいいね。個人経営のお店だと Hideout や僕のお気に入りの Dover Street Market みたいないいお店があるよ!Curzon Soho は素晴らしい映画館だし、他にも僕は National Portrait Gallery や Tate Modern Museum っていう美術館にも足を運ぶよ。

--現在のロンドンの音楽シーンはどのような感じですか?

S.P : 結構いい感じなんじゃないかな?いいパーティーもたくさんあるし、数字も下がっていく様子は全く無いと思うよ。先週日曜日もここロンドンの 93 Feet East で開かれた Fuse っていうパーティーでプレイしたんだけど、超満員でものすごく盛り上がってたんだ。本当に素晴らしいパーティーだったね。だから、もしこの街を訪れるなら 「行きたい場所リスト」 の一番上にこのパーティーを書いておいて間違いないと思うよ!

--あなたの作るトラックはとてもバラエティに富んでいてユニークさを感じるのですが、ご自身で何か意識していたりするのですか?

S.P : ありがとう。僕は制作っていう面ではまだ新人だと思うんだけど、いつも心がけているのは自分の音楽を 「オリジナル」 なものにすることなんだ。ごく普通な音楽が溢れかえっている中で僕は自分の音楽が目立つものであって欲しい。僕自身がレコードを買う時に新鮮味のあるものを聞きたいって思うから、音楽を作る上でそれがディープハウスであろうと、テクノであろうと少し奇抜なことをやるように心がけてるよ。

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--リミックスも多くリリースしていますが、今後一緒にやりたい、注目しているアーティストはいますか?

S.P : Nikka Costa のようなヴォーカリスト、後は Terrence Blanchard のようなミュージシャンとは是非コラボレーションしてみたいね。ダンスミュージックで言えば…やっぱり Daft Punk!彼らとコラボレーションしたくない人なんていないでしょ!?

--Rekids からコンピレーションをリリースすることになった経緯を教えて下さい。また、今の気持ちは?

S.P : そうだね。僕はレーベル創立当時から Rekids の仲間の一人だったし、彼らが僕のレコードをリリースしてくれることを誇りに思ってるよ。僕は本当に尊敬できるレーベルとしか仕事をしないんだけど、彼らはいい仕事をしていて絶好調だしね。このコンピレーションをミックスした時に僕は 「DJとして」 の自分のサウンドを表現しようと思ったんだ。少しディープなトラックからスタートして、テクノに移行する前にまずは徐々にハウスに寄せていってね。最後には 'My Bleep' の Roman Flugel Remix みたいなトリッピーな曲たちで終わるっていう風にね?

僕は普段のクラブプレイでもよく Rekids の未公開曲をかけているし、そういう意味ではこの "Rekids Revolution" はいい形に仕上がったんじゃないかと思うよ。レビューでも各方面からいい評価を得ているし、僕がクラブでプレイする時にもいろんな人にこのコンピレーションについて聞かれる。だから、このリリースが上手くいくことを期待したいね。

--楽曲をつくるプロセスについて教えていただけますか?またトラック制作の時にはどのような機材を使っていますか?

S.P : 制作には Ableton と愛用のノート型 Apple Mac しか使っていないよ。機材はとにかくシンプルにして、たくさんのプラグインを使用することよりもいいアイデアを思いつくことに集中するようにしてるんだ。

--様々な国や地方へギグをしに行っているわけですが、特に印象的だったのは?

S.P : 僕は一度シベリアでプレイしたことがあるんだけど、あそこは本当に印象的だったし…とにかく寒かった!!場所は小さいボーリング場だったんだけどね、僕が到着したら、いきなり関係者にミキサーとターンテーブルの繋ぎ方がわからないから教えてくれって言われてさ。僕がプレイを始めたら、テーブルのところに座ってた地元の兵士達がハウスミュージックやテクノに頭を振ってノリ出したんだ。…不思議な光景だよね。ウォッカを飲みすぎたせいでそれ以上のことはあんまり覚えてないけどね!

--以前 Buzzin' Fly Records からリリースされたトラックが 'chiho' という日本人アーティストの名前であったり、Satoshi Tomiie の Saw Recordings からのリリースなど、日本とのつながりが見れるのですが、日本にはどのような印象をお持ちですか?

S.P : 僕は一度も日本に行ったことないんだけど、実は日本が今一番行きたい国なんだ!!近いうちに行けることを願ってるよ!!The Buzzin' Fly からリリースした 'Chiho' のタイトルは日本人のアーティストの青島千穂から取ったんだ。彼女の作品が好きで集めたりしてるんだよ。村上隆や他の Kaikai Kiki に所属してるアーティストもすごく好きなんだ。僕は買い物好きなんだけど、Commes Des Garcons とか Undercover みたいな日本のブランドもお気に入りだね。

--今後の活動予定を教えて下さい。

S.P : このコンピレーションのリリースに伴って、Sweden, London, New York, Vienna やベルリンにある Panorama Bar などいろんな場所をツアーで周るよ。他にも Rekids から 'YOGOTO', 'Romantic', 'My Heart'、Liebe*Detail からは 'Untitled Head'、そして Buzzin' Fly から 'The Beginning' をリリースするんだ。夏には自分で設立するレーベルからシングルで 'I Love Nobody Else' を Justin Drake のリミックスと一緒にリリースする予定だよ。

--あなたの目指す先は?

S.P : 自分が誇りを持てるような音楽をこれからも作っていきたいね。僕はただの流行っては消えていくようなダンスミュージックを作るんじゃなくて、クオリティーの高い音楽を作るってことにすごく力を注いでるんだ。だから今僕の音楽を良いって言ってくれる人たちがこれからも僕の音楽を好きでいてくれることを願うよ。

--日本のファンのみなさんにメッセージをお願いします。

S.P : 日本のみんなが僕の音楽に興味を持ってくれているのがすごくうれしいよ!アリガトウ!いつ僕を日本に呼んでプレイさせてくれるかな!?!?

End of the interview


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