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Derrick May

DERRICK MAY - デリック・メイ -

本名 : Derrick May
スタイル : テクノ
出身地 : アメリカ
関連プロジェクト : Rhythim Is Rhythim, Long Ago, Mayday, X-Ray
所有レーベル : Transmat
オフィシャル・サイト : http://www.derrickmay.com

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Juan Atkins、Kevin Saunderson と並ぶデトロイト・テクノのオリジネーターの一人であり、常に革新的なサウンドを提示し続けることで ”テクノ界のマイルス・デイヴィス” と称されることもある重鎮 Derrick May。彼がクラブ・ミュージックの世界に入ったのは、高校時代の同級生であった Juan Atkins から紹介された YMO や Kraftwerk のレコードに強い感銘を受けたのがきっかけであった。

既に DJ / プロデューサーとして活動を始めていた Juan の後に続くように、’86年には自身のレーベルである Transmat を設立。記念すべきレーベルからの第一弾リリースとして、Juan Atkins とのユニット X-Ray 名義によるシングル “Let’s Go” を世に送り出す。Juan のレーベル Metroplex のサウンドからの影響も色濃いこの曲は、デトロイト・テクノの記念碑的作品として、後の世にも長く語り継がれることとなった。

翌 ‘87年には、Rhythim Is Rhythim名義で正式なデビュー曲 “Nude Photo” をリリース。そのタイトルのとおり、Derrick がヌード姿で創り上げたというエピソードが有名なこの曲は、デトロイト・テクノ・シーンを飛び越え、当時イギリスで全盛を極めていたアシッド・ハウス/レイヴ・シーンからも絶大な支持を獲得することとなる。そして同年には、“Nude Photo” より以前に完成していたが、あまりに革新的なサウンドのためリリースのタイミングを見計らっていたという曰くつきの名曲 “String Of Life” を世に送り出す。壮大で感動的なストリングスとエモーショナルなピアノの旋律がビートレスで美しく交錯していくこの曲は、確かに当時としては他に類をみないほど革新的なスタイルを持っていた。しかし、Derrick の危惧とは裏腹に、同曲は報われない現実に傷ついた心と未来に賭ける激しい情熱が同時に表現された名曲であるとして、彼の人気を不動のものにすると同時に、荒廃した工業都市であるデトロイトが生み出すサウンドの特異性を広く世に知らしめたのである。

その後も、”It Is What It Is” や ”Beyond The Dance” といった名曲を次々と連発。また、Transmat からは Carl Craig、Kenny Larkin、Octave One などの作品を送り出し、デトロイト・テクノの次世代を担う才能を発掘する慧眼ぶりでも注目を集めていたが、’93年以降はベルギーのレコード会社との契約上のトラブルもあり、DJ としての活動を中心にキャリアを築いていくことになる。しかし、彼の人気は全く衰えることを知らず、むしろレコード会社の商業主義に負けないストイックな DJ として、カリスマ的な人気は更に高まっていくのであった。

‘03年からは、世界最大規模のフリー・テクノ・フェスティバル Movement を2年間にわたって主宰する。このフェスティヴァルは、Carl Craig がデトロイト市と共催というかたちで始めた Detoroit Electronic Festival が元になっているが、主宰者が Derrick に変わってからは名前を変え、デトロイト市ではなく一般企業から資金を集めることで開催。しかし、資金繰りが想像以上に困難であったため、’05年からは Fuse-In と再び名称を変更し、今度は Kevin Saunderson に全権を引き継ぐかたちで開催が続けられている。

‘03年には、Danny Krivit が “Strings Of Life” のリエディット・ヴァージョンを発表。翌 ‘04年にはKathy Brownのソウルフルなヴォーカルをフィーチャーした Soul Central による同曲のカバーもリリースされるなど、10年以上の歳月を経ても Derrick の音楽性が全く古びていないことが改めて証明された。また、’06年にはテクノ・カルチャーのルーツを辿っていく貴重なドキュメンタリー映画 “Hi Tech Soul” が公開されたこともあり、再び熱い注目を集めることとなった彼は、同年12月の来日公演では “Hi Tek Soul” の名を冠したパーティーに出演。また、同映画をテーマにしたトーク・ショーも開催されるなど、その人気と精力的な活動の勢いは未だ衰えることを知らない。 (Yoshiharu Kobayashi)


DERRICK MAY : パーティー・レポート

Dimension K presents 2300 A.D. @ ageHa@studio coast (2005/07/17)

DERRICK MAY : 来日イベント情報

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Escape presents Hi-Tek-Soul Japan Tour 2005 (2005/05/07)