

PHOTOGRAPHER : SAL
TEXT : Sayaka Yumi-Suzuki
ドイツの豪華テクノの祭典、ここにあり 昨年10周年を迎えた、Sonne Mond Sterne Festival は一つのステージをのぼり、新たな時代の幕開けを迎えた。 八月のある週末の 3Days2Night。その巨大さに驚かされた、大盛況の昨年に続き、今年も、大きな期待とともに参加した。 Berlin からの送迎バスは、400キロの道のりとはいえ、7時間以上を要したが、 そうそうたるラインナップに胸の高まりを押さえられなかった。 オープンエアのメインステージと、5つのサーカステント、湖に浮かんだBoat の上のステージ FreshBoat が登場。全8つのステージの上には、世界中で活躍するダンミュージックスシーンの代表者たちが今年もこぞって集う。 ドイツを代表するエレクトロニックミュージックの巨大祭典 Sonne Mond Sterne Festival。その完成度と満足度の高さは、世界中のどのフェスティバルにも見劣りしないであろう。 ドイツ語で太陽、月、星を意味するこの祭りには、国内外から数万人の観客と、数百のラインナップが集結する。 そのすべてを綴ることは難しいが、中でもリマーカブルと思えるアーティストたちをレポートする。 |
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初日のメインステージには Faithless, Paul van Dyk, Miss kittin, Moonbootica など、ビッグネームが名を連ねた。 豪華なサウンドシステムとステージに見合った完成されたライブアクトはさすがと言えよう。 クラブテント4は、Sonar Kollektiv テック部門 Innervisions のレーベルナイト。 Dixon の美しくディーブでハウシーなDJセットが好印象。Tracey Thorn/It's all true (Martin Buttrich Remix )は中でも名曲中の名曲。 続く Henrik Schwarz は Jazzy かつ Funky なライブを披露。 話題の Ame へと続き、心地よいディープテックハウスが新鮮な感動を呼ぶ。 同時間帯に Cocoon テントでは、Tobi Neuman, Ricardo Villalobos, Extrawelt live, James Holden, Andre Galluzzi と、豪華な顔ぶれ。 間近で見る Holden の陶酔しきった表情と、エレクトロニカノイズとも形容できるであろう、そのオリジナリティある統括されたサウンドには注目せずにはいられなかった。 昼過ぎでいったん鳴り止んだ音は、二日目夕方6時に再度スタート。 メインステージでは、注目の NewWave エレクトロバンド(ニューレイヴ)と噂される Northern lite, 同じくドイツ本国で人気の 2raumwohnung のライブに続き、Chemical Brothers の登場は、おそらく今回集まったすべての観客が最も注目したエントリーだろう。 メインステージに積み上げられた巨大なラックデバイスは、おそらく本国イギリスから巨大トラックで運び込まれた独自のシステム。太く響くサウンドがすばらしい。 最新アルバム 「We are the Night」 から No Path to Follow で静かにスタート。 Star Guitar、The Test、Out of Control Hey Boy Hey Girl THE GOLDEN PATH といった数々のヒットチューンと新曲たちを、コラージュ、再構築、ミックスし続け、華々しく展開させていく。 ライブスタイルであるが、テクノをベースに昇華したバンドであることが明らかだ。 巨大3面スクリーン音には、完全シンクロするVJが視覚からもその世界観を印象づけ、熱狂する会場を一体感で包み込む。 Chemical Brothers を堪能したあとは、Laurent Garnier のライブ@Main Circus へ。想像以上にハードな音に驚きもしたが、後半、キーボーディスト、トランペットとサックスを迎え入れ、複雑なコード進行の美しい曲を奏ではじめた頃には、すっかり聞き入ってしまった。ジャズやファンクを取り入れた大胆なステージは、実験的ではあるものの、先駆者ならではの、安定したライブアクトに、会場は盛り上がり続けた。 おなじみの Ellen Allien, Tiefschwarz のDJセットが続き、Main Circus は昼11時まで続く。
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Sven Vath は今年も王座を譲る事はなかった。フェスティバル2日目、深夜3時、宴の熱気は最高潮を迎える。 彼の選ぶ Groovy な Beat に踊らされているうちに、いつの間には夜は明け、もやのかかる湖がぼんやりと浮かび上がる。 ちりぢりの雲が、彼方からやってくる朝日にうっすらと照らされ、雨が去った事を知る。 三時間半のロングセットは、フェスティバル始まって以来、初めての太陽の登場とともに、次第にダイナミックな展開を繰り広げ始める。 Chemical Brothers の出演も伴ってか、Underground なダンスミュージックシーンが、広く大衆の耳に解放され始めた90年代に登場したアーティストの名曲を数多く取り上げているところが特に目立った。 Chemical Brothers 最新アルバムから 「Saturate」 に加え、Underworld 「Dark&Long」, UR 「Jaguar」 など、古典的ダンスミュージックファンには鳥肌ものの選曲。Cocoon 屈指の最新のトラックと織り交ぜることで、往年のクラブアンセムたちは時を超えて一層輝き出す。 歴史を物語るかのように、新旧を融合する大御所DJのプレイの貫禄は、今年で11年目を迎える SMS Festival、そして、30年以上とも呼ばれるテクノシーンそのものの、それと等しかった。 思えば Chemical Brothers も、 New Order のバーナードサムナーや、The Verve、THE FLAMING LIPS などをfeature し、当時のカウンターカルチャーに君臨していたスターたちの歴史を継承している。 クラフトワークを迎え、テクノの原点を見せた昨年の SMS 10th があり、11thの今年は、そこで始まったテクノの歴史が、様々な方向へ才あるアーティストたちによって昇華させられ、成長し続けていることを再確認できる内容であったと言えるだろう。そして自分もまた、その一部であることを実感できた時間だった。 SMS フェイティバルは、エレクトリカルミュージックの歴史を生み出す、一つの渦の中心であることは、間違いないであろう。 余談だが、今回はたまたま、会場の持ち主である方とで会う事ができた。 プレスパスをかけた我々を親しげな大きな笑顔で迎え入れてくれ、この土地と彼の歴史を、セピア色の写真とともに語ってくれた。 この方があれば、きっとこのフェスティバルは今後も間違いなく存続していけるであろう。そう信じられた。 20数年後、世界がなお平和で、このフェスティバルが開催され続け、彼の100歳の誕生日を一緒に祝うことができたらすばらしいと思う。 上質なミュージックカルチャーを全身で堪能し、満足しきったすばらしい週末だった。 | |
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