
ロンドンを拠点に活動する日本人プロデューサー/DJのKay SuzukiがA & Rを務める新レーベルbipolar(バイポーラー)が始動する。 今後、音楽の持つ本質を出来る限り正しく世界に発信することを使命とし、ロンドンのアーティストやムーヴメントを皮切りに、今後は更に 「人種や文化が入り交じった最先端の踊れるグルーヴ」を伝える新興レーベルとしてその活動を開始するとのこと。 レーベル第1弾、第2弾として9月4日に同時発売されるのはKay Suzukiが唯一の日本人アーティストとして所属するロンドンクロスオー バーシーンの中心地Coopr8(コーポレイト)のレーベルコンピレーション"Our Music Our Culture"と、Coopr8主宰で、このシーンを創り 上げたBugz In The AtticのブレインでもあるAfronaughtが引率し、ロンドンのアーティスト達とプエルトリコの伝説的なパーカッショニストや ミュージシャン達とのセッションから産まれたプロジェクト" Hecho en Casa"。 2タイトルともに非常に音楽的にクオリティの高い仕上がりとな っており、今後要注目のレーベルとなることは必至だ。
b i p o l a r は音楽だけではなくその音の背景にある文化的/社会的バックグラウンドも併せて紹介する事で、
その音楽の持つ本質を出来る限り正しく世界に発信して行く事を使命とする。
bipolarとは極端に正反対なモノが同時に存在するという意味。芸術は二つの矛盾し、相反するモノが衝突する時に産まれるという哲学の元、
b i p o l a r では主にロンドンという様々な文化が交差する土地から産まれた音楽を発信。
現代文明における経済の中心を司る都市でありながら、過去数百年に及ぶ大英帝国の歴史の産物として世界中の文化や人種が集った街。
アフリカ大陸から古代より引き継がれるリズムの伝統と、ヨーロッパ諸国で育まれたハーモニーや音階の歴史が交差するロンドンの音楽シー
ンは、グローバリゼイションが進んだ現代に生きる私達の想いを声高らかに代弁してくれているのだ。音楽はいつの時でもその土地や時代
を反映する私達の魂のエコーであり、テクノロジーが進んだ現代においても特出したアーティストという人間から発せられた『声』は時にそ
の姿形を変えて、いつでもその想いに共感する人達の魂に響いて来る。私達が発信するのは特定のジャンルやマーケットではなく、この時
代にこの土地から産まれた本物の魂のエコーなのである。
ラテン、アフロ・カリビアン音楽ファン必聴!!生々しさを失わずに現代のテクノロジーで生まれ変わった最新型プエルトリコ音楽!!
ロンドンのダンスフロアを賑わして来た人気プロデューサー達が伝説的ミュージシャン達との見事な共演で聞かせる原点回帰ダンスミュー
ジック!
ロンドン発の人気プロデューサー集団、Bugz In The Atticのブレイン役でもあるAfronautが長年温めていたプエルトリコ・プロジェクトが遂にそのベールを脱ぐ!彼がここ5年で最低20回は通ったというプエルトリコのミュージシャンとのセッションと、ロンドンのプロデューサー
達を組み合わせて刺激的なサウンドを創り出した待望のコンピレーション第1弾。元々カリブ諸島からの移民が多い西ロンドンの音楽は現代ではアンダーグラウンドのジャズ、ダンスミュージックのシーンにおいて世界中に多大なる影響を与えて来たが、そのリズムに対する貪欲な追求は果てる事を知らない。数年ぶりに本格化して来たシーンの熟成と共に、今一度原点に帰り『ルンバ』、『ボンバ』、
『ブレナ』といったプエルトリコの伝統的なリズムのパーカッションやボーカルを伝説的な超大物ミュージシャンから、若手のミュージシャン
までを幅広く起用して取り入れた。その下にはサウンドシステム文化が育てたロンドンのハウス、ヒップホップ、テクノ、ブロークンビーツ、
ダンスミュージック・ジャズのリズムがドッシリと腰に響く。60年代にニューヨークに渡ったプエルトリコのリズムは『サルサ』と呼ばれた
が、2000年代にロンドンに渡ったこれらのリズムはこれからどういった変化を見せてくれるのだろうか。
レイ・バレットやティト・プエンテ等のような本物を追求しているアフロ・カリビアン音楽のファンから、カール・クレイグやオスンラデのようなハウスミュージック・ファン、そして勿論ロンドンの音を愛して止まないクロス・オーバー・シーンのファンまで幅広く受け入れられるコアな内容で、Gilles Petersonも番組で大絶賛。 既に12インチや7インチの発売でDJの間では以前から大きな話題になっていたプロジェクトの全容がこのシリーズで明らかになっていく!!豪華20ページのブックレットにはアフロノート自ら書き下ろした彼流の『プエルトリコ
旅ガイド』と雑誌ストレート・ノー・チェイサーのライター、カール・インジェックスのライナーノーツを共に日本語翻訳で掲載。
1. Mark de Clive-Lowe feat: Abdul Shyllon - Relax unwind..(Afrojas Ricanstruction)
日本でも大人気のロンドンの敏腕プロデューサー/キーボーディストのマーク・ド・クライブ・ロウが2003年にマスターズ・アット・ワークのレーベルMAWからリリースした作品の『生バンド』リミックス!!当時からトップDJ達から大絶賛されクラシック化しつつも、結局今まで日の目を見なかったこのバージョンが遂に今回初リリース!!新たに加えられたプエルトリカン・ボーカルに、ウッドベース、カリビアン・パーカッション、ピアノというシンプルな楽器編成で、オリジナル作品からのシンセとボーカルをフィーチャー。『アフロ・ジャズ的再構築』というサブタイトルの通り、オリジナルを知るクロス・オーバーのファンも、新たな刺激を求めるオールド・スクールなジャズ・ファンまで楽しめる事間違いなし。アフロノートとプエルトリコ在住ミュージシャン達との共同プロデュース。
2. Candela Allstars - Mambo Roto
2曲目はこのCDの本当のイントロとも言うべき美しいトラック。「世界最高のボンゴ・プレイヤー」と呼ばれるアンソニー・カリージョを始めとしたカンデラ・オールスターズの強力なパーカッションを大々的にフィーチャーしつつ、ベースもピアノも泣かせる位ミニマルで病み付きになるグルーヴが何とも言えない素晴らしい作品。現地のシーンをまとめるドン、パブロ・ロドリゲス、同じくプエルトリカンのマックス・マルドナド、そしてアフロノートこと、オリン・ウォーターズがプロデュース。
3. Broki - Es Que Lo Es (Kay Suzuki mix)
Brokiはプエルトリコの現地プロデュサー達とアフロノートが現地で組んだグループ。セイジとアフロノートがプロデュースしたセッションを、当レーベルA & Rでありロンドンを拠点に活動する日本人プロデューサー/DJのケイ・スズキがリミックス。ギミックが効いた四つ打ちとミニマルなベースラインやシンセの上に、オリジナルの生々しいボーカルやパーカッションが乗っかり、テクノなハイハットや跳ねたスネアが不思議な一体感を醸し出している。オスンラデやカール・クレイグ等のディープなハウス・ファンにもオススメ。
4. Oreja - Julietta
イギリスの人気ポップシンガー、ロージー・マーフィーの楽曲プロデュースから、現在世界中で話題になっているあのエリカ・バデゥー、アリシア・キーズの最極上リミックスまでを手掛けたBugz In The Atticの天才プロデューサー、セイジの別名儀、オレハ。ハウスを超越したボンバ・リズムに図太いボトム、生々しいシンセとボーカルがとてつもなく強烈に響く極上ダンスミュージック!アフロノートも聴いているうちに失神してしまったというお墨付きの(?)一曲。
5. Tito Sensai - Gaelta Liquida
最近はアフリカへの原点回帰に目覚めたというこのシーンのオリジネーター、IGカルチャーの別名儀。彼の実験的エレクトロニックサウンドの名義、サン・オブ・サイエンティストの作品に通じるミニマルで民族的なシンセと、まさにIGカルチャー節としか形容出来ない様なこの独特のウラで跳ねるビート!ここに乱暴なサイレン音とラフで枯れた声のボーカルが更にこのダークさに深みと刺激を与えてくれている。
6. Broki feat: Tempo - Mi Ritmo
数年前にクオンティックとのコラボレーションとして発表された作品の別バージョン。オリジナルの和音楽器を一切排除して、テンポ・アロマーのコンガとボーカルだけを残したなんともシンプルで美しいアフロ・カリビアン音楽。これこそがルーツ!!胸に突き刺さって来るようなコンガの音がたまらない。
7. Totin - Rumba Cultura
ラテン音楽ファンにはお馴染み、80年代からアフロ・キューバンバンドとして有名な“バタクンベレ”のリーダーで伝説的パーカッショニスト、カチェテ・マルドナードとプエルトリコの若手ミュージシャン、トティンのコンガ、パーカッションを大々的に取り上げた素晴らしいグルーヴのルンバ。息を飲むようなピュアでミニマルな流れと、ライブ・パーカッションに絶妙に絡み合うドラム・プログラミングは見事な融合。アフロノートがプロデュース。
8. Afronaut feat: Son del Bate - Golpe tuyo Calinda
2004年に12インチで発売され、あのCO-OPのフロアやロンドンのカーニバルを何年にも渡って賑わして来たこのプロジェクトでも最大のヒット曲、初のCD化!「自分自身のカリンダ・ダンスを踊れ!」というような内容を歌っているみたいだが、まさに腰に思いっきりヒットするようなドラム・マシーンの強烈なビートとブヨンブヨン跳ねるベース、おまけに未来からやってきた原始人が奏でるような不思議な音の数々はダンスフロアを熱狂の渦に巻き込む事確実。このボーカルをダンスフロアで聴いたが最後、数日は「ゴルペッ、トゥヨ、カリンダッ!」「ゴルペ〜〜〜!」と一人で口ずさんでしまうので要注意。
9. Cachete y Seiji - Batacumbele
先に登場したカチェテ・マルドナードのバンド"バタクンベレ”の超有名なテーマ曲を今度はセイジがエディット!ラテン、アフロ・カリビアン音楽ファン/DJにとっては延髄のフロア用キラー・エディットに加え、後半に登場するこのBugz In The Attic節のビートはあの大ヒット曲、4Heroの『Hold It Down』のリミックスで使われたビートとまったく同じでクロス・オーバー・シーンのDJにとっても興奮の一曲。
10. Local 12 - Kulo
プエルトリコのアンダーグラウンドで活躍するエミリオ・ヴェレズ率いる現地バンド、Local 12(ローカル・ドセ)はアフロノートの協力を経て今まさにプエルトリコの未来の音を築き上げて行っている。ドラム・マシーンと生のパーカッションの両方のグルーヴを理解し構築したリズムはまさに無敵。
11. Tito Sensai feat: Cachete - Shelembe
5曲目と同じく、IGカルチャーがサン・オブ・サイエンティスト節を思いっきり効かせたトラックで、先述したカチェテ・マルドナードがボーカルとパーカッションで参加。再び怒濤のグルーヴが最初から最後までノンストップで続く、ハード・コアな素晴らしい楽曲。
12. Afronaut - Nuevo Rumbera
くぐもった音で浮遊感が漂うミニマルなキーボードに、グルーヴィなパーカッションが心地良い作品。思いっきり踊った後のデザート的な感覚でゆっくりと体を馴染ませてくれる。
13. Neon Phusion Feat: Tempo - Calle San Sebastian
ソロのDJとしてもロンドンで頻繁に活動をするBugz In Atticのアレックス・フォンツィ、同グルーブの音楽的要の天才ミュージシャン、カイディ・テイタム、そして彼等をまとめるアフロノートの3人から成るユニット、ネオン・フュージョン。ボーカルには本CDでも大活躍のテンポを起用し、パーカッションにはあのディジー・ガレスピーとも共演した伝説的プエルトリカン・パーカッショニストのジォバンニ・イダルゴを起用。キューバの大物チャンギートと、先に登場したカチェテ・マルドナードと共にバタクンベレの一員として80年代より活躍。
曲名はこのプロジェクトの本拠地であるプエルトリコはサン・フアンのサン・セバスチャン通りの事。ウェスト・ロンドンのビート感覚とプエルトリコの生々しいフレイバーが絶妙に絡み合った好作品。
14. Candela Allstars - Brobombique (Bugz In The Attic Edit)
現在のプエルトリコ・シーンをアンダーグラウンドから支える現代のカンデラ・オールスターズが集結した素晴らしい演奏をアフロノートが現代の感覚でエディット。本作を締めくくるに相応しいサルサで清々しく幕を閉じる。タイトルのブロボンビークとは「ブロークンビーツ」と「モザンビーク」(ラテン音楽のリズムの種類)を組み合わせた彼等自信の造語。Brukeaton(ブラカトン=Bruk + Reggaeton)と共に、彼等が産み出す音楽を表現した言葉遊びだ。
アフロノートが主宰するレーベル Coopr8(コーポレイト)の新しい歴史に相応しい
『俺たちのオンガク、俺たちのカルチャー』シリーズ 第一弾。
この音楽はどこから来たのだろう?
そう、それは音楽の魔法を信じる気持ちから。それは何か新しくてファンキーなモノを創り出したいという欲求から。
それは過去から続く“名前の無いビート”の未来を探し求める冒険から産まれたのだ。
- パトリック・フォージ(ライナーノーツより抜粋)
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