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ENGLISH RELEASES_NEW RELEASES 2004

VA / Soul Source Remixed Fevers

VA / Soul Source Remixed Fevers

収録楽曲解説 by Hirofumi Iwanaga (Victor Entertainment)

01. Barbara Acklin/Am I the Same Girl (Local People Remix) : Remixed by Local People

まさかこの曲のマルチが存在するとは…と全世界中のソウル・フリークたちが驚くであろうスーパー・キラー・チューンのリミックスを手掛けるのは、Soul Source Crewとも縁の深いメルボルン出身のグループ、ローカル・ピープル。彼らのリリースするシングルは、既にジャイルス・ピーターソン、ライナー・トゥルービー、ジャザノヴァなどのアーティストがサポート中。グループをスタートさせたギタリストのランス・ファーガソンは、自身のバンド、ザ・バンブーズのリーダーでもあり、ケニー・ドープそしてケブ・ダージのレーベル、Key-Dee Recordsからシングルをリリースしている。バンドのジャズ・ヒップ・ホップ的なアプローチを担うエンニオ・スタイルズは、ジャザノヴァらの後継者ともメディアで称されている。オリジナルに忠実ながらも、2005年にふさわしいサウンド・テキスチャーとなっている好リミックスでアルバムはスタート。

02. Bobby Caldwell/What You Won’t Do For Love -20th Anniversary Version (Eddy Meets Yannah Remix)
  : Remixed by Eddy Meets Yannah

『Soul Source Remixed Boogies』にてタニア・マリアの「Come With Me」をリミックスし、ダブ・ミックスがジャイルス・ピーターソンのチャートの1位を獲得するに至ったクロアチア出身のクラブ・ジャズ・ユニット。エディー・ラミッチは1997年からエディー・アンド・ダスというユニットを結成し活動してきたが、2004年ユニットは解散し、エディーはエディー・アンド・ダスにヴォーカリストとして参加していたヤナ・ヴァルデヴィットと現在のユニットを結成。ピアノそして音楽理論を大学で学んだヤナ、そしてエディーのプロダクション・DJの融合が、彼らをクラブ・ジャズ界の中でもひときわ際立つ存在としている。現在彼らは独COMPOST RECORDSとアーティスト契約をしており、今年リリース予定のファースト・アルバムを制作中。オリジナル楽曲はミスターAORことボビー・コールドウェルの「風のシルエット」!マルチが存在しなかったためオリジナルのリミックスは不可能だったが、ボビーが新に録音していたバージョンを組曲風にリミックス。

03. Madeline Bell/That’s What Friends Are For (Danny Krivit Re-Edit) : Re-edited by Danny Krivit

来日の度にクラブを満員状態にするほど日本にて高い人気を誇るDJであり、フランソワ・ケヴォーキアンをして「自分を唯一惨めな気持にするDJがいる」と言わせるほどの存在。そのDJ歴は何と1971年より始まっており、今やNYでは伝説となっているモンスター・パーティー「Body & Soul」のレジデントDJとしても日本では認知度が高い。彼がリ・エディットを施したダンス・クラシックスは星の数ほどあり、代表作としてはMFSB「Love is the Message」のリ・エディットや、最近だとソウル・セントラルの「Strings of Life」(デリック・メイのカバー)などがある。ミックスCDやコンピレーションは数多くリリースされており、代表作としては『Mix The Vibe』、『Expansions』や『Edits By Mr. K』など。今回彼がリ・エディットしたのは、ジャズ・ラウンジ系で知らない人はいないであろうキラー・チューン。

04. Flora Purim/Moon Dreams (Rasmus Faber Remix) : Remixed by Rasmus Faber

フローラ・プリンの代表作を選んだのはスウェーデン生まれのプロデューサー・ピアニスト・ソングライター。彼がハウス・ミュージックを作り始めたのはたった数年前であり、しかも最初に制作したハウス・トラックが、2002年にリリースされたデビュー・シングル「Never Felt So Fly」というのだから驚き。シック・D「Insantiable」のリミックスなどを手掛けた後、2002年、英Defected Recordsからダブトライブ・サウンドシステムのリミックスを依頼され、完成したリミックスを聴いたオーナー兼A&Rのサイモン・ダンモアは、すぐさまストックホルムに飛び、ラスマスのマネージメント&レーベル契約をオファーしたとのこと。Defectedのサポートもあり、その後自身のレーベルFarplane Recordsを立ち上げ、レーベル第一弾であり現時点でレーベル最高峰といえるビッグ・チューン「Ever After」をリリース。当時ハウス系のイベントではかからない日がなかったくらいヘビープレイされ、また、ジャズ系のDJもDJセットに組み込んでイタ。デモ段階から「すごいいいものができそうだよ」と彼は伝えてくれていた、彼の言葉のとおり、今まで彼が手掛けたリミックスで一番いいんじゃないか?と思えるくらいの完成度を誇るリミックスとなっている。

05. Shocking Blue/Venus (Yukihiro Fukutomi Remix) : Remixed by Yukihiro Fukutomi

ミュージシャン/DJ/プロデューサー。アメリカ/King Street Sounds、ドイツ/JCR(Jazzanova Compost Records)、イギリス/Hospital、イタリア/IRMA、等の各国/ 各レーベルからソロ作をリリース。ハウスを軸としながらも、ジャズ、ソウル、ラテン、ブラジリアンからテクノまでの多様なテイストをふんだんに盛り込んだプロダクション・スタイルで、ジャイルス・ピーターソンからダニー・クリヴィットに至る迄、ジャンルレスにDJチャート/プレイリストを賑わし、全世界で30タイトル以上のDJコンピレーションにも収録される程の高い評価を獲得している。ディープ・ハウスとフューチャージャズを繋ぐ希有な存在のアーティストである。3年振りとなる新作「Equality」は、これまでの活動で得たコネクションを存分に生かした豪華アーティスト達の参加を得て、より幅広く、よりディープな内容となっており、最高傑作との呼び声も高い。2004年10 月28日ファイルレコードよりリリースされている。デニス・フェレール&ジェローム・シデナムの「Sandcastle」的なディープ・トライバル・ハウス風に仕上がったリミックスは、ショッキング・ブルーのレーベルも大喜びしたほど。

06. Average White Band/Work To Do : Soul Source Production Mix : Remixed by Soul Source Production

本企画のプロデューサー、箭内健一によるプロジェクト。2000年に『Soul Source Jackson 5 Remixes Vol.1』を、続いて2001年に『Vol.2』を企画・プロデュースし大ヒットに導いたことで名を馳せた。その後、『Soul Source presents routine』、『Soul Source EW&F Remixes』をプロデュース、2003年にはディミトリ・フロム・パリのアルバム『Cruising Attitude』のファースト・シングルをリミックスし、同年におこなわれたディミトリ・ジャパン・ツアーのパートナーDJとしてツアーに参加。海外アーチストとの交流も深く、去年にはフランスのアーティスト、オスカーのリミックスを手がけ、パリにて開催された彼らのリリース・パーティーへDJとして参加。昨年には、TOKYO-FMの朝番組『Supreme』とのコラボ・コンピ『Soul Source Supreme』、そして初のミックスCD『Shaking Soul Source』をリリース、更に平井賢「キミはともだち」のリミックスを手掛けるなど、活躍の場を広げている。今回彼が選んだのは、アヴェレイジ・ホワイト・バンドの超有名曲!アイズレー・ブラザーズに捧げたような、きらびやかなリミックスに仕上がっている。

07. Jeanie Tracy/I Feel Like Dancing (Joey Negro Club Mix) : Remixed by Jeanie Tracy

ジョーイ・ニグロとは、イギリスのハウス・シーンの生みの親の一人でもあるデイブ・リーの名義の一つ。彼はジョーイ・ニグロのほか、ジャカッタ、ミツラ、ダグ・ウィリス、レイヴン・メイズ、サンバースト・バンドなど数々の名義にて数えられないほどのシングル、そしてリミックスを手掛けている。因みに彼はディスコをサンプルしハウスを制作した最初の一人であり、彼がいたからこそ、「ディスコ・ハウス」という名称が生まれたといっても過言ではない。また彼はリ・エディットも数多く手掛けており、彼のDJセットでは殆どのディスコ・クラシックスが彼の手によってリ・エディットされている。マライヤ・キャリーやシールなどのスーパースターのリミックス・プロデュースを手掛けており、中でもテイク・ザットによるダン・ハートマンのカヴァー「Relight My Fire」はイギリスで大ヒットを記録。今年初めには久々となるミックスCD『Joey Negro in the House』を英Defected Recordsからリリース。彼は今回、自ら選んだファンタジー・ディスコの隠れた名曲をリミックス。「皆が知ってる曲をリミックスするっていうのもいいんだけど、知らないでもイイ曲をリミックスして世に出すってことも必要だと思うんだ」その通りですJoey様!

08. Sylvester/You Make Me Feel (Mighty Real) (David Morales Def 2005 Remix)
  : Remixed by David Morales

マライア・キャリー、ペット・ショップ・ボーイズ、マドンナ、ビョーク、ジャネット・ジャクソン、ジャミノクワイ、マイケル・ジャクソン…と数知れないほどのスーパースター・アーチスト達のプロデュース・リミックスを手掛け、またスーパースターDJの一人として世界中を飛び回り、天文学的な数字のマイレージを貯めているデヴィッド・モラレス。昨年にはピーク・タイム・チューン「How Would U Feel」を含んだ、オリジナルとしては何と10年ぶりのセカンド・アルバムとなる『2 Worlds Collide』を日本先行で発表、その後全世界的にリリースされている。現在彼はマライア・キャリーの次作アルバムに参加中。去年の来日の際にソウルソース・リミックスド・ブギーズを聴き、「俺にもリミックスさせてくれ」と逆オファーをされ、「実現したらいいな…」と思っていたのだが彼は本気でした!今回一番マスター到着が遅かったモラレスだが、アルバムのマスタリング日までに間に合わせるべく、DJツアー中に自費でニューヨークに戻り、リミックスを完成させてくれた。出来上がりは言うまでもなく、オリジナルへのリスペクトに溢れる素晴らしいリミックス。塾長、感謝です!

09. Average White Band/Lets Go Round Again (Axwell Remix) : Remixed by Axwell

もう一組アヴェレイジ・ホワイト・バンドを手掛けたのはラスマス・フェーバーと同様スウェーデン出身のアックスウェル。マンバラ名義の「Libre」や本人名義の「Wait A Minute」等のスマッシュ・ヒットにより一気にその名をハウス・フリークの間に知らしめた。現時点での彼の最高作品と呼び声の高い「Feel The Vibe」は、去年母国のNero Recordingsよりリリースされ、ロジャー・サンチェス、ジャッジ・ジュールス、ピート・トン、日本では大沢伸一氏等のビッグ・ネームDJのチャートに姿を見せた。彼はリミキサーとして、アッシャー「Burn」そしてルーム・5「Make Luv」はイギリスにてNo.1を記録。また最近ではN*E*R*D「Maybe」などのリミックスを手掛けるなど、ここ数年でメジャー・アーチストからも引っ張りだこのリミキサーになった。また今年ファースト・ミックス・CD『House Power Vol. 2』が母国のレーベル、S Recordsよりリリースされる予定。ファンキー・ハウスの現在進行形ともいえる彼のスタイルとダンス・クラシックスが見事なまでに融合したリミックスは、既にヨーロッパから複数のリリース・オファーが!

10. Johnny "Hammond" Smith/Los Conquistadores Chocolates (Dim's Super Jizzco Brakes)
  : Remixed by Dimitri from Paris

87年にDJ活動を開始。15年以上のDJキャリアの中で、ロンドン、東京、スイス、パリ、ニューヨークなどのクラブにてレジデントDJを経験し、フレンチ・ハウスの第一人者として世界的に認知されるようになった。フランスの気品漂うDJスタイルの評価は高く、ジャンポール・ゴルチェやシャネルなどのオートクチュールのファッション・ショーのDJそして音楽制作も手掛けるに至る。リミキサーとしてはビヨーク、ジェームス・ブラウンらを含む100人以上ものアーティストを手掛けている。1996年にデビュー・アルバム『Sacre Bleu』を発表、世界中で数百万枚のセールスを記録。その後、『A Night at the Playboy』『After the Playboy Mansion』等のミックスCDを次々に発表、高い評価とセールスと共にDJ・クリエイターとしての地位と認知度を確固たるものとした。2003年には通算2枚目となるオリジナル・フルアルバム『Cruising Attitude』をワールドワイド・リリース。また昨年は英Defected RecordsよりミックスCD『Dimitri in the House』をワールドワイドでリリースし日本でも大ヒット。ティミー・レジスフォードも今なおプレイしているジャズ・ファンクのハイ・クオリティ・ディスコ・リミックスだが、彼らしくリミックス名までそのエディット魂を見せつけている。

11. Azar Lawrence/Novo Ano (Toshio Matsuura Remix) : Remixed by Toshio Matsuura

1990年にUFO (United Future Organization)を結成。12年間の活動を経て2002年に独立。その間5枚のフルアルバムを全世界32ケ国で発売し国際的に高い評価を得る。DJとしても国内外で活躍、25ケ国以上のクラブやフェスティバルに出演し、昨年春にはヨーロッパ・ツアー(ハンガリー、オーストリア、イギリス他)を慣行している。アーティストとしても国内外のミュージシャンのリミックスやプロデュースをおこなっており、アストラ・ピアソラ、ジェームス・ブラウン、EW&F、インコグニートのリミックス等を手がけている。昨年夏にはファンタジスタ名義の新作「Samba De Gilles」をノルウェイのJAZIDより発表。ジャズトロニックの野崎氏もRhodesにて参加した「Loud Minority」2005年バージョンともいえる疾走感溢れるリミックスは、ラストを飾るにふさわしい。(Hirofumi Iwanaga @ Victor Entertainment)

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