GusGus / Forever

発売日 : 2007/02/02
レーベル : Great Stuff Recordings / KSR House
カタログ : KCCD-258
フォーマット : Original CD
発売国 : Germany / Japan
スタイル : House, Tech House

アイスランド出身のベテラン・エレクトロ系バンド GusGus の５作目となるアルバムが、ドイツの大人気エレクトロ・ハウス・レーベル Great Stuff より登場。過去に Darren Emerson のレーベル Underwater よりヒット作を生み出し、その後に Great Stuff からリリースしたシングル 'Lust / Porn' も James Holden 、 Ivan Smagghe (Black Strobe) 、 Dominik Eulberg 、 M.A.N.D.Y. といった名だたるアーティストより絶賛の声を浴びた GusGus。本作では、そんな油の乗った彼らによる現在進行形かつハイ・クオリティなエレクトロ＆ポップ・サウンドが惜しげもなく展開されている。

彼らの１０年以上にも及ぶキャリアを実感させられるニューウェーヴ調ディスコ・トラック 'Degeneration' によって緩やかな幕を開けると、厚みあるエレクトロ・ビート、そして GusGus の紅一点 Earth こと Urdur Hakonardottir のボーカルとともに２曲目 'You Never Change' がスタートした。エレクトロ系にはよくあるパンク調のものとは違ったソウルフルな声で歌い上げる Earth のボーカル、まるでエレクトロ・トラックを知り尽くしたかのようなそのリズム・トラックとの馴染み具合に圧巻させられながらも、４曲目の 'Lust' では一転してインスト物のクラブ・サウンドへ。 Tiga や Boys Noize 辺りに通ずるダーティーなビート重視のトラックで絶妙なカラー・チェンジに成功し、その後のロック系アッパー・チューン 'If You Dont Jump'、ヘビーなブレイクスに仕上がったタイトル曲 'Forever' など、 DJ Hell や Tiga 辺りがプレイしている様が容易に思い浮かぶ強力なフロア型トラックによってアルバムのピークを作り上げていく。

ピークが峠を越えた後は、再び Earth のボーカルがメインの作品へ戻り、リスナーに一服的な空気を与えてくれる。その後は逆にテンションを上げず、ディスコダブ調の 'Sweetsmoke' や、 Richie Hawtin のレーベル Minus 系のミニマル・トラック 'Demo 54' などでじっくりハメていき、ラストは空間シンセと爽快な疾走ビートで駆け抜ける 'Mallflowers' によって美しくエモーショナルなエンディングを迎える内容となった。全体を通してのポップな空気感とフロアを意識した厚いビートが光った本作は、先に Great Stuff よりブレイクした Coburn にも通ずる仕上がりで、コアなダンス・ミュージック・ファンからロック、ポップ系のリスナーまで多くのファンを虜にするだろう。
(Masanori Matsuo : HigherFrequency)

収録曲

01. Degeneration
02. You Never Change
03. Hold You
04. Lust
05. If You Dont Jump
06. Forever
07. Need In Me
08. Sweetsmoke
09. Porn
10. Demo 54
11. Mallflowers