HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

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新島 WONDERLAND -Invitation- @ 新島・羽伏浦公園, 羽伏浦ビーチ, 和田浜ビーチ

DATE : 26〜28 September 2008
DJ : Takkyu Ishino, Marcus C. Maichel (The Delta, X-Dream), Sugiurumn, DJ Quetstorm, Dexpistols, Carlos Gibbs, OMB, Sein Oize, Bryan Burton-Lewis, Ayashige, Mako, Really?, Mattie, Toru Nakajima, Dominic
LIVE : Namba Akihiro (Hi-Standard x ULTRA BRAiN), Tadannobu Asano, Aira Mitsuki, Newdeal, Polaroidfades, New Island Style
PHOTOGRAPHER : Wataru Umeda
TEXT : Terumi Tsuji


ageHa でのモンスター・パーティー Clash や、Fuji Rock Festival のオールナイト・フジのオーガナイズでお馴染みの Third Culture の10周年を記念したアニバーサリー・パーティーが新島にて開催された。静岡県の下田港から船に揺られること約4時間(東京からはジェット船で2時間半、大型船にて8時間)、昼過ぎに新島港に無事到着した。東京から約150km離れた全長30km余りのこの島は、東京都に所属しており、島を走る車はすべて品川ナンバー。また「抗火石(コーガ石)」が採れることでも有名だ。渋谷駅南口の顔とも言える「渋谷モヤイ像」が作られた島というだけあって、島の至る所で不思議なモニュメントを見ることができる。パルテノン神殿を彷彿とさせる24時間入浴可能な無料露天風呂などもあり、音を聴く前からワクワクさせられる。早速レンタカーを借り会場へと向った。

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今回の新島 Wonderland の会場は、島の東側にある羽伏浦公園を使ったメイン・フロア、隣接する羽伏浦ビーチに作られたバレアリック・フロア、そして島の西側にある和田浜ビーチにある WAX フロアの3フロア。強風に見舞われ、金曜出発の船が欠航になってしまったこともあり、フロア自体はまだ賑わってはいないが、ステージやデコレーションは既に準備万全。青空と山、そして海に囲まれた最高のロケーション。後は夜になるのを待つだけだ。

日付が変わった頃、会場へ戻ると昼間とはまったく別の顔をしたフロアが著者たちを歓迎してくれた。ライティング集団 Shinkilow、そして Candle JUNE によるキャンドル・アートで会場全体が眩いほどにキラキラしている。会場のあらゆる場所にミラーボールの光が輝いていて、そこはまさに「音と光のワンダーランド」。日本の野外レイブ黎明期からシーンを支えてきている Bryan を筆頭とした(良い意味で)「不良い大人」たちが創り上げる本格的すぎるフリー・パーティーだ。

メイン・フロアでは石野卓球のフロアーライクなテクノに続き、The Delta として活躍中の Marcus C. Maichel が登場。最近はダークなエレクトロ、テクノをプレイすることが多い彼だが、Third Culture のお祭りということで彼のルーツであるダークでハードなトランスをプレイ。野外パーティーではすっかり朝方にシフトしてしまった著者だが、「レイブに通い始めた頃は夜が楽しくて仕方がなかったな」と初心に返り、夜のフロアを堪能することに。

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ふと頭上を見上げるとどこからともなく一本のレーザーが出ている。レーザーの発信元を探して歩いていくと、ビーチに作られたバレアリック・フロアへ到着。椰子の木をあしらった南国風のブースからはストイックなミニマルが流れている。またフロア真ん中にはドラム缶を使った焚き火も用意されていて、ここでもレイブの古き良き時代なピースな空気で包まれていた。

夜が明け空が微かにピンク色に染まってきた頃、本日の首謀者 Bryan Burton-Lewis が登場。主役のプレイを一目見ようと、今まで思い思いにパーティーを楽しんでいた人たちがフロアへと駆けつけた。「お祭りだし派手なエレクトロをかけるだろう」という著者の予想を完全に裏切る往年のゴアトランスでスタート。この10年間を振り返るのにピッタリな懐かしいサウンドに著者も音に酔いしれずにはいられなかった。仮装する人、ブースに張り付いて踊る人、フロアに座わり瞑想する人など、野外パーティーの原点回帰とも言える光景が広がっており、思わず目頭が熱くなってしまった。新島までの道のりはけして近いとは言えなかったけれど、足を伸ばして本当に良かったと心から思える心温まる素晴らしいパーティーだった。今回のパーティーを企画してくれたBryanにエールを送りたい。そしてこれからも日本のパーティー・シーンの先駆者として活動を続けて欲しいものだ。

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