HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

Desym Masiello

THE GALLERY feat. DESYN MASIELLO -BEDROCK ORIGINAL SERIES ALBUM TOUR-
@ TURNMILLS, LONDON

DATE : 11th September, 2004 (Sat)
PHOTO and TEXT : TAKUMA MATSUI


ロンドンのクラブシーンを長年に渡り支えつづけてきたナイトクラブ"Turnmills"。そしてその設立当初から毎週金曜日に開かれてきたパーティー"The Gallery"。今回は、John Digweed率いる"Bedrock"が新たに立ち上げたコンピレーション・シリーズ"Original Series"のリリースパーティーという名目で、その一番手として抜擢された"Desyn Masiello"をフィーチャーしての開催となった。90年代の終わりにDJとしての活動を本格化させたDesynは、2002年にDeep Dishも所属するアメリカのDJブッキング・エージェンシーBullittと契約。その素晴らしい才能が一気に世界中のクラウドやプロモーターから絶賛される事となり、翌2003年にはLuke Fairとの共同名義において、YoshitoshiからミックスCD"In House We Trust 3"をリリースするなど、瞬く間にシーンの中心へと躍り出てきたハウス・シーン期待のライジング・スターである。

Desym Masiello Desym Masiello
Desym Masiello Desym Masiello
Desym Masiello

Turnmillsに到着すると、既にすごい数のクラウドがクラブを囲むように列をつくっている。そしてエントランスへと足を進めると、緩やかなテンポでありながら勢いを感じさせるプログレッシブ・サウンドが耳に飛び込んでくる。早くも全身の血が騒ぐのを覚えながら、いざクラブ内に潜入!フロアへ入ると、すでにDesynのプレイが始まっており、会場内は多くのクラウド達で溢れかえっていた。CDを中心に幾つものトラックをすばやくミックスし、ベースラインとパーカッションがうねりを上げる独特のグルーブ感で、どんどんフロア内の雰囲気を支配していくDesyn。今回はTurnmillsのサブルームでのプレイだったにも関わらず、メインルームでこれから行われるJudge JulesやM.I.K.Eの勢いを凌駕してしまうのではないか、と言うくらいの勢いで、まだクラブにとっては早い時間にも関わらず、数多くのクラウドが思い思いに踊ったり声をあげたりしながらDesynワールドへと徐々に引き込まれていた。

途中からメイン・ルームの様子を見に行こうと何度もキッカケを探していたのだが、あまりに素晴らしいDesynのセットに圧倒され、そこから動くことができない。ファンキーでトライバルなチューン、そして空間的で電子音が駆け回るプログレッシヴ・サウンドが途切れることなく流れ、あたかも宇宙遊泳をしているかのような感覚…。いつしか完全にDesynの世界へとのめり込んでいる自分を発見する。そして、Celeda - Music is the Answerのヴォーカルがフロアに響き渡った時、クラウド達の熱気と素晴らしいサウンドが織り成す別次元の空間が、そこには完全に出来上がっていたのである。

このままDesynで今夜は楽しもう!と心に決め、ブースの前で踊りまくっていると、どこかで見たことがある男がDesynとブースの中で抱き合っている…。Omid 16Bである。Desynにとって「ベスト・フレンド」という言葉の他に当てはまるものがないというくらいの親しい関係にあるOmidの突然の登場に、Desyn自身もクラウドも一気にハイテンションに。そして、いきなりDesynからヘッドフォンを受け取ったOmidは、何とDesynとのBack to Backを始めてしまう! この思わぬ嬉しいハプニングに、フロアのうねりはもう止められないほど最高潮へと達し、ものすごい歓声と共にOmid vs Desynの競演が繰り広げられていくことになる。

Desym Masiello Desym Masiello
Desym Masiello Desym Masiello
Desym Masiello

筆者自身、彼らとは7月に行われた同The Gallery feat. John Creamer & Stephane Kの時に知り合い(このイベントにも2人で遊びにきていた)何度か言葉を交わす機会があったのだが、今回起こった偶然の再開にすっかり意気投合。しばらくブース内で彼らとの会話を楽しませてもらう事が出来た。Omidは最初会った時のイメージとは全然違った感じで、Desynとじゃれ合い、時には彼に無理やり酒を飲ませ、途中でいきなりヘッドフォンを奪い、そのままブースでDJしてしまう…その姿はまさに"ジャイアン"そのものと言った感じだ。しかし、こういった暴れん坊風のキャラクターを持ちながら、アーティストとしての才能は本当に素晴らしく、トラックメイカーとしては繊細で緻密なトラックを仕上げていくのだから面白い。やはりアーティストという生き物は色んな側面を持っているものだなぁ、と改めて感じ入ってしまった。

その後、Omidは独自のテッキーなサウンドと共に"sos - mode2"から"MYLO - Drop the Pressure"そして名曲"Burnt"まで幅広くプレイし、最後には攻撃的なDJ姿でクラウドを翻弄。Desynも途中でブースから出てOmidを野次るなど、仲の良い二人ならではの光景が繰り広げられていた。こんな風に、2人の素晴らしいパフォーマンスと、クラウド達と共に踊って騒ぐす彼らを見ていると、こちらまで嬉しくなってしまい、最後までハッピーな気分と笑顔で時間を過ごす事が出来た。


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