UNION feat. DANNY RAMPLING, DAVID MORALES @ THE CROSS, LONDON

Danny Rampling & David Morales

UNION feat. DANNY RAMPLING, DAVID MORALES @ THE CROSS, LONDON

DATE : 4th September, 2004 (Sat)
PHOTOGRAPHER : Matt Cheetham / Official Site
TEXT : Takuma Matsui (London)

UKでのサマーフェスティバルシーズンも終わりを告げ、イビサのClosing Partyも迫りつつある9月。ロンドンの名門クラブ The Cross で、貴重な夜を体験する事が出来た。イビサからバレアリック・サウンドを持ち帰った張本人の一人であり、現在のダンスミュージック・シーン隆盛の礎を築き上げてきたベテランDJ Danny Ramplingが主催するレギュラー・パーティー"UNION"。何と今回のスペシャル・ゲストにはDavid Moralesが招かれ、イギリスとアメリカのアンダーグラウンド・シーンを牽引する二人のビッグアイコンによる競演が実現する事となったのだ。Kings Crossに位置する"The Cross"は、南国の熱帯樹を思わせるようなガーデニングが施されたテラスがエントランスの左右に設けられ、そこを静かに照らす月の光と音楽、ほのかに漂ってくる独特の香りなど、まるでイビサのような雰囲気を携えたクラブである。



「ズンズンズン」と響いてくる低音に導かれるままクラブ内へと潜入。メイン・ルームでは既にDanny Ramplingがスピン中で、会場内は熱狂的なクラウド達で埋め尽くされていた。フロアへと辿り着くと、そこにはムッとした熱気とともに、Dannyが得意とするグルーブ感に満たされたクオリティ・ハウス・ミュージックが繰り広げられており、これが本来の「HOUSE MUSIC!!」と言わんばかりの素晴らしいヴァイブが空間を支配していた。実は、筆者がDannyのプレイを生で体感するのは初めてのことだったが、クラブのラウドなサウンド・システムで聴く彼のセットはやはり格別！ペンライトを片手にレコードの溝をチェックし、時折マイクでクラウドを沸かせていく彼の姿は、まさにベテランDJならではの貫禄に満ち溢れていた。やがて、後に控える今日のスペシャル・ゲストへとバトンタッチすべく、徐々にプレイのテンションを少しづつ落としていくDanny。そして、時計の針が2時に近づく頃、遂にDavid Moralesがブース内に登場する。お互いに何回か言葉を交わした後、Dannyがマイクを拾い上げてDavidのプレイの始まりを告げると、ものすごいレスポンスで大勢のクラウドがメイン・ルームへと集まってきた。



実はこの2人の共演は初めてではなく、2000年にReact（今は残念ながら倒産してしまった）から"Rampling & Morales - UK*USA" というコンピレーションがリリースされており、その再現という意味でも今夜のコラボレーションは、非常にスペシャルなものであると言えるだろう。Dannyから最高の形でバトンタッチを受けた後、2台のテクニクスにAllen & Heathのミキサー、それにCDJ1000とエフェクターの上を縦横無尽に動き回りながらセットを進めていくDavid。最新の技術を取り入れながらも、アナログ盤を中心に深みのある音をしっかりと聴かせてくれる力量は流石である。しかし、1時間ほどすると、メイン・ルームの暑さ（The Crossは本当に暑い！）に耐えかねて、ドリンクと共にテラスに出る羽目に。ただ、ここでも大勢のクラウドが踊り、話し、飲みといった感じだったので、しばしイビサの疑似体験を満喫することにする。


その後、一息ついた所で再びフロアへと舞い戻り、あとはひたすら踊りまくり状態へ。セットも終盤に差し掛かると、David のプレイする歌ものに合わせて大合唱が起きるのを目撃、この日のハウス・フリーク密度の高さに改めて驚かされる。そしてラスト2曲には、Deep Dish の"Flash Dance"と Donnar Summer の "I Feel Love"がプレイされ、今夜のセットが締めくくられる事に。ただ、その後もクラウド達はなかなか帰ろうとせず、アンコール！ワンモア！を連発。Ramplingがブースに入り、何度か説得を試みた末、ようやくDavid に対する大きな拍手と共にこの日のパーティーの幕が下ろされることになった。 ----------------------------- 以下 Photo ギャラリー Part II by Takuma Matsui