HigterFrequency パーティーレポート

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ULTRA PUMPIN' 2009
X YEARS OF HELLHOUSE JAPAN TOUR x PAUL VAN DYK WORLD TOUR 2009
@ 名村造船所跡地, OSAKA

DATE : 11 October 2009 (Sun)
DJ : YOJI, PAUL VAN DYK, M.MINAMI, NIGHT LIBERATOR, MAMICO, KOICHI SATO, KUNIMITSU
VJ : COSMIC WORLD, 滝絋平 / LAZER : PSYPNOTEK PROJECT
FOOD : 世界食堂
PHOTOS : Eliu*
TEXT : Takeshi Tanaka

イベント詳細

YOJI、Paul Van Dyk。ハードダンス界の2人の巨匠が大阪、名村造船所跡地に降臨。

YOJI。日本が世界に誇るDJ、クリエイター、世界のハードダンスシーンを創り上げてきた人物だ。DJスケジュールの大半を国外におけるギグにて消化するため、今年度のダンス誌 「Loud」 主催のDJランキング "DJ 50/50" においては、海外の部にノミネート、そして、Sasha に Tiesto、John Digweed、そして日本で絶大な支持を得る Fatboy Slim、といったワールドワイドなアーティスト陣を抑えて、第1位に輝いた。 その YOJI の主宰するレーベル、HELLHOUSE が10周年を迎え、10周年記念公演、ULTRA PUMPIN' 最終公演に選んだ舞台が、ここ大阪、名村造船所跡地である。

ドイツはベルリン出身の Paul Van Dyk。トランス・ハードダンス界に君臨し続け、アーティストとしても絶大な支持を得る。常に世界中を飛び回り、オーディエンスを覚醒させ続けている。また、DJ Mag Top 100でもここ5〜6年、常にベスト5にランクイン、ベルリンでのラブ・パレードやメイデイなど、世界的ビッグパーティーでのヘッド・ライナーとして出演したり、イビザの Cream @ Amnesia での Tiesto とのレジデントなども務めて いる、まさにTOP DJ。そして、10/11、そんな彼がこの日に選んだ場所もまた、大阪、名村造船所跡地だったのだ。

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2人の天才が揃い、歴史的大祭事の幕がもうすぐ開く。この特別な夜を待ちきれないオーディエンスが、列を作る。その列は会場を飛び出し、横断歩道を隔てても途切れることなく続く。そして、どの顔を見ても、期待に胸を高ぶらせているのが手に取るように分かるのだ。ゲートが開く前から、自信と確信に満ちたこの夜は、圧倒的な存在感を見せつけていた。 まずは ULTRA PUMPIN' の方のゲートが開く。

Studio PARTITA までのOPENスペースにもDJブースが設営され、上質なエレクトロニックミュージックが迎える。Studio PARTITA 内はこれから来る、奇跡の連続を待ち構えているような、そんな印象だった。HELLHOUSE 所属の NIGHT LIBERATOR がフロアを除々にあたためていく。その光景はむしろ、走り出したくてたまらないオーディエンスをわざとじらしているかのようだった。そして、前回の ULTRA PUMPIN' @ 難波 Hatch でもオーディエンスをわしづかみにした、DJ M.MINAMI が来るべき奇跡の前に、しっかりと、そしてだんだん激しく、PARTITA にいるすべての人間の止まらないステップを導く。

ついに1人目の天才が舞台に上がる。ダンスシーンが生んだ究極のマスターピース、YOJI だ。歓声が上がる。最高の笑顔しかそこにはなかった。そして、奇跡の連続がはじまる。HELLHOUSE 10周年記念の今回の ULTRA PUMIPIN'、そして、YOJI のSET。それは、まさに、"X YEARS OF HELLHOUSE" SETであった。ストイックに、かつ大胆に、YOJI がキラートラックを投下していく。それに伴い、熱狂の渦は大きな波動を生み出していく。PARTITA 内は満員状態。そして、サウンド、ライティング、ヴィジュアル、オーディエンス、そのすべてが躍っている。シンクロして、躍っている。完全にひとつになっている、至福の時だ。奇跡が続く。そんなとき、もう何時間踊っていたのか、分からなくなっているとき、'Look @ The Heaven' がかかった。もう言葉にならない。知っているだけで何人かのオーディエンスが泣いていた。歓喜の抱擁をしているものもいた。

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ULTRA PUMPIN' のゲートが開いて、2時間後、Paul Van Dyk の方の BLACK CHAMBER がOPENする。OPENと同時に人がなだれのように BLACK CHAMBER に押し寄せる。DJKUNIMITSU、KOICHI SATO が、待ち構えていたオーディエンスをすぐさまトップギアまで入れさせる。こちらの会場はミニマルに作り込まれており、ヴィジュアル、そしてサウンドが、五感に痛烈な刺激を与える。タイトなキックとスネアが耳を突き抜けて、直接脳に働きかけているようだった。「踊れ。」 と。そして、こちらも絶頂まで、上り詰めながら、時間が過ぎていった。

2人目の天才がブースに姿を見せた。冷静にセッティングをする Paul Van Dyk にオーディエンスが気付く。Paul Van Dyk の特設LIVE/DJブースは、ちょうどオーディエンスが上げた両手の奥にある。ついに、彼の手から、美しく、そしてMADでCRAZYなトラックが放たれる。壮大で強いメッセージを持つトラックたちは、驚異的な浸透性で体中に入り込んでくる。まるでサウンドの中にいるような幻覚さえ覚えてしまうほど、そこにいるすべてのものは陶酔しきっていた。「ずっとこのままで」 誰もがそう感じていただろう。名だたるビッグフェスにことごとくヘッドライナーとして出演し、数え切れないオーディエンスにこの上ない喜びを与え続けてきた彼は、ストイックに、フロアを見ながら冷静に、そして丁寧にサウンドジャーニーをエスコートしていく。この旅は、はたして終わってしまうのだろうか。終わらせないことはできないのだろうか。絶頂の時を迎えたフロアはそう言っていた。

それぞれのフロアはそのまま、終わりの時を迎えた。「One More!One More!」 声がやまない。天才たちはその声におそらく後ろ髪を引かれる思いだったのだろう。ブースを去る天才たちが、背中で最後にメッセージを送る。「次はもっと楽しませてやるよ」 と。

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