HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

RENAISSANCE feat. SANDER KLEINENBERG @ WOMB, TOKYO

DATE : 9th November, 2007 (Fri)
GUEST DJ : Sander Kleinenberg
DJ : Ryusuke Nakamura (Epsilon, 180), Naka-G, Shintaro, OMORO Innovators, Akira, and more...
PHOTOGRAPHER : STRO!ROBO
TEXT : Ryo Tsutsui (HigherFrequency)



先日、ニュースでもお伝えしたパイオニアの製品発表会で新しいオーディオビジュアルミキサー SVM-1000 を使ったパフォーマンスに度肝を抜かれた筆者だが、Womb で開催される Renaissance で、Sander Kleinenberg が SVM-1000 を使用してのパフォーマンスを披露するとの情報をキャッチし、興味津々でパーティーに参加した。


会場に着くと Epsilon のレジデントとしておなじみの Ryusuke Nakamura がエレクトロよりのテックハウスを操り、安定したプレイを披露していた。場面に応じた演出をきっちりこなすことができる技巧派の彼らしく、アゲすぎず、サゲすぎない絶妙のフロアさばきで早めの時間帯を丁度いいテンションにまとめあげていたのはさすがといえるだろう。そこからプレイの終盤に向けて、ゆっくりとテンションを上げていき、高揚感のあるサウンドへとシフトさせていった。徐々にテンションを引き上げられていった観客はそのサウンドに釣られるようにすこしずつ熱を帯びてゆき、終盤には早くもこぶしを突き上げる観客がちらほら見受けられるようになり、フロアは十分あたたまった状況を迎えていた。

そんな中、Sander Kleinenberg が登場。登場とともに3面並べられた特設のVJスクリーンもスイッチオン。観客が期待の歓声を上げる中、ゆったりとしたビートをドロップし、プレイを開始した。淡々としたビートを丁寧につないでゆくプレイには余裕が感じられ、安心してビートに身を任せることができる感じ、映像も以前から DVJ を使用したオーディオビジュアルプレイをやってきている彼らしく、引き算というか、一生懸命に派手な映像を見せようとするよりも、画面の部分部分をつかってちょっとした演出を施してゆく感じで映像を演出していった。


サウンド的にはプログレッシヴハウス、テックハウス、エレクトロの中間のようなサウンドでベースラインにファンキーさがあるのが特徴的、プレイは滑らかで、非常に自然なグルーブの起伏が気持ちよく、観客のレスポンスも音になだめられてか、よくありがちな過剰な反応となることなく、音のテンションに見合った盛り上がりとなっていたのが印象的だった。ところどころでボイスネタを使った楽曲もプレイし、映像でも歌詞をシンクロさせていたが、Sander が特徴的だったのは、印象的な歌詞を使っていわゆるキメのような感じで歌詞をシンクロさせるのではなく、ハウスに対する思いを淡々と語る歌詞にそっと重ねるように歌詞を映し出したりして、奥行きのある表現をおこなっていたところだった。シンクロさせるところをハードにビシッと見せるだけでなく、やさしく、味わい深く音楽と映像を重ねるシンクロもありだな、と思わせる表現力には早くから映像と音楽を同時にプレイして表現するということに取り組んでいる彼ならではの洗練が感じられた。

その後も Sander は緩急をつけ、ゆったりとした起伏を描き、何度か大きな盛り上がりを演出しながらだんだんとそのグルーヴを上昇気流に乗せてゆき、気づいたときにはプログレッシヴならではの伸びやかなピークタイムへ。ここらへんはプログレッシヴDJとして名を馳せた彼の専売特許というところだろうか、すばらしい盛り上がりを見せ、フロアを歓喜の渦へと巻き込んでいった。完全にロックされたフロアの目の前でモニターに彼のDJとしての確かな技術をたたえるかのごとくレーザーで大きく映し出された Sander Kleinenberg の文字が印象的で、Sander も観客もそのすばらしい瞬間を味わうように、失速することなくラストまで盛り上がり続けた。

 




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