HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

FUNDACION feat Sasha & Osamu M

FUNDACION feat SASHA & OSAMU M @ WOMB, TOKYO

DATE : 11 November 2005 (Fri)
DJs : Sasha, Osamu M
PHOTOGRAPHER : Stro!Robo!, Masunori Naruse
TEXT : Kei Tajima (HigherFrequency)



プログレッシヴ・ハウス創世記からトップDJとして活動し、カリスマ性と真のオリジナリティーに溢れるそのスタイルで、常にシーンを牽引してきたパイオニア、Sasha。 近年では、デジタル化への流れを読んで、アナログとCDRを使用するという通常のDJスタイルから、ソフトウェア Ableton Live を使ったスタイルに完全にシフト・チェンジしたことでもシーンに衝撃を与えた彼が、ニューヨークの Crobar とハリウッドの Avalon を拠点に開催してきたレジデント・パーティー ”Fundacion” が、遂に日本に初上陸、11月11日・18日と2週にわたっての開催されることが決定した。Ableton Live のみを使用し、セットが繰り広げられていくという革新的なコンセプトで、全世界のダンス・ミュージック・ファンから熱い視線が注がれているこの "Fundacion"、ダンス・ミュージック界のトップ・スター主宰による旬なパーティーという、日本のクラブ史上に残ること間違い無しのこの二日間、HigherFrequency も全力を挙げてレポートを行うこととなった。

イベント初日となった11月11日、記念すべきパーティーの幕開けを飾ったのは、世界が認める有数の日本人実力派DJ Osamu M。筆者をはじめ、多くのクラブ・ミュージック・ファンが心待ちにしていただろうこのイベントのスタートを、緩やかでハウシーなトラックで彩ってくれた。セクシーでグルーヴィーという、プログレッシヴ・ハウス・ミュージックならではの魅力を最大限に生かすという彼特有のサウンドをベースに、ブレイクスや、エレクトロまで音を展開させていき、今まで以上に広いサウンド・スケープを披露した Osamu M、音に対する深い探究心は盟友 Desyn Masiello を髣髴とさせるほどで、多くのビッグ・ネームとの共演を果たてきた 彼のDJとしての飛躍を感じることが出来た。

FUNDACION feat Sasha & Osamu M
FUNDACION feat Sasha & Osamu M
FUNDACION feat Sasha & Osamu M
FUNDACION feat Sasha & Osamu M FUNDACION feat Sasha & Osamu M
FUNDACION feat Sasha & Osamu M FUNDACION feat Sasha & Osamu M

そんな Osamu M のセットに合わせて、フロアも非常に混みあって来ると、予定から30分程度遅れて、Sasha がDJブースに登場。去年よりグレード・アップした Mac を目の前にして、ものすごいライティングと共に、長いイントロが演出される。去年と同様、スタートから重厚なビートによって、圧倒的な存在感をみせつけると、まさに未リリース・トラックの嵐とばかりに、旬なトラックが次々とドロップされていく。このように、一定のビートを保ちながら徐々に盛り上げていくというディープでアダルトなセットは、この日集まったコアな Sasha ファンには相当ストライクした様子。下手に騒ぎ立てたり、声を上げたりするのではなく、音に入って陶酔するクラウドで、フロアには大きな一体感が生まれていた。セットも中盤に差し掛かると、Tiefschwarz “Warning Siren (Michael Mayer Mix)” や、Westbam & Nena の"Oldschool, Baby"のリミックスなどのヒット・トラックが飛び出し、後半に向けてフロアの温度も上昇してくる。今年の夏から世界中のフロアを沸かせ続けている Royksopp “49 Percent (Angello & Ingrosso remix)”をベースに、終盤に向けてテンションを上げてくる Sasha、設置された大きな風船が割られ、中から無数の風船が飛び出すという演出と、スモーク、ライティングによって最高のパーティー空間が演出されると、今夏のクラブ・アンセム Lifelike & Kris Menace の “Discopolis” がフロアを制覇。パーティー・ヴァイブたっぷりのこのトラックによって、フロア中が大きなうウェーヴとなり、美しいフィナーレが飾られた。昨年はアンコールに応えなかったSashaだが、今年はファンの熱意にこたえて再びブースに登場。Orbital の”Halcyon & On & On” で美しい再スタートを切ると、Chemical Brothers による名トラック "The Private Psychedelic Reel"をプレイし、ダイナミックにセットを終了するのだった。

シームレスで美しくはあったが、ラスト20分を除き、全体的に Sasha のセットの持ち味ともいえるこの”ダイナミックさ”に欠けていたようでもあった今回のセット、ただ、二週にわたって語られるストーリーの一部分としては、非常にバランスのとれたセットだったのかもしれない。そんな思いと翌週への期待を胸に、会場を後にしたのであった。

FUNDACION feat Sasha & Osamu M
FUNDACION feat Sasha & Osamu M FUNDACION feat Sasha & Osamu M
FUNDACION feat Sasha & Osamu M FUNDACION feat Sasha & Osamu M
FUNDACION feat Sasha & Osamu M FUNDACION feat Sasha & Osamu M
FUNDACION feat Sasha & Osamu M

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