HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

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PRIMITIVE Presents MASHUP @ SKYWALK , TOKYO

DATE : 14 March 2009 (Sat)
LIVE : Side B (Primitive, Kumo, WC Rec.)
DJ : Kza (Force Of Nature), Shotaro Maeda (Eden), Yoshiki (Torema, op.disc), Aki (Primitive), Kon (Primitive)
SOUND : Zen-Planning (Turbo Sound)
LIGHTING : Conning-Folk
PHOTOGRAPHER : High Contrast (kiyophoto00@gmail.com)
TEXT : Chie




360度に広がる横浜の夜景をバックに、という最高のロケーションの中で行われた Primitive 主催の Mash Up。同じ場所での開催は2度目だそう。
子供の頃漫画で見たような未来都市に繋がるような気持ちを彷彿とさせる港への大きなパイプライン横浜ベイブリッチを車で横断し辿り着いた先は夜だということもあり人出もない寂しいだだっ広い倉庫街。普段自分が足を運んでる街中のクラブではなく、都会から離れた倉庫街でパーティーというだけでテンションもあがる。

案内に書いてある通りに道順を進んでいくとスカイウォークという歩道に行き着き、港独特の雰囲気を感じながら大黒ふ頭の素晴らしい夜景を横目に4つ打ちのビートが聞こえてくる方へ足早にスカイウォークを進み UFO の様な形をした展望室に。 Primitive のレジデントDJである AKI, KON そしてライヴ・アーティストである SIDE B をベースに、今回は yoshiki (Torema, Op.disc), KZA (FORCE OF NATURE), SHOTARO MAEDA (Eden) の3人をゲストに迎え、普段はなかなかお目にかかれないようなラインナップにより、パーティーがどのような化学反応を起こすか楽しみだ。

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中に入りフロアの方へ進んでみると、そこは外の夜景とは間逆な程のディープな空間。 まだパーティーは始まったばかりだというのにフロアは既に出来上がっており、いいバイブレーションを体で自由にのびのびと感じてる沢山のオーディエンス達。 様々なレイブやパーティー等で活躍しているという ZEN-Planning (TURBO SOUND) が創り出すサウンドは、最近のクラブではなかなか体験する事が出来ない大迫力の低音を体で感じることが出来、いつの間にかパーティーが創り出す世界へと引きずり込まれていく。

来てるお客さん達を見てると、遊ぶ楽しみを知ってる遊びの達人だと思われる人ばかり。 勿論ダンスミュージックが大好きな人達ばかりなのだが、それぞれがみんなパーティーというものを楽しみに来てるというポジティブな姿勢がとてもよく伺える。 誰がプレイしてるとか、どんな音楽が鳴っているとかそういう事ではなく、自分達で自由勝手に遊び、でもきちんとルールを弁えて、自分達もパーティーを創ってる人間の1人だという気持ちが前面に出ており、そのパワーがパーティーが深い時間になるにつれてどんどんヒートアップしていき、フロアで出会った知らない者同士が最前列でも最後列でも、どこにいても関係なくフロアに出てくると立ち止まることなく皆ダンスし、パーティーでの共存共栄というものを楽しみながら遊んでいる。

夜が明けてくるにつれて360度パノラマビューという最高に恵まれたロケーションからみえる景色は、太陽と月、迎え来る朝と過ぎ去ってしまう夜が両方体験できるという何とも言えない幻想的で感動的であり地球という惑星を感じることができる素晴らしい景色。 ダンスフロアを背に右を見れば朝日を待ち望み空が明るくなって太陽が顔をみせるのを、チルアウトしながら笑顔で待ち続ける人々。 左側を見れば、そこはまだ真夜中で修行の様に黙々とダンスに熱中し続けるオーディエンス達がいる世界への入り口。
とても印象的なこのシチュエーションは、野外でもなかなかお目にかかれないだろう。 朝日が占める割合が大きくなってくる頃には夜見た風景とは全く違う顔の、横浜のモダンで洗練され計算された町並みが顔を見せる。
野外のレイブでは見る事の出来ない都会ならではの光景だ。
当日は晴天に恵まれ横浜の街並みの間から、真っ白に雪化粧し、大きく勇ましく、そしてとても美しく、うっすらとではあるが、自分が生まれた国である日本を強く感じさせてくれる大きな存在感を持つ富士山の姿を見ることも出来、最後の最後にこんな絶景のプレゼントまで用意されてるなんて、とてもにくい演出だ。

パーティーも終盤を迎えラストに近づく頃には明るい太陽と共に、トリのDJである KON が、独特の陶酔感を持つ素晴らしいプレイでオーガナイザーチーム、ゲスト DJ、オーディエンス達の気持ちを一体にし、一気にダンスフロアを開放し、とてつもなく大きな多幸感で包み込む。フロアを見渡すと、そこには満足した幸せな笑顔しかなかった。

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パーティーが終わり外に出て明るくなってからの外の景色を一望すると、夜は分からなかったが、倉庫街は街中からはかなり隔離されてる距離にあり、建物をふと見上げると何事もなかったかのように聳え立つ展望室。さっきまでここで行われてた事は果たして現実だったのだろうか、それとも夢だったのだろうかと思わされるくらいの静けさ。 都心部から少しだけ足を伸ばし大きな橋を渡り現実の世界からワープして違う世界に冒険に行ったような感覚、外に出たときのその感覚が、昔訪れた事があるイビサ島やレイブを思わせるような、そんな感じが更に良かった。

長年続けてきている遊び方を知ってるパーティーチームの結束力の強さと姿勢、そしてそこに遊びに来てるオーディエンス達1人1人が、自分もパーティーを創ってる1人だという意識を持ちながら遊び、オーガナイザーチームから発信されるメッセージをキャッチし、お互いがパーティーを通してキャッチ&レスポンスし続け一体となり創り出してる空間が、正にパーティーの名前の通りの内容だった。
色んなパーティーが乱立し、付加価値ばかりを求める最近のパーティーシーンの中、ロケーションも良かったが、いいサウンドといい人がいれば、それだけでいいんだという、生まれて初めてパーティーカルチャーに足を踏み入れたときの、とてもシンプルで感動的な気持ちを思い出させてくれ、それはショックでもあり、とてもいいバイヴスをもらった。

私の陳腐な表現でしか表現できないのが大変申し訳ないが、私がパーティーに望むものが全て、そこには揃っており、長年遊んできた自分が忘れてないようで忘れてしまってた、自分が最初にこのシーンに魅了された時の新鮮な気持ちを、心の奥から思い出させてくれ、こんなにもパワーがある人達がいる事を教えてくれた素晴らしいパーティーマインドを持った Primitive チーム、そしてあの日あの場に居た人達に感謝したい。

次回 Primitive チームが、どんな陶酔感を味あわせてくれるか楽しみでならない。 普段のパーティーシーンに遊び飽きてしまって刺激を求めてるパーティーピープル達は、是非 Primitive チームのパーティーに足を運んで、パーティークルーの持つ素晴らしいパワーとパーティーマインドを体感して欲しいと思う。

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