HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

SUPERPITCHER & ADA

mule musiq presents endless flight dublee 2nd album "pseudo harmonia" release party with SUPERPITCHER & ADA

DATE : 24 March 2006 (Fri)
DJs : Superpitcher, Ada, Toshiya Kawasaki, Dublee
PHOTOGRAPHER : Mark Oxley Official Site
TEXT : Yoshiharu Kobayashi (HigherFrequency)



ミニマル/クリック・ハウス・シーンを牽引するドイツはケルンのレーベル Kompakt の看板アーティストであり、代表曲 "Happiness" が John Digweed や Michael Mayer のミックスCDに収録されるなど、ジャンルを超えた幅広い層からの支持を受けている Superpitcher こと Aksel Schaufler。2年ぶりの来日となった今回は、同郷ケルンの Areal Records 所属 Ada と共に、これまで Ivan Smagghe や Joakim といったエレクトロの人気DJを次々に招聘してきた注目のパーティー Endless Flight に登場した。これまで何度も二人でヨーロッパ・ツアーを回ってきたというだけあって、抜群の相性のよさを誇る彼ら。この夜も、クラウドを一時も飽きさせない充実のパーティーを演出してくれた。

まだ日本での知名度は低いものの、ヨーロッパでは高い評価を得て Craig Richards や Erol Alkan のミックスCDにその楽曲が収録されている実力派の Ada が、まずはDJブースの前に姿を現した。ラップトップを使って繰り広げられた注目のライブセットは、ブーストしたシンセが鳴り響くエレクトロとクリック・ハウスが交差した、いかにもドイツのDJといった感じの旬のスタイルであった。しかし、そこにアグレッシブさは無く、優しくフロアを揺らすグルーヴがクラウドを包んでいたのは、さすが女性DJといったところだろうか。お待ちかねの Superpitcher を前に、じわじわと心地よくフロアを暖めてくれた。

SUPERPITCHER & ADA
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そして、短い時間のライブセットではあったが好演を見せた Dublee に続き、遂に Superpitcher の登場である。プレイを始める前までの穏やかで紳士的な笑顔から一転、真剣そのものといった表情で懸命にミキサーを操作しながら彼が聴かせてくれたのは、Ada とは好対照の緊張感溢れる攻撃的なプレイだ。CDでは静寂感さえ漂う比較的落ち着いたミックスを聴かせる彼だが、ギグになると、派手になり過ぎない程度の絶妙なアグレッシブさで、フロアを隅々まで沸かせる。そして、ピーク・タイムを迎えるタイミングになると、この夜に誰もが一番聴きたかっただろうヒット曲 "Happiness" を惜しげもなく投下。しかも、そこから同じく自身の曲である "Baby's On Fire" に繋ぐという、反則スレスレの思い切った選曲を見せ、クラウドを一気に興奮の渦へと導いていった。

終了の時間が近づいてくると、徐々にペースを落としてプレイ中の緊張感を解いていった Superpitcher。彼が手掛けた中でも屈指の名リミックスである M83 "Don't Save Us From The Flames (Superpitcher remix)" をかけると、ステージの前に腰をかけてクラウドと話しながらその曲を歌うという、まるでライブのアンコールのような独特のリラックスした空気を作り出していた。見事な緩急のつけ方で最後まで飽きさせないのはさすがトップDJといったところだったが、彼の場合は職人的なプロフェショナルさよりも、自分もクラウドと同じ視点で楽しみながらプレイしているような親しみやすさがなんとも魅力的であった。

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