HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

IBIZA-SUNSHINE

IBIZA-SUNSHINE MasterCard METTRIPPIN PRICELESS PREMIER PARTY 2005 @ WOMB

DATE : 24th June, 2005 (Fri)
DJs : Pascal F.E.O.S, Frank Lorber
PHOTOGRAPHER : STRO! ROBO
TEXT : Kei Tajima (HigherFrequency)



長年に渡りドイツの、そして世界のテクノ・シーンを牽引し続けてきた DJ/プロデューサー Sven Väth。DJ/プロデューサーとしてだけではなく、レーベル業、プロデューサー業においても大きな成功を収めているマルチ・タレントである彼が運営するスーパー・クラブ Cocoon Club と、レーザー・インスタレーションの第一人者であるヒロ・ヤマガタとのコラボレーション・イベント "METTRIPPIN"が開催されることとなった。

ヒロ・ヤマガタによるレーザー・インスタレーションと、Cocoon Club のレジデント DJ - Sven Väth、Pascal F.E.O.S.、Frank Lorber の3人によるダンス・ミュージックの融合という、単なる「視覚」と「聴覚」の融合という次元を越えた、世界初となる画期的な試みとなるこのパーティーは、スペインのイビザ、ドイツのフランクフルトという2箇所に位置する Cocoon Club にちなんで、Pascal F.E.O.S.と Frank Lorber がタッグを組んで行われる"Ibiza Sunshine"と Sven Väth がエクスクルーシヴな7hoursセットを披露する "Frankfurt Moonlight"の二日間に分かれて開催。METROPOLITAN "都市"を TRIPPIN' "旅する"から生まれた造語である、"METTRIPPIN"というイベント・タイトルと共に、常に一歩先を見据える革新的なアーティストたちが、どんなショーを披露してくれるのか大きな期待が集まった。

IBIZA-SUNSHINE
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そんなダンス・ミュージック史に残るビッグ・パーティーを体験するべく、HigherFrequency も2日間に渡ってのレポートを決行。まず、ジャーマン・トランスの時代からダンス・ミュージック・シーンにおいて長年活躍するオリジネーター Pascal F.E.O.S.と、ドイツの伝説的クラブ Omen のレジデントとして活躍し、現在は Cocoon の顔として活躍する Frank Lorber の二人が出演した、金曜日の "Ibiza Sunshine" へと向かう。会場となった渋谷 WOMB のフロアに一歩足を踏み入れ、無数に交差する光に覆われたジャングルのような光景に、足を一歩引っ込めてしまうほど圧倒されてしまったのは筆者だけではないだろう。そのレーザーの光は、タイトル通り、まぶしいイビザの太陽を表しているようだった。通常の特設ステージより、さらに高い位置に設置されたステージでは Pascal F.E.O.S が既にプレイを始めており、筆者も早速その音楽を堪能すべく、光の中へと足を踏み入れていく。"Ibiza Sunshine"といったテーマに合わせてか、今回の Pascal のセットは、昨年の WIRE'04 で披露してくれたダークなミニマル・トランス・セットとは異なり、自身のミックス CD "From The Essence Of Minimalistic Sound"で披露したような、ファンキーなテック・ハウス/エレクトロを中心としたセットに、ダークかつダーティーなトラックを絶妙にミックスしていくというもの。Pascal のセットの持ち味である独自の力強いグルーヴ感によって、筆者も音を聴き始めて5分も経たないうちに、すっかりその世界にハマってしまった。

フロアがいい感じに混み始めると、質のいいエレクトロ・チューンに続き、Andre Kramal による"Safari"の James Holden ミックスがドロップされる。レーザーと音楽、そして歓喜するクラウドによってフロアの雰囲気は最高潮となり、その後も、グルーヴ感を重視したファンキーなトラックが続くと、意外なことにピーク・タイムを飾るトラックとして Guy Gerber による"Stoppage Time"がプレイされる。昨年多くのプログレッシヴ・ハウスDJのセットに登場したこのトラックが、Pascal によってビルド・アップされたファンキーなテクノ・セットの波に乗り、素晴らしいエフェクトを発揮したのだ。セットを心からエンジョイしていた筆者にとってはかなり名残惜しいバトン・タッチとなったのだが、その後登場した Frank Lorber も、旬なエレクトロ・トラックの数々でクラウド楽しませてくれた。ダークなクリック・ハウス系をはじめ、いかにもドイツといったツボにはまる選曲はよかったものの、やはり全体を通してのグルーヴ感や流れといった面では、Pascal のセットまでには至らなかったようだ。一緒に楽曲制作も行ってきた2人だけに、密かにバック・トゥー・バックも期待してはいたのだが、残念ながら実現せず。筆者も明日の Sven Väth のセットのために力を残しておくべく、フロアを後にしたのだった。

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