HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

Louie Vega & Dave Seaman

LAGOON feat. LOUIE VEGA & DAVE SEAMAN @ ageHa, TOYKO

DATE : 24th July, 2004 (Sat)
PHOTOGRAPHER : ageHa提供


去る5/22にBasement Jaxxをメインアクトに迎えて開催された「Moon」では、圧倒的な動員とともに豪華な演出で観客を魅了してくれた体験型イベント。今回は「Lagoon - 水に帰れ」をテーマに、会場を海底都市の建造物へと変化させての演出との事で、期待感に胸を膨らませながらStudio Coastへと向かう。会場へ到着すると、そこには既に長蛇の列が・・・。それもそのはずである。今回このイベントではあのLouie VegaとDave Seamanが夢の競演を果たしてくれるのだ!しかも、Dave Seamanは何とテントでのパフォーマンスと言う事で、一体全体どんなイベントになるのか予測が付かない・・・そんな思いで会場内へと足を踏み入れる。

Louie Vega & Dave Seaman Louie Vega & Dave Seaman
Louie Vega & Dave Seaman Louie Vega & Dave Seaman

まず注目のデコレーション。今回は海底都市がテーマと言う事で、アリーナではクラゲやエイを模したオブジェが天井から吊るされ、全体的に青色を貴重とした照明の下、確かにクラウド達が魚に見えてしまうようなクールな演出がなされている。一方のテントの方では、海中の映像がスクリーンに映し出される中、たくさんのシャボン玉が宙を舞い、アリーナがディープ・シーであるとすれば、こちらは浅瀬といった雰囲気を醸し出す演出。「最近こういったコンセプチャルなイベントも少なくなったなぁ」と思いながら、会場内をグルグルと周り、さっそく自ら回遊魚状態になる。

アリーナの方では既にLouie Vegaがプレイをスタートしており、彼の繰り出すステディでピースフルなハウスミュージックに、緩やかなカーブを描きながらもフロアは徐々にヒートアップ。爆音でもなければ、「音が小さいな」とも思わせない、微妙なさじ加減でフロアの雰囲気を作り上げていくその感性とスキルはまさに神業で、「ハウスミュージックってこんなにいい音だったんだなぁ」と改めて感動を覚えるほどであった。

Louie Vega & Dave Seaman Louie Vega & Dave Seaman
Louie Vega & Dave Seaman Louie Vega & Dave Seaman

その頃、テントの方では、Osamu Mからバトンタッチを受けてDave Seamanが登場。5月に来日した際に本サイトが行ったインタビューで、「7月にはチルアウト系のセットをやるよ」と本人が言っていた事もあって、一体どんな展開になるのか期待に胸が膨らむ。まず1曲目。おや?結構アゲ目のトラックである。2曲目。あれ?またまたバリバリのプログレッシブチューンである。3曲目。エレクトロ風のトラック・・・「あ、これから少しずつ落として、クリックハウス系とか行くのかな?」。4曲目・・・「あれ??これって完全にプログレ・セットじゃん」・・・そう。この日のDaveのプレイは、完全無欠の怒涛のプログレッシブ・セット!「チルアウトなんて言ったっけ?」と言わんばかりの勢いで、矢継ぎ早にハイクオリティなチューンを連発。フロアは完全にロックコンサート状態へと化して行くのであった。しかも、クラウドとの距離が近いと言う事もあって、Daveも超ノリノリ。こんなに機嫌よくプレイしている彼を正直見たことがないくらい、最高のパフォーマンスを見せてくれた。まさにチルアウト・テントが沸騰してしまう、そんな感じである。

Louie Vega & Dave Seaman Louie Vega & Dave Seaman
Louie Vega & Dave Seaman Louie Vega & Dave Seaman

そして「ヒートアップした体をクールダウンさせるために」アリーナへ。先日リリースされたAzuliのコンピ「Choice」に収録されていたような、ディスコ・クラッシックスを中心としたセットにフロアは完全にピースフルな雰囲気につつまれており、大ネタ"Relight My Fire"まで飛び出す展開に、テントとは違った温度の盛り上がりを見せていた。そして、グルービーなリズムを持つヴォーカル・チューンが次々と感動を与えてくれる中、Indiaの声が響き渡る時、遂にフロアはクライマックスを迎えることに。"To Be Love〜"と高らかに歌い上げる彼女の声にLouieは何を思う?なんて考えているうちに、言い様のない感動が胸をこみ上げてきた。

一方のDaveの方は、完全にオーバーレブ状態に突入。超有名スターのシークレット・ギグに招待されたような感覚の中、彼の一つ一つの動きに目を奪われてしまう。前回の来日公演では、縦ノリのプログレ・チューンが延々と続く割と変化に乏しい展開だったが、この日のDaveは、スグ目の前にいるクラウドの呼吸を掴むがごとく、ロックテイストのバンギングなトラックから、ベースが走りまくるグルービーチューンまでを縦横無尽に展開。個人的には、今までの中で最高の部類に入るセットを見せてくれたような気がした。

Louie Vega & Dave Seaman Louie Vega & Dave Seaman
Louie Vega & Dave Seaman Louie Vega & Dave Seaman
Louie Vega & Dave Seaman Louie Vega & Dave Seaman

このように、この日のイベントは完全に「一粒で二度おいしい」素晴らしい内容であったと言えよう。しかも、全く温度感とテイストの異なる二つのフロアが存在し、訪れた人達を全く飽きさせない雰囲気が出来上がっていたのは特筆すべき点である。まさかDaveがLouieのプレイを実況で聞いていたとは思えないが、クラウドの呼吸と雰囲気を完璧に読み取る二人の天才がいたからこそ、この状況が生まれたのではないか・・・そんな思いを抱きながら会場を後にした。

次回は、9月25日。今度はDJ Rolando、Ken Ishiiがアリーナ、そしてDanny Ramplingがローズルームというこれまた豪華な組み合わせが予定されている。Don't Miss it! (H.Nakamura - HigherFrequency)

関連リンク
www.ageha.com
www.djdaveseaman.com

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