HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

Re:plicante 23 @ RADIX, AICHI

DATE : 15 January, 2009 (Fri)
Special Guest LIVE Performance :
Johnny D (OSLO Recordings/RAJO MUSIC/LIVET Mannheim from Germany)
DJ : youhei (Re:plicante/POPGROUP), mukai (vacance/sputnik), yosuke (Ruckzug), AKIRA SAOTOME (B.I.O)

Photo by Kanji Furukawa
Text by Nozomi Arai



アフリカ北東部に位置するエリトリアからドイツ亡命した両親を持つ、Johnny D がドイツ・マンハイムから来名した。名古屋へやってくるのは、昨年4月に続いて2度目。こんなにも早く、来名が実現するなんて、どのファンも予想だにしなかったであろう。前回と同じく今回の来日公演も、名古屋と東京の2DAYsのみ。そのためか、遠方から足を運ぶオーディエンスの姿が見られた。
今回公演が行われたのは、名古屋の老舗クラブ RADIX。古くからレゲエの箱として知られてきたが、ここ数年、テクノやハウス、ロックにいたるまで様々なジャンルのパーティーを開催し、mago、JBs といった他のクラブと共に、名古屋のダンスミュージックシーンを支えている。

エントランスを通り過ぎ、フロアへの階段を1段1段下がるごとに、オーディエンスの熱気が伝わってきた。
時間は1時過ぎ。Re:plicante の主宰、youhei のDJタイムだった。
国内外の著名アーティストとの競演経験を持つDJと知られる一方で、BlackGanion のボーカリストとして活躍をしている youhei。昨年は、自身のバンドにおける初のUSツアーも成功させるなど、実りの多い年だった。また、レーベルメイトである DJ BAKU の Hybrid Band に加入。今年、ますますの活躍に期待がかかっている。

確かな選曲眼に信頼の厚い彼がこの日多く選んだのは、アップリフティングなテックハウストラック。Johnny D の出番を前にしてフロアの温度を徐々に上げ、オーディエンスを心地よく揺らす。


youhei からのバトンタッチを受けた Johhny D がブース前に立つと、どこからか尺八の音が聞こえてきた。
地元を拠点に活動する尺八奏者とのコラボレーションで、Johnny D のLIVEは幕を開けた。

この日初めて顔を合わせた両者。意気投合し、即興での共演が決まったという。日本の伝統楽器である尺八は、パーカッシヴ色の強い Johnny D のトラックと好相性。今後、ダンスミュージックにおいて、日本の伝統楽器が多く登場する日は、近いかもしれない。
「両親が話す祖国の言葉や母親が歌ってくれた音楽、まちの風景や動物たち…エルトリアの文化は僕の音楽に影響している」 とLIVE前に話してくれた Johnny D。彼の生み出すトラックからどことなく懐かしさが感じられるのは、彼のルーツやアイデンティティーが反映されているからであろうか。そんなことを考えながら、LIVEに耳を傾けた。
上がりすぎることもないが、さがりすぎることもない。心地よく、ダンサブルな彼のセットに囚われ、足を止めることができない様子のオーディエンス。温かな音に体をゆだね、光悦の笑みをたたえていた。約1時間半のセットはあっという間に終了。その間、フロアからは絶え間ない驚喜の声が上がり続けたことは言うまでもない。

この日のラストを飾ったのは、VACANCE/SPUTNIK で活躍をする DJ MUKAI。
Johnny D からバトンタッチを受けた彼は、低音が強めなアグレッシブなトラックをチョイス。最後まで飽きさせることなく、オーディエンスを終焉に導く術はさすがの一言に尽きる。

時計に目を向ければ、既に6時をまわっていた。パーティーに行くと毎回思うのだが、楽しい時間は瞬時に過ぎ去ってしまう。この日も例外ではなかった。
「絶対にまた見たいよね」
仲間とともに Johnny D の遠くない再来名を願いながら、帰路についた。

 



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