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domestic news_2009.09.29

日本人アーティスト作品を狙った盗作疑惑が発生

Text by Yuki Murai (HigherFrequency)

日本人アーティスト作品を狙ったと思われる盗作疑惑が発生し、当サイトにも本日関連情報が入ったのでお知らせしたい。

先日 Couture からリリースされた、ロシア人アーティスト Stardan による 'OK' というトラックが、同じく先日アメリカの新進トランス系レーベル Sedna Recordings より発表された日本人アーティスト Nhato の新作トラック 'Rouge for Lips' をそのままコピーしたものではないかという疑惑が、現在 Nhato 氏周辺の日本国内のトランス系コミュニティ内で持ち上がっている。

Nhato - 'Rouge for Lips'
http://www.junodownload.com/products/1464134-02.htm
Stardan - 'OK'
http://www.armadadownloads.com/index.cfm?action=track.cfm?id=278511


'Rouge for Lips' のリリースは 'OK' よりも後となっているが、実際には昨年作られた作品であったため、この事態を把握した Sedna Recordings が Couture 側に Nhato 氏が作ったサウンドサンプルを証拠として提出した上で事実関連を確認したところ、レーベルマネージャを通して Stardan から 「'OK' は(Stardanが)日本に住んでいた際、Nhato をエンジニアに迎えて合作した自分の作品である」と主張する返信があった。しかし、Nhato 氏は Stardan との面識はまったくないとのことで、これを否定。また、Stardan 側から Sedna Recordings に証拠として提出されたサウンドサンプルについては、「DJミックスで使ったような荒いイコライジング・フィルターがかかっており、Nhatoの 『オリジナル』 サンプルと比較(どちらが本物かわかるはず)するべき」(Sedna Recordings のコメント)と述べている。Nhato 氏の周辺では、’OK’には他にもミックス中のつなぎ目のような部分や追加エフェクトも認められることから、DJミックス音源からのリッピングではないかという疑いがもたれているようだ。Sedna Recordings は今後も Couture との協議を続けていく方針。

さらに、Nhato 氏周辺の意見の中では、Stardan による日本人アーティスト作品からの盗作が疑われている音源が他にも挙げられており、Taishi によるトラック 'Backroad' と酷似した Stardan 'Butterfly' や、

Taishi - 'Backroad'
http://www.compllege.com/coad/pg12.html
Stardan - 'Butterfly'
http://www.trackitdown.net/genre/trance/track/1053863.html


また、同じく日本人アーティスト作品からの盗作ではないかと疑われる 楽曲が Stardan の Myspace ページにUPされていたとの報告もある。

慣例的に自主制作リミックスやブート版が作られることはある程度許容されているクラブ・ミュージック界ではあるが、クリエイティビティやリスペクトの存在しないリッピング・盗作はそれらとは全く別次元の問題であり、音源のデジタル化によってさらに容易になっている現状を踏まえると今後さらに真剣に取り組むべき問題と思われる。今回の件については読者の方々のそれぞれに判断をおまかせしたい。


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