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international news_2009.05.01

イギリスの80%のレコードショップが消える

Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Shogo Yuzen

The Guardian 紙によると、レコードショップは消費者が激減し、’80年代には2200店あった店舗が今では305店舗まで現象したことが今週明らかとなった。

また同紙では、レコードショップ経営の向上を目的に行なわれたイベント "Record Store Day" に50店のレコードショップが集まったが、現在残っているレコードショップの多くが倒産寸前であることも報じている。

UKのテクノ DJであり、レーベル Flux Recodings の社長である Chris Finke は、彼がDJを始めたばかりの頃、丸一日かけてロンドンでレコードを買い漁ったことを振り返りこう語った。

「今じゃそんな話は聞かないよね。僕はレコードレーベルを経営しているし、音楽は12インチレコードでリリースする。それはあまり先駆的ではないかも知れないね。だけど僕もDJをする時はデジタルシステムの Serato を使ってる。大体古い音楽を買う時にはダウンロードでしか手に入らないような特別なものでない限りバイナルで買うことが多いんだけどね。だけど、僕自身あんまり音楽にお金をかけなくなったかな。仕事以外のシチュエーションでダンスミュージックを聞くことがなくなったし、それもレコードよりもダウンロードやCDにお金をかけるようになった理由の一つだね。最近DJプレイのために音楽を買い始めた人たちが僕たちの時代のようにレコードショップに行ってレコードを買うっていう経験をしたことがないのは残念なことだよ。今ではほとんどの人がインターネットで音楽を買う。それはすごく簡単だし便利なのかも知れないけど、レコードを 『掘る』 っていう過程を無くしてしまうんだよね。その過程がなくなってしまったら、きっと人は音楽に大して無精になるだろうし、自分が買う音楽に大してもあまり注意を払わなくなると思うんだ。」

ドイツをベースに活動するDJ/プロデューサーの Xenia Baliayeva は、クラブカルチャーの中心として残るのは1、2件のレコードショップ(彼女曰くフランクフルトの Freebase、ロンドンの Phonica、もしくはベルリンの Hardwax)だと言う。しかし、彼女はそのことを感傷的には考えていない。

「私にとってはあまり重要なことではないわ。私のおばあさんがいつも言ってたように 『一つの扉が閉まれば、別の扉が開く』 と思うの。歴史を書き換えることも、未来をコントロールすることもできない。アーティストの観点からしてみれば作品をインターネット上で買ってもらうか、レコード店で買ってもらうかなんて気にしないの。今の経済の状況を考えたら、音楽が売れるだけで幸せなんだから。それに私自身今はCDでプレイするの。別にバイナルでプレイするのをやめようっていう決意があったわけじゃないんだけどね。自分の曲をプレイするのにバイナルが出来上がるまで待ってたら何ヶ月もかかるじゃない?だから、CDでプレイすることにしたの。そこに友達のアーティストのまだリリースしてない作品を加えていくうちに段々バイナルよりもCDが増えていって、最終的にバイナルを使わなくなったの。ここ1年は一度もバイナルを使ってないわ。今でも自分の好きなレーベルから出てるコレクターズ向けのものや自分のコレクションにない古いレコードをバイナルで買うことはあるけど、バイナルのレコードを買う機会は今となってはそれぐらいね。段々年を追うごとに自分の家にたくさんのレコードを置いて場所を取られることが段々無意味だって気づき始めるのよ。レコードは今までもこれからもずっと道具でしかないから、見返してみても二度と使うことはないんだろうって思うの。今はそれを整理していて、有能な eBay の出品代行者が見つかることを期待してるわ。」

そう言って彼女は笑った。

Chris Finke は5月に新曲のEPをイタリアの Mrecs から、同月に Mark Broom の ‘Got Me Working’ を Flux からリリースすることを予定している。

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