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international news_2009.12.18

Exit Festival、ヨーロッパの閉ざされた 『Exit』 を開放

Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Shogo Yuzen

先日、セルビアの Exit Festival の来年度開催日が7月8日(木)〜7月11日(日)と発表され、それとほぼ同時期に、これまでEU政府がセルビア・モンテネグロ・マケドニアの各国の国民達に科していた旅行用ビザが12月19日から免除されることが決定した。

このビザ免除のニュースについて、Exit Festival のプレス・Rajko Bozik は、Exit のチーム一同、そしてセルビアの人々も大変喜んでいると語っている。

「これは僕達にとってすごく大きな出来事だよ。ビザがいらなくなるという現実的な部分ではもちろん、象徴的な意味でも重要だと思うんだ。セルビアは90年代の初頭からずっと隔離されていて、人々の多くはヨーロッパを自由に旅することを諦めてしまっていた。僕の知り合いなんて、ニュースを見て涙を流していたよ。」

Exit Festival は1999年、当時のセルビア大統領 Milosevic 氏が推し進めた全体主義国家体制に対する反対運動として発足したフェスティバルである。2002年にはEUの行政長官 Oli Rehn 氏をフェスティバルに招待し、ビザ自由化についての議論を行うなど、以前よりビザ問題について訴えていた。

「そのとき僕達は Oli に "Exit名誉市民証" をプレゼントした。そこには、フェスティバルに来るために彼が提出を命じられなかった書類のリストを載せたんだ。書類っていうのは、僕達がシェンゲン協定(ヨーロッパの殆どの国が加盟している自由な出入国管理についての協定)加盟国へ渡航するとき、ビザ取得に必要な膨大な量の書類のことだよ。
バルカン半島の国々に住んでいる若者にとっては、その書類を全部提出するのは実質不可能なんだ。土地を持っていること、過去6ヶ月間定職について給料をもらっていたことの証明とかね。時には、電話料金の明細を提出させられて、普段から海外の人間と取り合ってる証拠が必要になることもあるよ。実際今じゃメールでやり取りすることが多いっていうのにね。」

「ブリュッセルでの記者会見で、Oli Rehn がビザの自由化を発表した時、僕達は自分達が続けてきた活動を本当に誇りに思ったよ。彼は、僕達が送ったあの市民証を見せて、『Exit Festival で自由化のための戦いを始めたことを覚えてる』 って言ってくれたんだ。今やっと全てが現実になったね。」

残るバルカン半島の国々でも、ボスニアヘルツェゴビナとアルバニアに関しては 『パスポートの安全性、国境の管理、組織犯罪の撲滅』 が規定された水準に満たないとして、未だに厳しいビザの審査を強いられている。Exit はバルカン半島の国々の国民の全てが普通に旅行できる環境を目指し、これからも戦い続けるという。

「これからもボスニアやアルバニアのために運動は続けるよ。複雑な状況だからこそ、両サイドからの支援が必要なんだ。たくさんの支援がね。あと1年でベルリンの壁崩壊から20年が経つっていうのに、未だに南ヨーロッパにこんな壁が残っているなんて恥じるべきことだよ。」

Exit Festival 2010 の前売りチケットは、1000枚限定で72ポンド(約1万5百円)で発売中。1月1日からは85ポンド、6月には99ポンドに値上がりする予定だ。
http://www.etickets.to/buy/?e=3092


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