HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

Tiesto


'06年こそ長年君臨していたナンバーワンのポジションを Paul van Dyk に明け渡したものの、世界で最も権威のあるDJランキング DJ Mag Top 100で長らく1位を獲得し続けてきたオランダが誇るトランスのスーパー・スター Tiesto が、約2年ぶりとなる来日公演を ageHa@studio coast にて行った。

彼のトレード・マークでもあるミックスCDシリーズ "In Search Of Sunrise" の最新作を引っさげて、アジア・ツアーの一環として行われた今回の来日公演。実は情報解禁前からファンの間では既に大きな話題になっており、当日会場の前には長蛇の列が出来るほどの大盛況ぶりを見せていた。そんな中、ageHa の控え室で出番を直前に控えた Tiesto が、HigherFrequency のインタビューに応じてくれた。

*このインタビューをビデオでご覧になりたい方は・・・ここをクリック!

> Interview : Matt Cotterill (HigherFrequency) _ Translation & Introduction : Yoshiharu Kobayashi (HigherFrequency)

triangle

HigherFrequency (HRFQ) : 本日はお忙しいところお時間をありがとうございます。

Tiesto : こちらこそありがとう。

HRFQ : あなたはここ日本でもたくさんの熱心なファンを抱えていると思いますが、今まで訪れた国の中で一番熱狂的なファンがいたのはどこでしたか?

Tiesto : 熱狂的なファンがいる国はたくさんあるから、一つだけ挙げるのは難しいね。ハンガリー、イギリス、南アメリカ、北アメリカ、それにもちろんオランダにもいるよ。

HRFQ:世界中にあなたの熱狂的なファンがいるということですね。

Tiesto:そうだね。どこの国にだって、普通のファンもいれば熱狂的なファンもいるものさ。一部ではあるけど、常に僕の音楽を聴いてくれてるファンもいるんだ。

HRFQ : あなたほどのビッグ・ネームになると、たくさんのファンを抱える一方で批評家からの厳しい意見が絶えないものだと思います。あなたはそういう批評をバネにするタイプですか?それとも落ち込んでしまうタイプですか?

Tiesto : 僕の考えはこうなんだ。「真実を突いた批評のみが人を傷つける」つまり僕は批判を受けたとしても、それが正しい場合だけ気に留めておくということさ。基本的に僕はDJとして自分がどうあるべきか分かっているから、批評を読んだからってそれがプレイに影響するということは無いんだよ。

HRFQ : 素晴らしい考え方ですね。さて、ここ ageHa も日本で一番大きな会場ですが、あなたはこのように大きな会場でDJをすることが多いと思います。まだ今でも小さな会場でDJをする機会はありますか?

Tiesto : あるとも。同じ会場で二晩続けてDJをするときは比較的小さな会場でやるよ。アルゼンチンに行ったときは、金曜日に小さめの新しいクラブでDJをして、日曜日には大きなクラブでDJをしたしね。僕はそういうふうに色々なタイプのクラブでプレイするのが大好きなんだ。昨年、東ヨーロッパ・ツアーをしたのだけど、その時は500人しか入らない小さなクラブでDJをした次の日に 10,000人収容のメガ・アリーナでプレイできて最高だったね。

Tiesto Interview

HRFQ : では、大きい会場と小さい会場とではどちらの方が好きですか?

Tiesto : そうだな、それぞれに良さがあるから一概には言えないけど、大きな会場ではその広さに見合った曲をかけることで大勢の人から物凄いパワーのフィードバックを得ることが出来て、小さな会場では自分のかけたい曲を何でもかけられるから実験的なことが楽しめるんだ。難しいけど、どちらかと言えば大きな会場の方が好きかな。

HRFQ : 昨年、あなたはイビザで毎週DJをしていましたが、今年は一度きりしか出ない予定ですよね。なぜ今年はこのような予定にしたのですか?

Tiesto : 7年間イビザで毎週DJをしてきたんだけど、最近ではギリシャやトルコといった他のヨーロッパの島々にあるクラブからもたくさんオファーを受けるようになってね。だから今年はイビザのギグを一回きりにして、他のところも回ってみようと思っているんだよ。何年間も僕を待ってくれているのに、時間が無いからと言って断り続けるのも悪いだろ。みんなに平等に楽しんでもらいたいんだ。

HRFQ : Paul van Dyk について伺わせてください。あなたと Paul はイビザの人気クラブ Amnesiaで共演もしている仲ですよね。しかも、あなたたち二人は DJ Mag Top 100 で、ここ3年間ずっと1位と2位を独占してきました。そのような人気を保ち続ける秘訣はズバリ何ですか?

Tiesto : 人気を保ち続ける秘密だって?それは分からないな。だって僕たちはただDJをするだけなんだから。一つ言えるのは、僕たちは自分なりのサウンドを確立しているということさ。ほら、Paul の方が僕よりも少し激しい音だろ。だからAmnesiaで一緒にプレイするときも、僕が少しゆっくりと始めて、次に Paul が 145bpm くらいの激しいDJをするといった具合だったんだ。そんな感じで出来るから、僕たちは本当に相性がいいんだよね。

HRFQ : あなたはアテネ・オリンピックの開会式でDJをしたり、DJ Mag Top 100 で3年連続1位を獲得したりと、本当にたくさんのことを成し遂げてきましたよね。その中でもあなたが一番誇りに思っていることは何ですか?

Tiesto : 僕が一番誇りに思っているのは、世界中どこの会場でDJをしても常にソールド・アウトするということさ。みんなからのそんな熱い反応こそが一番大切なんだ。昨日、僕はクアラルンプールでDJをしたんだけど、驚いたことに20,000人ものクラウドが集まってくれたんだよ。僕はこれまでマレーシアには一度しか行ったことがないというのにね。本当に嬉しかったな。こういった反応こそが、僕が人生で成し遂げた最高の成果と言えると思う。

HRFQ : 本当に素晴らしいですね。ところで、現在あなたはDJだけでなくプロデューサーとしても活動していますが、あなたにとってはどちらの方がやりがいがありますか?

Tiesto : どっちの方がやりがいがあるかって?それはさっきも答えた通りで、僕にとっては自分の好きな音楽をみんなと共有できることが一番の幸せなんだよ。自分で作った曲をプレイしてクラウドが楽しそうに踊っているのを見ると最高の気分になるんだ。ファンからもらう手紙の中には、僕のDJが彼らの人生にどれだけ良い影響を及ぼしてるかということがよく書いてあるんだけど、そういうのを読むと本当に誇らしく思うんだよね。今年はもっとファンに良い影響を与えていけるように頑張りたいと思っているよ。それが僕にとって本当に重要なことだから。

Tiesto Interview

HRFQ : あなたは音楽を人と共有することがDJをする一番の醍醐味だとおっしゃりましたよね。

Tiesto : そうだね。

HRFQ : 数年前からインターネットでのファイルの共有が盛んになっていますが、それには良い面もあれば悪い面もあると思います。ファイルの共有によって、あなたはよりたくさんの人に音楽を聴いてもらうことができますが、その一方で音楽業界はダメージを受けるというように。あなたはファイルの共有に対してどのようなご意見をお持ちですか?

Tiesto : そうだな、いい面は確かにあると思うよ。少なくとも僕にとってはそうだね。ここ5年間のことを考えると、ファイルの共有無しには僕はここまでビッグになれなかっただろう。だから僕はその恩恵を受けてきたと言えるね。でも、若手のアーティストが違法ダウンロードやファイルの共有によって経済的にダメージを受けているのは理解しているよ。だから、みんなそれなりの金額を払うべきだとは思うんだ。みんな本当にその曲が気に入ったら、ちゃんとお金を払わなくてはいけない。そうすれば全てが丸く収まるだろう。

HRFQ : 小さなレーベルほどファイルの共有には頭を悩ませているみたいですね。

Tiesto:そうなんだよね。小さなレーベルにとっては本当に苦しいことだと思う。大物のロック・スターなんかはちょっとくらい違法ダウンロードをされたって十分な収入を得ることが出来るんだよ。だから彼らの音楽を少しくらい勝手に落としたってさ…。

HRFQ : むしろそうすることによって公平が保たれるのではないかと考えてしまうくらいですよね。「お前たちはもう十分稼いでるじゃないか!」と思いながらダウンロードしている人もいるかもしれません。

Tiesto : そのとおりさ。だから僕の考えとしては、本当にお金を持っていない人はダウンロードをしても悪くはないのではないかということなんだ。でも、十分なお金をもっている人は、やっぱりちゃんと払わなくてはいけないと思うよ。

HRFQ : では、DJスタイルについてお話を聞かせてください。この音楽はこのジャンル、あの音楽はあのジャンルといったふうに、世間はやたらと音楽をジャンル分けしたがりますよね。トランスというジャンルはあなたの活躍によってしばらく脚光を浴びましたが、例えば今プログレという言葉を使うのは少し憚られます。

Tiesto : へえ、そうかい?

HRFQ : プログレという言葉を使うのを嫌う人もいると思いますよ。トランスの場合はどうでしょうね?

Tiesto : そうだな、これはダンス・ミュージック・シーンが抱える問題だと思う。僕たちはあらゆる音楽に適切なジャンルというのを持っているわけではないから、みんな混乱してしまうんだよ。僕はトランスをプレイするけど、ハウスをプレイする人だっている。でも僕がDJを始めた頃は、みんなハウスという言葉しか使っていなかったんだ。それでよかったんだと思うよ。今ではハウスはコマーシャルな音楽で、トランスはもうちょっとレイヴっぽい音楽と認識されているよね。とにかく難しくなり過ぎているんだ。だから、僕はハウスという言葉だけで十分だと思うんだけど、みんなが僕の音楽のことをトランスと呼びたがるんだ。だから、僕は自分の音楽を ザ・サウンド・オブ Tiesto と呼びたいね。だって、僕の音楽は僕がプレイしているということはみんな分かっているはずだからさ。

HRFQ : Tiesto ミュージックですね!

Tiesto : そう、Tiesto ミュージックだ。ザ・サウンド・オブ Tiestoだよ。

HRFQ : ザ・サウンド・オブ Tiesto。たった今、私たちは新しいジャンルを考え出しましたね。

Tiesto : そうさ、これは全く新しいジャンルなんだ。

HRFQ : このようにジャンルの細分化が進む中で成功を収めるには、あらゆるジャンルの音楽をミックスできないと駄目だと思いますか?

Tiesto : ああ、そう思うよ。みんな自分らしい音楽というものを確立しないと駄目なんだ。ロック・シーンを見てみなよ。U2 や The Rolling Stonesはどちらも同じように物凄くビッグで、同じようにロックをやっているよね。ダンス・ミュージックにも同じことが言えると思うよ。例えば僕と Paul Van Dyk を較べてみればいいさ。何も知らない人からすれば僕たちは同じように聴こえるかもしれないけど、実際は全然違う音楽をやっているんだ。僕と Erick Morillo や Deep Dish と較べた場合はもっと違うだろ。だからこそ僕たちはみんな成功を収めているのだと思うよ。

HRFQ : あなたは i-Tunes 限定のリミックス・アルバムをリリースしましたよね。これは作品のリリース方法としては一歩進んだものであると思います。CDが出てきたときのレコード市場がそうであったように、このような音楽配信の普及はCDの市場を縮小させるとお考えですか?音楽配信とCDは共存できるのでしょうか?

Tiesto : 今のところは共存できているよね。でも、僕の考えでは、10年も経ったらもう誰もCDなんて買わなくなっていると思うよ。将来的には全てデジタルになると考えているんだ。今はちょうどその転換期であって、CDから音楽配信に移行するのは時間の問題だろうね。

HRFQ : では最後に今晩のパーティーに来てくれたお客さんに一言お願いします。

Tiesto : やあ、みんな。日本に帰って来れて本当に嬉しいよ。今夜のパーティーが最高のものになればいいね。

HRFQ : 本日はどうもありがとうございました。

Tiesto:こちらこそ。

End of the interview

関連記事


関連リンク