HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

Stephan Bodzin


みなさんこんにちは、ドクターシンゴです。
コラムページが終了して、僕のエレクトロニックXも連載が終了しましたが、今後はパブリック・ジャーナルとして、色々な所で記事を掲載させて頂きます。さて、今回は5/30に開催されるCross Mountain Nightsに連動したアーティストインタビューをお届けします。今回皆さんにご紹介するアーティストはStephan Bodzin(シュテファン・ボッツィーン)です。わたくしDr.Shingoが日本全国のテクファンの皆さんに、是非とも紹介したかったアーティストの1人です。ドイツ・ブレーメン出身のシュテファンは自身のレーベル「Herzblut」を運営し、世界中を飛び回るライジングスターです。Stephan Bodzin名義の他に、H-Man、Elektrochmie等の名義を使い分け、相当数のリリースを重ねて来ました。中でもoliver huntemannとのユニットである「Rekorder」は沢山の話題作をリリースし、世界中のテクノファンを魅了しました。そしてHerzblutからリリースされた自身のEP「valentine EP」が全世界でヒットし、一躍ワールドワイドなアーティストになり、現在では多忙な日々を送っています。そんな彼にメールインタビューを慣行。この機会に、彼の事を知って貰えたら幸いです。彼がライブで使用するコントローラー、「lemur 」の事も語ってもらいました。DAFT PUNKが使用している事でも有名ですね。その他色々と興味深い話を聞く事が出来ましたので、是非最後までお楽しみ下さい!そして、シュテファンのDJミックスもゲットする事が出来ました!終りに掲載されているリンクをクリックし、シュテファンのテクノワールドも併せてご堪能下さい!!

> Interview : Dr.Shingo

triangle

Dr.Shingo(shingo) : こんにちはシュテファン!長い間あなたの事を日本の皆さんに紹介したいと思っていましたが、ついにその時がやって来て僕自身とても嬉しいです。色々と伺いたいのですが、現在ドイツ・ブレーメンをベースに活動しているみたいですが、出身もブレーメンでしょうか?若い頃はどんな音楽を聴いていましたか?

stephan bodzin(stephan) : Hello ? こんにちはシンゴ、そして日本の皆さん!僕はブレーメンの出身で、今でもここに住んでいる。とても美しい街ですごく住み心地が良いね。自分の家族や沢山の友達もいる。2年ごとに「ベルリンに引っ越そうかな」と思う「時期」が来るんだけど、未だに実現せずにいるよ。今の家とか、スタジオとか全て気に入っているせいかな(笑)。僕の父親も熱心なミュージシャンでね、僕がこの道に入ったのは父親の影響も大きいと思う。親父の音楽の趣味はクラフトワークからマイルス・デイビスと範囲が広くて、いつも僕にそういった音楽を聞かせようとしていたよ。しかも親父は凄い音楽スタジオを持っていて…今みたいなパソコンで何でも出来る様なスタジオじゃなく、機材が山と積まれたスタジオだよ。そこで小さい頃からarp、moog、korgやらのシンセザイザーのツマミやボタンをいじりまくって、友達と遊んだりしていたね。それから大きくなって、クラッシック・ピアノやエレキ・ベースを10年以上勉強して、色々なバンドで演奏したりして、ついには自分自身の小さな音楽スタジオを持つようになったんだ。

shingo : プロフィールに演劇や舞台用に音楽を作曲した事が書かれていますが、具体的にどんな曲を作っていたんですか?

stephan : それはさっき話した自分のスタジオを持ち始めた頃の話だね。自分で曲を作り始めた頃は、何でも作っていた。誰に指図される事なく、誰にも影響される事無く…例えばバンドのメンバーとかに音楽の影響って受けたりするじゃないか。全然そういう事がなくて、只々自分の好きな音楽を作っていたんだよ。当然今でもとても重要な事だけどね。その内に舞台や演劇用の曲を作る仕事を始めたんだ。結局6年位その仕事していたんだけど、飽きてきてね。もう実験的な音楽だけじゃなく何か変化が欲しかったんだ。考えた末、自分のルーツ…クラフトワークみたいなピュアなエレクトロニックサウンドに戻る事に決めたんだ。そこから現在に至るまで同じ事を続けている感じかな…。あとそうだな…40年位は続けるかも(笑)

shingo : ダンスミュージック自体に興味を持ちだしたのもその頃ですか?

stephan : あまり正確に覚えていないんだけど…23歳位の時にoliver huntemannやmarc romboyといったDJ達に出会って、彼らと一緒に「techno」を作ったりする様になったと思う。その頃は飯を食う時と、寝る時以外ずーっとスタジオに籠っていた。そこからDJをしたりライブをしたりする事にも興味を持つようになってきたね。

shingo : そうやってテクノを作る様になってから、相当な数のネームを使い分けて曲をリリースして来ましたね。ここ日本であなたの名前が知られるようになって来たのは「superlicious」(Craft Music)をリリースした頃からだと思います。そしてあなたが立ち上げたレーベル、Herzblutからリリースされた「valentine EP」が大きなヒットとなり、一躍注目される存在になりました。あなたの曲は綺麗なメロディーやハーモニーが印象的ですが、曲を作る時のアイデアはどんな所から来るのですか?曲を作る時に心掛けている事は何でしょう?

stephan :それを説明するのは難しいな…。ハッキリ言って分からない(笑)。何か強いインスピレーションを感じて朝目が覚めて、スタジオに行って作業をする。大抵はそんな感じに直感に従って曲を作り始め、何日か経ったら曲が出来ている。簡単そうでしょ?だけど機材やソフトウェアについての知識が深くないと、アイデアを具現化する事は難しいよ。それがあるから直感を音に連結させる事が出来るんだ。じゃないと考え込んでしまって、直感を生かす事が出来ないと思うんだ。僕は一曲作るのに2日以上は掛けない。もし3日以内に曲にならないアイデアはゴミ箱に捨ててしまう。(パソコンのデータの話です)物にならないものに幾ら時間をかけても無駄だし、それなら新しい物を作り始めた方がマシだ。プロダクションに必要なのは「直観」と「ハードワーク」だね。そして常に君のソウルを注入する事。それが“herzblut”(心血)なんだよ!それが良い曲を作る為の大事なスパイスの一つだと思うよ。

shingo : あなたとOliver Huntemannによる覆面プロジェクト…もう覆面と言う必要はないと思いますが、"Rekorder"シリーズも非常に人気の高いですね。彼とはどんないきさつでこのプロジェクトを行うようになったのですか?

stephan : Oliverとはかれこれ12年近く曲作りをしているんだ。彼とやったプロジェクトは自分でも数えきれないよ。多分リリースしてきたレーベルも全部覚えていない(笑)。ここ5年位はお互い、とてもストレートでピュアなテクノやミニマルサウンドを作る事を心掛けてきた。ある日…2年位前かな、面白いトラックが出来てタイトルを考えていたんだ。僕がまず最初に“rekorder ”というタイトルを思いついたんだ。それから、何かビッグな曲ができた時にはいつもこの名前を使おう!タイトルも“rekorder ”でいいじゃないか…って考えたんだ。で、これはシリーズ化して、しかも覆面プロジェクトにしてしまって、しばらく自分たちが作っている事を公表しないでおこうと決めたんだ。自分たちの名前が表に出る訳でもなく、肩肘張る事無く続けられたプロジェクトだったから、やっていて本当に面白かったよ。メインのコンセプトは100%クラブトラックにする事で、後は好き放題に自分たちのアイデアを試したりした。もうこのプロジェクトは終了したけど、今でもrekorderのプロダクションは全部お気に入りだし、すごく誇りに思っているよ。

Adam Beyer Interview

shingo : あなたのライブパフォーマンスでは特別なコントローラーが使われていますね?どんな機材なのか教えてもらえますか?そのコントローラーはあなたの機材セットの中で、どういう風に使われているのですか?

stephan : フランス製のタッチパットコントローラの事かな?jazzmutant という会社が作っている「lemur 」というコントローラーだよ。これはとても直観的で、ableton社製「 live7」のパラメーターを全て操作する事が出来るんだ。全てと言っても、セレクトした機能であれば全て、という意味だけどね。ライブパフォーマンスをする時のみの使用で、スタジオでは使わない。ちなみにスタジオではlogic studioというソフトウェアを使っている。Lemurは、可能な限り自分の好みにインターフェイスをカスタマイズ出来るし、自由にしかも正確にコントロールする事が出来る。ノートパソコンの近くにおいて使うんだけど、コントローラーのLEDヴィジュアルが凄く面白いんだ。それからアメリカ、フィラデルフィアにある会社…全く無名な会社なんだけど、そこから発売されているコントローラーが面白いんだ!64hと256hという名前で、全世界で500個しか生産されていないんだ。僕のおもちゃだね(笑)。 スタジオではdoepferのリボンコントローラーを使って、minimoogでクレイジーなノイズを出したりしているよ。ライブを楽しみにしていてほしいね!

shingo : 今回Cross Mountain Nightsでプレイする時には、DJも披露する予定ですね。DJ歴は長いんですか?お気に入りのレーベルがあったら教えてもらえますか?

stephan : 実はDJ歴は2年程なんだ。遅咲きなんだよね。今まで長いことスタジオで過ごしてきたから、DJは第2の人生みたいなモノなんだ。凄くエンジョイしているよ。自分が好きなテクノを、テクノが好きな人達の前でプレイできるなんて本当に素晴らしい事だよ。至福の時間だね。今お気に入りのレーベルは、radioslaveのレーベル「rekdis」。いつもディープで力強いトラックをリリースするよね。 radioslave自体も、ここ2年位好きなプロデューサーの一人だよ。Dubfireの「sci-tech」、josh winkの「ovum」、martin eyererの「kling klong」なんかは凄く良くなって来ている。僕の所属している plantage13が扱っているレーベルはどれもお気に入りさ。HERZBLUTももちろんだよ(笑)

shingo : あなたのレーベル、Herzblutはいつもユニークなサウンドをリリースしていますね。他のアーティストを採用する時に、どんな点に注目していますか?レーベルとしてどの様なサウンドを探していますか?

stephan : これも説明するのが難しいな…。まずはピュアなソウルとherzblut(心血)が注ぎ込まれている事。クラブライクなサウンドである事かな。ミニマルでありながらマキシマムな感動がある事…。マキシマルでミニマルなエレメントが散りばめられている…?かっこいいテクノを送って欲しいね(笑)

shingo : あなたの本拠地であるブレーメンですが、Thomas Schumacherを始め多くのアーティストを排出していますが、アーティスト同士の交流はありますか?

stephan : 正直言うと…ないね。結構自分一人で活動している感じかな。でも今は世界中DJやライブで出かけるし、色々なコミュニティに属していると言えるだろうね。自分が求めたり、求められたりする事によって色々な仲間が出来たよ。

shingo : 最後になります。僕自身5月30日の来日をとても楽しみしています。日本のテクノファンにメッセージをお願いします!

stephan : まず、このインタビューを受けられた事に感謝しているよ!本当にありがとう。僕自身、WOMBでパーティー出来る事を本当に楽しみにしているよ。入念にライブの準備をしているのでみんなも楽しみにしていてね!Cross Mountain Nightsで会いましょう!

End of the interview

Stephan Bodzin


関連リンク