HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

Soul Source


日本で最初のリミックス・アルバム・ブームを巻き起こしたといっても過言ではないほど、驚異的なセールスを記録したリミックス・アルバム、"Jackson5 Rimixes 1&2"そして"Earth Wild & Fire Rimixes"の仕掛け人であるSoul Sourceこと箭内健一。まさしくリミックス・アルバム企画の達人というべくこのDJ/プロデューサーが、昨年リリースして人気を博したリミックス・シリーズ"Soul Source Remixed Boogies"に続く第2弾、"Soul Source Remixed Fevers"が3月2日にリリースされることとなった。前作と同様、Soul Sourceチョイスによるダンス・クラシックスを、国内外のプロデューサーがリミックスするというスタイルのこのリミックス・アルバムと併せて、今回はSoul Source初のオリジナル音源となる"Soul Source Production"も同時にリリースされるという。

今回HigherFrequencyは、"Soul Source Remixed Fevers Special"として、箭内健一とのインタビューを決行。今までは"リミックス・アルバムのプロデューサー"的なイメージが強く、アーティストとして表に出る機会の少なかった箭内氏に、"Soul Source Remied Fevers"について、またオリジナル・アルバム"Soul Source Production"について語ってもらった。

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> Interview & Introduction : Kei Tajima (HigherFrequency) _ 写真提供 : Victor Entertainment

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HigherFrequency (HRFQ) : お久しぶりです。やっと作品が出来上がって、ホッと一息というところなんじゃないでしょうか?

Soul Source (以下SS) : そうですね。"(Soul Source Remixed)Fevers"に関しては、ギリギリまで上がってこなかったので、僕よりもVictorの岩永さんが…大変だったんじゃないですかね(笑)。僕は、「自分の分は終わったから…」っていう感じで(笑)。

HRFQ : そんなこんなで完成した"Soul Source Remixed Fevers"なんですが、今作は前回の"Soul Source Remixed Boogies"の続編ということで。前作のコンセプトは"'80sっぽい感じ"ということだったんですが、今回はどういったコンセプトでアルバムをコンパイルなさったんですか?

SS : 今回自分のオリジナル・アルバムを同時にリリースするんですけど、その作品にも表れているように、"ハウス・ミュージックのフォーマットを使う"っていうのが唯一のコンセプトで、それをもうちょっと強く出してみたという感じですね。

HRFQ : もうちょっと"ハウス"寄りなイメージということで。

SS : うん。そうですね。そうじゃないものもいっぱい入ってますけどね。ただトータルで見て、ハウスの比率がより高くなってるかな。あと、(リミキサーが)外国の人が多くなってますね、日本人よりも。

HRFQ : 今回のジャケも、前回にも増してフィーバー!って感じですよね(笑)。

SS : フィーバーっていう名前もすごいけどね(笑)。

HRFQ : タイトルなどから、少しディスコっぽいイメージがあったんですけど、選曲をみると結構ジャズ系のトラックも多く入っているなと感じたんですが。

SS : そうかもしれないですね。あんまり意識してはいないんですけど。どちらかというと僕のフィルターを通して、いいものであったり、好きなものであったらなんでもいいやと。ただ、Joey(Negro)だったり、Dimitri(From Paris)とかは自分たちで曲を選んできてくれましたからね。さすがにその辺の先生たちの選んできたものには"NO"とは言えないかな(笑)!

HRFQ : リミックスのアーティスト選出はどのように決められましたか?

SS : 明確なものはないんですけど、まず知っていて、コミュニケーションを直接とったことのある人っていうのが第一。あとはその人たちのつくっている作品だったり、DJプレイを観て、オリジナル楽曲のよさをそのまま生かしてくれそうな方々にお願いしているかな。この手のリミックス作品も今までに結構リリースしてきたんですけど、初期の頃は各リミキサーに「歌使ってほしいな」みたいな感じでオーダーを出してたんですけど、今はもう何も言わなくても間違いなくなってきましたよ。だから、今回なんかは(出来上がった)曲聴いてないのに曲順決めてますから(笑)。だいたい予想通りに上がってきて、マスタリングの段階で岩永さんとウットリしてました。「初めから聴いてたかのような流れ!」みたいな(笑)。

HRFQ : なるほど。回数を重ねるごとに予想に近いものが出来上がってくるって感じですよね。ところで、今回(David)Moralesについては、前回のアルバムを聴いて自ら参加を希望したということですが?

SS : そうですよね。でも大体みんなそうですよ。Dimitri(From Paris)もそうだったし、Joey(Negro)はDimitri(From Paris)の紹介だったりとか。特にアメリカとかヨーロッパには流通してないんですけど、DJの人だったら結構知っててくれるので、自分から参加したいって言ってきてくれる人がほとんど。だからこちらも信頼できますよね。リミキサーも企画に合わないようなことはやってこないっていうか。

HRFQ : 個性派のDJが揃っていますよね。同じハウスでも(David)MoraleとJoey(Negro)では全然カラーが違うし。そういうアーティストが集まっていながらも、今回アルバムを聴いて、ものすごく統一感があるように感じたんですが…そこで表現されている"Soul Sourceブランド"とはどういったものだと思われますか?

SS : あんまりね、考えてないんですけど……恩着せがましくならないものっていうか、しっかりしてるものは常につくっていきたいと思ってるんですけど、"楽しく聴ける、良質なポップス"と、"ダンス・ミュージック"の中間といった感じかな。マニアックな音は他にたくさん出てますからね。マニアックですごく素晴らしい作品とかもあるけど、それは僕には出来ないことなので。良くも悪くも。こういうアプローチしか出来ないと思っているから、やっているだけですね。

HRFQ : 先程もおっしゃっていた通り、箭内さんのSoul Sourceといえば、今回の"Soul Source Remixed Boogies & Fever"、また"Jackson5 Remixes"や"Earth,Wind & Fire"などのヒットで、リミックスCDのプロデューサー的なイメージが前に出ている部分もあると思うのですが、今回、Soul Source Productionとして初のオリジナル・アルバムをリリースされるということで。ここまでオリジナル・アルバムのリリースがなかったのには、何か理由があったのでしょうか?

SS : いや、結構(アルバムを)つくりたい欲求が強くなってきて、流れやタイミングも合っていたので、「出しちゃおうかな」みたいな。そんな感じですよ。すごいシンプル(笑)。

HRFQ : 今まで、オリジナル作品のリリースがなかっただけに、リスナーの中には、「Soul Sourceって一体誰なの?」と思っている人もいると思うのですが…。

SS : ありますね。こないだも某ラジオで、Soul Sourceはクリエイター集団だって言ってました(笑)。それ聞きながら、「あぁ、そうなんだ。集団なんだ。」って思ってましたけどね。Soul Sourceはプロジェクト名で、ブランド名です。音楽をつくるときとか、音楽制作に関わる場合はSoul Source Productionっていうシンプルなものなんですけどね。

HRFQ : Jackson 5とEarth,Wind & Fireのリミックス・アルバムがヒットしたときには、オリジナル・アルバムをリリースしたいという気持ちはあったんですか?

SS : そのときは思ってないですね。リミックスのオファーとかが来るようになって、いろいろやってるうちに、「これ、(アルバムが)できちゃうんじゃない?」みたいな。

HRFQ : アルバムに取り掛かり始めたのはどのくらい前だったんですか?

SS : 半年くらいですかね。ほとんどそこからスタート。

HRFQ : 結構早いですね。

SS : 早いですよ。2日でつくったりとかしてましたからね。早すぎ(笑)。

HRFQ : 今回のアルバムにはMonday満ちるさんや、フランスのOscarといったアーティストが参加したということですが…一曲一曲カラー出てますよね。特にMondayさんの曲とか。

SS : まぁ、みんな友達ですからね。Mondayさんのはびっくりしましたね。「今でもこんなこと出来ちゃうんだ」みたいな。本人も「懐かしかった」って笑ってましたよ。最近こういうのは全然やってないから。

HRFQ : 今回もすごく音にこだわった感じですよね。マスタリングとかも今回は…違うなと思ったんですが。

SS : おっ!すごい。本当に?今回はロンドンに行ってきたんですよ。ジェフっていうエンジニアにやってもらったんですけど、レーベル"Underwater"とか全曲やってる人。確か、60曲中59曲やったって言ってましたよ。そのやらなかった一曲なんだったんだろうって…(笑)。

HRFQ : ジャケットのデザインは?

SS : これは菅原(義浩)さんですね。一緒ですね、Feversの方と。

HRFQ : どういったイメージがあったんですか?

SS : 特別こういう感じっていうのは伝えてなかったんですけど、彼の方から提案があって、コンピレーションっぽいものより、オリジナル・アルバムっぽいヴィジュアルにしたいと言っていて、それが反映されてるんじゃないですかね。絵じゃわからないですけど、実際はハコになっていて、ポコッって中を抜き出すと一面に虹が出るっていうデザイン。"Fevers"のほうも豪華ですけどね。お互いに競い合ってたみたい (笑)。

HRFQ : オリジナル・アルバム自体のコンセプトにも"虹"に近いものがあったんですか?

SS : いやっ、あんまり。それは全然(笑)。結構ね、ヴィジュアルとは分けちゃってて。あんまりデザインには口出さないんですよ。基本的には信頼してるから。コンセプトは、"Fevers"の方と同じなんですけど、"聴きやすい"こと。ハウス・ミュージックのフォーマットを使ってるんですけど、ソウル・ミュージックのアルバムをつくったつもりでいるので、"楽しいソウル・ミュージックのアルバム"っていうことかも。コンセプトといえば。

HRFQ : どんなところで聴いて欲しいですか?

SS : いろんなところに持ち出して欲しいかな。お洗濯とか。お掃除とか。ドライブとか。

HRFQ : Oscarとフランスでプレイされるなど、箭内さんはDJとしても国内外で活動されていますが、今後ももっといろいろな国でDJされていく予定ですか?

SS : 行きたいですね。誘っていただけるんだったら。スウェーデンとか行きたいですね。今回 "Fevers" の方にもアーティスト2人参加してもらってるし。スウェーデンのハウスとかジャズ系のものもすごくいいものたくさん出てるから。

HRFQ : 今回、"Soul Source Production" と"Soul Source Remixed Fevers"のリリース・パーティーにスウェーデンのAxwellがゲスト出演するということなんですが。

SS : 3月11日に京都のWORLDで、12日が青山のLOOP。楽しみですよね。

HRFQ : 今回のツアー後も、"Soul Source ブランド"としてのイベントは打ち出していかれるつもりですか?

SS : LOOPとFAIで定期的にやってはいるんですけどね。イベントのほうも、もうちょっとキッチリやっていこうかなと思っています。

End of the interview

Soul Source Release

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