HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

Sinden

Basement Jaxx のレーベル Atlantic Jaxx からのリリースや Herve との共作で Domino レーベル等から数々のヒット作を放ち、今クラブ・シーンで最も注目を集めているDJ/プロデューサー Sinden。エレクトロをベースにブレイクス、ダブステップ、バイレ・ファンキなど様々なジャンルをクロスオーバーさせたファンキーかつゲットーなサウンドで新たな潮流を牽引している。昨年暮れにはロンドンの老舗クラブ Fabric が送り出すコンピレーション・シリーズ 'Fabriclive' の第43弾を担当するなど、目覚しい活躍を魅せている。

今回敢行された全国5都市での来日ツアーに伴い、東京は Air でのプレイ直前の彼に HigherFrequency がインタビューを決行。盟友 Herve との関係や Bjork, Basement Jaxx のリミックスを手掛けることになった経緯など、貴重な話を聞かせてくれた。

Interview : Masanori Matsuo (HigherFrequency) _ Translation : Yuki Murai (HigherFrequency) _ Introduction : Midori Hayakawa (HigherFrequency) _ Thanks : BASE Ltd.

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HigherFrequency (HRFQ) : 今回のツアーではすでに京都、福岡、名古屋を回られたようですが、良いパーティーでしたか?日本の印象もお聞かせください。

Sinden : びっくりだったよ! どこも初めて行った街だからね。みんな音楽にすごく詳しいし、クレイジーで音に真剣だね。昨日の名古屋はベスト・ショーだったな。キッズがDJブースに登ってきて、スピーカーの上でジャンプして…すごくいい雰囲気だった。

HRFQ : 楽しんでいらっしゃったようでなによりです。 ところであなたの楽曲やミックスを聴くと、シカゴのゲットー・サウンドや'90年代のレイブ・サウンド、さらにはラガなどといった様々な音楽的要素を感じるんですが、音楽的なバック・グラウンドはどういったものなんでしょうか?

Sinden : それは正解だね。僕のバック・グランドは音的に幅が広くて、ほぼ何でもって感じなんだけど、強いて言えば80’s、90’sのヒップホップとか、もちろんバンドもそうだし、ドラムン・ベースやガラージにハマって、もちろんいわゆるダンスものも聞いてたな。色々とミックスされてるんだよね。

HRFQ : ヨーロッパのメディアでは「新時代の幕開け」と称されてるそうですが、ご自身にはそういった自覚はありますか?

Sinden : まあ、ちょっと褒められすぎな感じだけど(笑)。これからも自分のやってきたことをしっかりやり続けようと思うよ。「新しい音楽」って言われているんだから、大変でも新しいことをやり続けなきゃ。それが僕のチャレンジだな。

HRFQ : 日本でもストリート・カルチャーを中心にエレクトロ系のサウンドが流行ってるんですが、あなたなりのエレクトリック・ミュージックの魅力をお聞かせください。

Sinden : たぶんみんなが、これまでの音楽に飽きてきたからじゃないかな。どれもこれもにね。バンドも、ヒップホップもダンス・ミュージックも変わっていく時が来たんだと思う。今はダンス・ミュージックが本当にすごくいい時期で、インディのバンドやロック・バンドがダンス・ミュージックを体験した、いわば『ダンス・バンド』って感じのが出てきてるし、ヒップホップのアーティストももちろん、ダンス・ミュージックを体験してる。ダンス・ミュージックがポピュラー・ミュージックに影響を与えて、その盛り上がりに答えてみんなが聴きだしたんだ。
例えば Daft Punk は今、メインストリームの音楽ととてもクロス・オーバーしたスタイルでやってたりするから、そういうのの助けもあって流行ってると思うね。

HRFQ : ヒット曲 'Beeper' などを生んだ The Count & Sinden 名義では盟友 Herve とのユニットですね。 Herve とはどういった役割分担で曲作りをされるんですか?

Sinden : 分担ねえ…。僕らはとりあえずスタジオに入って、一緒に作ってる曲の作業をしたり、あるときはそれぞれ一人で作ったものをミックスして、アイデアを出し合ったりしてるな。 いつも大体、家の庭でお茶を飲んだり、朝食を食べたりしてる間に午後になって…いかにも「仕事」って感じではやらないんだ。流れに任せた感じで、自然に曲作りをやってるよ。

HRFQ : Herveとはどうやって知り合ったのですか?

Sinden : 確か3年前に、Switch のスタジオで、 Herve が Dubsided からリリースするEPを作ってたんだ。僕もそこのスタジオにはよく行ってたから、Switch と Herve が一緒に作業してるところにたまにすれ違うことがあって、「何かすごく背の高い奴がいるな」って思ってさ(笑)。 たぶん6.5フィート(約198cm)くらいあって本当に背が高いものだから、あの背が高い奴!って覚えてて、それですごく仲良くなって、一緒に曲の制作をやるようになったんだ。

HRFQ : リミックス業では、 Bjork、 Basement Jaxx といったメジャー級のアーティストを手がけていますが、彼らとはどういった経緯で仕事を行うことになったんですか?

Sinden : Bjork のリミックスについては…僕が去年の夏に M.I.A のツアーDJをやってた時にフランスに行って、Bjork のサポートをやったんだ。バックステージで会ったんだけど、すごくクールだったね。僕が以前リミックスした曲をすごく気に入ってくれたらしくて、そこで Switch と一緒に作った曲を渡したんだ。本当すごくいい人で、その後僕のマネージャーに連絡が来て、一緒に仕事をする機会を作ってくれたんだよ。
Basement Jaxx とは、ロンドンの服屋で働いていた頃に Felix が店に遊びに来て、ちょっと話をしたときからの友達だね。

HRFQ : 今後コラボレートしていきたいアーティスト、バンドやDJなどがいたら教えてください。

Sinden : うーん…これはちょっと大変だな(笑)。 誰でもいいんだよね? でも僕はやっぱり Bjork と仕事がしたい。本当にいい人だし、尊敬してるよ。クレイジーなこともやるし、いつだってミュージシャンとして、例えば新しい音についてとか…すごくよく考えている人だと思う。

HRFQ : つい先日、名門ミックスCDシリーズ "Fabriclive" の43番を手がけたばかりですが、あのミックスのテーマを教えていただけますか?

Sinden : Fablic にはロンドンでよく遊びに行ってるからよく知ってるし、自分達が Fablic でどんな音をプレイしてるのかを "Fabriclive. 43" で表現してみたんだ。 ある夜に Fablic に踊りにいったとき、そこで聞こえてきそうな音、今かっこいいと思える音をレコーディングしてみたよ。

HRFQ : '09年はどんな活動を予定されてますか?

Sinden : '09年は Sinden としては初のアルバムをリリースして、Toddla (T) とレコードを作ったり、自分の曲もたくさん作る予定だよ。

HRFQ : これから AIR でのギグが待ち構えていますが、どんなセットになりそうですか?

Sinden : 目一杯のエナジーと、ベースラインと、新しいサウンド、それとお洒落な曲だね(笑)。

HRFQ : 本日はお時間ありがとうございました。

End of the interview


>> 2008.12.20 (SAT) PUMA presents SINDEN JAPAN TOUR @ AIR の模様はこちらから



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