HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

Scott

2006年、ドイツ出身の Jan Brauer と Daniel Brandt によって結成されたエレクトロジャズバンド Scott。シンセサイザー、ギター、ドラム、パーカッション等のアナログ機材を駆使した現在進行形のニュージャズビートに、テクノやハウスなどのダンスグルーヴをブレンドしたサウンドを展開する彼等は、唯一無二のオリジナリティーとその斬新性からバンド結成間もないにも関わらず、地元ドイツを含めたヨーロッパを中心に世界各国からオファーが来るという人気ぶり。

2007年、自身のレーベル Doppelschall を設立。これまで My Best Friend, Fluid Ounce からリリースを重ね、最近ではアナログオンリーのプロジェクト Brandt Brauer Frick の始動や、ニューレーベル The GYM を立ち上げるなど、ディープかつアングラ・スピリッツ溢れる活動を展開している彼等が、7/19 遂にUNITへ登場、来日目前のインタビューとなっている。

Interview & Translation : UNDERGRAM
Introduction : Midori Hayakawa (HigherFrequency)
In cooperation with HITOMI Productions

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-- まず、二人の出会いと Scott 結成の経緯を教えてもらえる?

Scott : 最初に出会ったのは学生の時で、バンドを組んでポップソングとかソウルミュージックを一緒にやっていたんだ。すこし経った頃に僕達の友達だった Julian Schleef と三人で The Free Electric Band っていうバンドを結成して、そこで初めてエレクトロミュージックを演奏するようになっていったんだ。それをきっかけに二人でクラブに出入りして遊んでるうちに Scott の音楽性も少しずつ変わっていったんだよね。

-- Scott という名前の由来があれば教えてくれる?

Scott : バンド名を考えている時に、みんなにすぐ覚えてもらえる様なシンプルな名前が良いだろうって二人で話していたんだ。色々と話をしている内に、僕達二人が今まで影響を受けてきたジャズやソウル、ファンクやハウスのアーティスト達の名前に Scott っていう名前が多い事に気が付いたんだ。そこで、彼らに尊敬の念を込めてバンド名を Scott にする事にしたんだよね。

-- 二人の住んでいる場所と活動の拠点、生活環境やクラブシーンなどについても教えてくれる?

Scott : 僕達の生まれ故郷はヴィースバーデンっていう場所なんだけど、現在は、僕 (Daniel) はケルンで Jan はマインツっていう別々の街に住んでいるんだ。ケルンはドイツの中でもテクノやエレクトロミュージックの大きなシーンがある街で、世界的にも有名な Kompakt や Traum の本拠地でもあるんだ。パーティーシーンも充実はしているけど、多くの人がベルリンに移ってしまって、以前に比べると少し小さくはなってしまったかな。それでも、Odoinen っていう素晴らしいアウトドアパーティーがあって、僕もレジデントとしてDJしているんだけど、本当に心から音楽を愛している人達が集まれる場所もちゃんとあるんだよね。逆にJan の住んでいるマインツはあんまりパーティーはないかな。工場跡地で小さなレイブみたいなパーティーは今でも続いているみたいだけどね。生まれ故郷のヴィースバーデンについては、もうパーティーすらない感じだね。それでも僕達は何とかそこでパーティーをやろうとはしているけど、なかなか難しい状況かな。。今は、ケルンやベルリン、モスクワで自分たちのイベントをオーガナイズすることに専念しているよ。

-- 二人の音楽の経緯についても教えてくれる?

Scott : 僕達はとにかくバラエティに富んだジャンルの音楽を聴いているよ。ジャズはもちろん、クラシック、ロック、ソウル、テクノ、、もう片っ端から気になるのは聴いてるよ!ひとつだけ言えることは、Jan は情熱的なシンセサイザーの旋律に惚れ込んでいるし、僕はドラムや打楽器のリズミックサウンドに夢中だってことだね!

-- これまでの人生で感銘を受けたアーティストがいたら教えてくれる?

Scott : 僕達二人が口を揃えて愛して止まないアーティストと言えば、Herbie Hancock だね!彼から受けた影響は本当に計り知れないし、僕達が今ミュージシャンとして活動出来でいるのは、彼のお陰かもしれないよ。

-- Scottとして、ジャズやクラブミュージックに対する特別な思いはある?

Scott : ジャズやハウスが僕達に与えてくれたものは言葉では言い表らせないし、心の底から愛しているよ。ただ、ミュージシャンとしては、単純に先人達のモノマネをするつもりはもちろんないし、次のステップに繋がる自分たちのオリジナルサウンドを常に探求しているよ。

-- 二人での音楽の制作はどのように行っているの?制作環境や使用機材、ライブ時の機材やセットアップなんかも教えて。

Scott : スタジオでレコーディングやセッションをする時は、ほとんどの機材はアナログを使用しているよ。Fenderのギターとかドラムセット、たくさんのパーカッションとかね。もっと言うと、シンセサイザーも Clavia Nord Wave、Moog、Korg MS 20 を駆使して面白い音を探しているよ。それを Ableton の Live やプラグインを使ってセッションしてレコーディングするのが僕達のやり方かな。Live は、ジャムセッションをするのに本当に適したプラットフォームだと思うよ!ライブセットについては、全てのアナログ音源を一度デジタルとして取り込んで加工したりループさせたりしたものにシンセサイザーやパーカッションをその場の雰囲気に合わせて即興的に演奏するのが Scott のスタイルだね。別プロジェクトの Brandt Brauer Frick っていうバンドでは、コンピューターすら使わずに、徹底的にアナログにこだわっているんだ。

-- 今後、試してみたい楽器はある?

Scott : 常に新しいものには興味があるし、たくさんの楽器を色々と試してはいるよ。今一番取り入れてみたいなと思っているのはブラスやストリングスなんだけど、僕達はドラマーとピアノプレイヤーだから、本格的にスタジオワークをやるとしたら、誰かに頼まないといけないよね。ただ、焦らずに一緒に制作出来るアーティストがいれば色々と挑戦してみたいアイディアはたくさんあるから、少しずつ試していくよ!

-- ライブパフォーマンスとスタジオワークの違いや、それぞれに一番心がけている事はある?

Scott : パフォーマンスとレコーディングをこれといって区別する事はあんまりないよ。レコーディングする時にはライブで試したことが影響してくるし、ライブをする時にはスタジオでジャムセッションしたものを出せるようにしているからね。やっぱり、フロアで踊っている人達のリアクションをどちらにも反映させていきたいし、それが音楽の醍醐味だと思っているからね。だから、僕達の音源を聴いて即興的なパフォーマンスを感じて貰えたら本当に嬉しく思うよ。

-- 今までのライブで印象に残る場所はある?エピソードもあれば教えてくれる?

Scott : 昨年の Nachtdigital Festival っていうドイツのレイブに出演した時のギグは忘れられないよ!パーティーが始まってからずっと雨が降りっぱなしの夕方に僕達の出番が回ってたんだけど、演奏を始めたとたんに雲がものすごい勢いで動き始めて、太陽がこれでもかっていうくらいに顔を出したんだ!湖のそばでのレイブだったんだけど、そこに来ていたみんなも満面の笑顔になって踊りまくっていて、あんなにハッピーで美しい光景は忘れられないなぁ!

-- 今回の東京でのライブについての意気込みを教えて!東京という街をどう思う?

Scott : 東京ももちろんだけど、日本という国は本当に魅力的で刺激的だと思うよ。みんな親切だしね。だから、今から日本に行くのが楽しみでしょうがないよ!もちろん、ライブの準備もちゃんと出来ているから、フロアのみんなといっしょに楽しめたら最高!!

-- 今後のリリースや活動予定について教えて。

Scott : ニュープロジェクト Brandt Brauer Frick の1st シングルが Tartelet Records からリリースされるんだ。Treplec と Lee Jones のリミックスもスゴくいい感じだから、チェックしてくれると嬉しいな。それから、新しく The GYM っていうアナログオンリーレーベルも始めたんだけど、9月に最初のリリースがあるからそれも楽しみにしててね!

-- Scottのライブを楽しみにしているファンにメッセージをお願い!

Scott : 世界中でも最高峰のダンスフリークスがいる東京でギグを出来ることにエキサイティングしているし、みんなで一緒に素晴らしいパーティーを共有出来たら最高!もう、待ちきれないよっ!!!

End of the interview


UNDERGRAM
2009年7月19日 (Sun) @ UNIT
DOOR : Y 4,000 _ ADV : Y 3,000 _ W/F : Y 3,500

【UNIT】
LIVE :
Scott (Traum, Doppelschall / Germany)

DJ :
Catz 'n Dogz aka 3 Channels (Mothership, Leena, Trapez / Poland)
Nino (UNDERGRAM)
Chabo & P'N'O (UNDDERGRAM)

【Saloon】 -Science Fiction-
DJ :
Sinkai, KAXX, 7TAKAHASHI (VACATION), Shintaku Keisuke, Saxon

Miss Jools



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