HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

Tech Booty Funk

エレクトロニック・ミュージックを語る上で決して黙って通り過ぎることはできない音楽都市・デトロイトが生み出した新世代アーティスト Luke Hess。この街の伝統であるディープな質感を継承しながら、独特の感性で紡がれる繊細美麗なサウンドが持ち味。echocord からリリースされた1stアルバム "Light In The Dark" の成功によって、いわゆるデトロイト・ファンの枠だけに収まらず、世界各地からより幅広い支持を得て今後の活躍をますます渇望されている若手の一人だ。

本インタビューでは、このたび初来日を果たす彼のこれまでの音楽遍歴やリリースまでの経緯を通してその背景に迫った。以外に日本の文化通(? )な発言が飛び出すなど、来日ギグがより心待ちになる内容に仕上がっている。

Interview & Translation : Seiji Hitomi (HITOMI Productions)
Introduction : Yuki Murai (HigherFrequency)
In cooperation with HITOMI Productions

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-- まず、今回初来日ですよね?日本についてどんなイメージを持っていますか?

L.H (Luke Hess) : そう、初来日。日本でプレイ出来ることを光栄に思っているし、とてもエキサイトしているよ!僕は、黒澤 明の映画の大ファンなんだ。500年の歴史があって少しロマンチックな国だと思うけど、来てみるまでは本当のことは分からないな。

-- 日本の音楽やクラブ、カルチャーなどについて興味はありますか? 

L.H : 日本の歴史や建築、文化をとても尊敬していて、興味があるよ。サムライや古い日本の歴史映画を観てると、そこには、忠誠心、謙遜、道義心、そして完璧といったテーマが必ず出てくるよね。けど、日本の音楽やクラブシーンのことはそんなに詳しくないんだ。だから今回の来日で色々と学べることに感謝してるよ。そう、DJ Krush の音楽は大好きだ。琵琶や琴のような日本古来の楽器を取り込んだ彼の楽曲は本当に素晴らしいと思う。

-- では、あなたの音楽のルーツについて聞かせてください。影響を受けたアーティストなどいますか?

L.H : 90年代中期のデトロイトのウェアハウス・シーンで育ったんだ。Rob Hood、Carl Craig、Derrick May、Juan Atkins、Keven Saunderson、そしてURにかなり影響を受けたね。特に、Rob Hood。あと僕は、レゲエ、ダブ・ミュージックも大好きで、特に Scientist にはすごく影響されたよ。

-- 自分自身で音楽制作を始めるようになったきっかけは?

L.H : 音楽制作に興味を持つ前に、デトロイトでDJ活動は続けていたんだ。それで、例えば自分が好きなある一曲の中に、全ての要素を見つけられなかったんだと思う。それで、自分の楽しめる全ての要素を注ぎ込んだ楽曲を作ろうと思って、アナログ機材、フィールドレコーダー、シンセ、ドラムマシーン、そしてソフトウェアを買い始めたんだ。最初のリリースは Beretta Grey からで、当時のスタイルは自分にとってより実験的なものだった。けどそれから、自分の音楽をもっともっとそぎ落とすことを始めたんだ。同時に、ジャズやファンク、モータウン、それから初期のデトロイト・テクノのコードやストリングスのハーモニーやメロディーが好きだったから、そういったものを自分の曲の中に取り込むことに全力を注いだよ。思うに音楽は、自分自身へのジャーニーで、自分の経験からの表現だと思う。僕にとっては、人に接し神の愛を分かち合う方法でもある。

Deadbeat

-- あなたの住んでいるデトロイトといえば、Derrick May、Juan Atkins、Carl Craig、Moodymann、Theo Parrish、最近では Omar-S、そしてあなたのような素晴らしいアーティストが沢山いますが、現在のデトロイトの音楽シーンはどんな感じですか?

L.H : デトロイトのシーンは今もいいよ。アーティスティックなコミュニティもある。けど、クラブや会場、クラブに足を運ぶ人は、以前に比べて少なくなったかもしれない。けど、デトロイトのシーンは今もすごく生きていて、Beretta crew、Omar S、Steve Hitchell などとも制作を共にしている。デトロイトのミュージック・コミュニティーは健在だよ。僕はデトロイトの街や人が好きで、この街の音楽シーンの一端を担えることをいつも望んでいる。

-- あなたはヨーロッパのレーベルからも多くリリースしていて、ツアーも回っているようですが、今のヨーロッパのダンスミュージック・シーンについてはどう思いますか?

L.H : ヨーロッパのシーンはグレートだね。エレクトロニック・ミュージック・シーンはアメリカよりも受け入れられていると思う。

-- あなたの1stアルバム "Light In The Dark" は、ポスト Basic Channel とも言われるデンマークのレーベル echocord からリリースされましたが、echocord を選んだ理由は?

L.H : 音楽制作を始めた頃、長年興味があったレーベル echocord にデモを送ったんだ。でも当時の僕の曲はまだまだだったから全然受け入れてもらえなかったんだ。でも FXHE からリリースした曲を Kenneth (Kenneth Christiansen) が聞いてくれて、それからアプローチしてくれたんだよ。当初、1stアルバムは FXHE からリリースしようと考えてたんだけど、リリーススケジュールが少しおして、Omar はより早くリリースするために自分のレーベルを立ち上げることを薦めてくれたんだけど、まだ自分のレーベルを持つタイミングじゃないと感じてたから、Kenneth にアルバムを送ったんだ。echocord は共に働くのに素晴らしいレーベルで、僕の意思を尊重してくれつつ、アルバムのリリースを実現してくれたんだよ。もちろん Omar とも今後何か一緒に出来ることを楽しみにしているよ。Omar と彼のレーベル FXHE はアメージングだからね。

-- 今後の活動、リリースなどの予定について教えて下さい。

L.H : 最近は、Ornaments や Modelisme とかのリミックスをいくつかやっているよ。自分のソロ作品は、来年スタート予定の自分のレーベル DeepLabs から出す予定。アナログで限定枚数リリースする計画だよ。まだ言えないけど、いくつかのレーベル用の曲も作っているところ。ただこれからは、DeepLabs を中心により自由に表現(リリース)出来ればと思っているんだ。Brian Kage とコラボして、Stephen Hitchell と Marko Furstenburg とも一緒に、Beretta Grey 用といくつかのプロジェクト用に制作を進めている。

-- あなたの出演する10/24@UNITのイベント 「ALTVISION'09」 には Deadbeat も出演しますが、彼のことは知っていますか?

L.H : Deadbeat の音楽は大好きだよ。個人的に Scott のことは知らないんだけど、実は今年の始めにベルリンの Panorama Bar で共演したこともあるんだ。今回の来日で、よりお互いのことを知り合える時間があることを願っているよ。

-- あなたの日本初LIVEとても楽しみにしています。最後に日本のファンにメッセージをお願いします!

L.H : サポートしてくれて本当にありがとう!東京でプレイすることをとても楽しみにしています!! WHAT'S UP JAPAN! GET READY TO GET DOWN !!!

End of the interview





ALTVISION'09
2009年10月24日 (Sat) @ UNIT
Door : Y4,000 _ W/F : Y3,500 _ ADV : Y3,000

LINE UP :
【UNIT】
LIVE : Deadbeat (Wagon Repair, Cynosure/Berlin)
Luke Hess (FXHE, Echocord/Detroit)

DJ : DJ WADA (CO-FUSION)
DJ SO (MINDGAMES/LABYRINTH, TRI-BUTE)
Nino (UNDERGRAM)

VJ : RealRockDesign
and more

【SALOON】
DJ : HAL (RAFT TOKYO)
UMEMOTO (CIVILESTO, BEAMS RECORDS)
HINA (NO BORDERS, REFLEK)
NOP (Dial, FUSION, Frame Rec.)
KURITA NAOKI (RealRockDesign, AFTER4)





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