HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

Jorg Henze Interview

Jorg Henze DJ Mix Jorg Henze DJ Mix

Gecko や Noise Ltd などの数多くの別名プロジェクト、そして Oliver Lieb や Frank Lorber、Pascal Feos、Thomas Heckmannとの共演などなど…。本人名義の作品を含めるといったい何タイトルがリリースされてきたのか数えることも困難な量産型プロデューサー、フランクフルト出身の W.Jörg Henze。これだけの量産を行いながらも、リリースを追うごとに上昇していくクオリティはまさに脱帽もので、下半身を直撃するパーカッシブなグルーブに、印象的なメカニカル・サウンドやイルなヴォイス・サンプルが絡み合う硬派なミニマル・トラックは、テクノDJにとってのピーク・タイム・フェイバリットとして全世界を席巻してきた。自らのレーベル Federation Of Drums やそのサブレーベル Delirium Red、Humanoise の活動も絶好調で、10月末には4年ぶりとなるオリジナル"Ash'n Diamonds"をリリースし、改めてのその存在感をシーンに見せ付けたばかりだ。

そんな W.Jörg Henze が、Maniac Love から麻布の Warehouse に居を移して開催されるテクノ系パーティーに出演すべく約1年ぶりの再来日を果たしてくれることになり、HigherFrequency との来日直前 E メール・インタビューに応えてくれた。

> Interview & Translation : Kei Tajima (HigherFrequency) _ Introduction : H.Nakamura (HigherFrequency)

triangle

HigherFrequency (HRFQ) : まず初めに、お時間を有難うございます!

W.Jörg Henze : "ドウイタシマシテ"(実は知ってる日本語がいくつかあるんだ)

HRFQ : 日本では今までに何回くらいプレイされているんですか?

W.Jörg Henze : 昨年に3回プレイしたよ。一回目は Maniac Love で、2回目はツアーで東京と大阪、それに沖縄(すごくいい場所だね!)を回って、それから NYE に大阪でプレイしたんだ。

HRFQ : 前回東京では、東京随一のテクノ・クラブ Maniac Love でプレイされましたね。感想を聞かせてください。

W.Jörg Henze : "スゴイ!" ヤバかったよ。お客さんもすごく盛り上がってたし。いいクラブだよね。小さいけどすごくいいクラブだよ。

HRFQ : 残念なことに、その Maniac Love が12月3日でクローズしてしまうことはご存知でしたか?クラブを12年にわたって運営してきた人々やクラブのファンに向って何かメッセージをいただけますか?

W.Jörg Henze : クローズのことは聞いていて、すごく残念に思ってる。Maniac Love で過ごした素晴らしい時間に感謝したいよ。とにかく PA が素晴らしかったんだ。熱すぎる時もあったけど、あのクラブでプレイした人や、お客さんみんながいい時間を過ごしてきたことは間違いないと思うよ。

HRFQ : Gecko や Noise Ltd, など数々の名義の下で活躍なさっていますが、どのような基準で名義を区別なさっているのですか?

W.Jörg Henze : トラックのスタイルかな。ハードなトラックや、トライバル系のトラック、メロディーのあるトラック…って感じで分けているよ。たまに区別しにくいものもあるけど、とりあえず上手く分けられていると思うんだ。

HRFQ : 最新アルバム " Ash'n Diamonds " をリリース後の反響はいかがですか?

W.Jörg Henze : すごくいいよ。たくさんの雑誌にレビューが載っているし、DJからのリアクションもすごくいい。Zzino と Ade Fenton のリミックスもすごくいい感じだしね。

HRFQ : アルバムのコンセプトを教えてください。アルバムを通して伝えたいメッセージがあったのでしょうか?

W.Jörg Henze : このアルバムはナイト・クラブでの一夜を表しているんだ。チルなものからハードなものまで…セットの始まりから終わりまでという感じで、違ったスタイルを表現したかった。だから、ハードな音ばかり入ってるわけじゃないんだ。

HRFQ : 長いキャリアを持つドイツのアーティストとして、現在巻き起こっているドイツのエレクトロ・ハウス旋風をどう思われますか?

W.Jörg Henze : いい質問だね。今僕たちは発展段階にあると思うんだ。これからああいった機械的な音ばかりではなくて、ヒューマン・タッチのある音に発達していくと思うよ。

HRFQ : Richie Hawtin が、120以上ものトラックを Ableton Live によって細かく細分化し、再構成するという DE9 シリーズの最新ミックス・コンピレーション " DE9 Transitions "をリリースしたばかりですが、こういったアプローチの作品についてどのような意見をお持ちですか?

W.Jörg Henze : この作品はDJミックスというより、アルバムだと言う方が正しいと思うな。トラックをアレンジして、新しいトラックをつくっているんだからね。音楽をリサイクルするのはいいことだと思う。ベストなパーツを選んで新しいものをクリエイトしてる。僕自身このアルバムが好きだし、クールだと思うよ。

HRFQ : こういった実験的なアプローチを今後あなたのミックスCDにも取り入れていきたいと思われますか?

W.Jörg Henze : もちろんさ。ただ、さっきも言ったように、今回の Richie の作品はミックスCDと言うより、アーティスト・アルバムに近いと思う。僕の場合、ミックスCDとは、僕がクラブでプレイするのと同じものを指すんだ。だから同じようなコンセプトのアルバムをつくりたくても、クラブで10個もターンテーブルを使ってプレイが出来るとは思えないね。

HRFQ : あなたのレーベル Delirium Red と Federation of Drums からのリリースはありますか?

W.Jörg Henze : リリースは常にあるよ。" ash'n diamonds " っていう新しいレーベルをスタートしたんだ。 Gecko名義のリリースもある。その他に SKIP というレーベルも始めて、その3番目のリリースがWJH名義で11月末にリリースされるよ。

HRFQ : 今回プレイされるイベントでは、Flash Communication Server を使用したマルチメディア・コンテンツが展開されるそうですが、こういった音楽とインターネットのコラボレーションに対して、個人的に興味はお持ちですか?もしそうなら、現在取り組まれているオンライン関連のプロジェクトはありますか?

W.Jörg Henze : クールだと思うよ。テクノロジーは駆使するものだし、オーディエンスに対しても、音楽と映像の融合があった方が楽しいと思う。今取り組んでるオンライン系のプロジェクトは特にないんだけど、もしかすると近い将来には何か出来るかもね。

HRFQ : 日本のファンにメッセージをお願いします。

W.Jörg Henze : 来日する度に楽しい時間を過ごさせてくれてありがとう。みんなの大きなサポートに感謝してるよ。

End of the interview


関連記事


関連リンク