HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

Efdemin Schwarz

その一見クールな佇まい、ディープな音像の背後に、クラブ・ミュージック・ファンの心をがっちりと引き寄せてしまう、熱く真摯な姿勢を感じさせてくれる Phillip Sollmann こと Efdemin。一連の Dial Records からのリリースをはじめとする楽曲制作の腕のみならず、Oliver Kargl (Rndm) とのDJ/Live ユニット Pigon での活動に加え、昨年は Curle より 自身初のMix CD "Carry on - Pretend we are not in the room" をリリース。文字通り精力的に活動中だ。

そんな多忙なスケジュールの合間を縫って、先日は当サイト・エクスクルーシブの新作DJ Mixを届けてくれた彼からインタビューが到着。 来週末に迫った初来日ギグを前に、独特の音世界を形作る背景、そしてベースとするベルリンについて語ってくれた。

Interview & Translation : Hiromichi Honda (Dial), Katsura Taguchi (Dial) _ Introduction : Yuki Murai (HigherFrequency)

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Dial : 初めに Efdemin の音楽の歴史について教えてください。

Efdemin : 16歳までチェロを弾いていて、ギターを始めたのは14歳だったな。16歳から26歳までいくつかのバンドを組んでいたよ。サンプラーを使ってトラック製作を開始したのは22歳からで、以来ずっとそのループのなかに没頭することになったね。

Dial : では、DJはどのようにして始めたのですか。

Efdemin : すべての始まりはハンブルク。あの街でレコードをかけるようになったんだ。初めはバーで、そうこうするうちに Golden Pudel Club でDJするようになっていたよ。当初はアブストラクト・ヒップホップとドラムンベースをプレイしていたのだけれど、次第にテクノやハウスをかけるようになったな。当時の Golden Pudel Club にはテクノやハウスのパーティはまだなかったから、結果的に Golden Pudel Club が面白いことになったと思っているよ。ウィーンに留学している間はまったくDJをしていなくて、ベルリンに移り住んで、再びDJをやるようになったね。

(※注釈 − Golden Pudel Club はコアなミュージックジャンキーの御用達のクラブで、ハンブルクのベストクラブとの呼び声も高いスポット。)

Dial : なるほど。ではあなたの考える、DJする際に重要な要素というのはどんなものですか?

Efdemin : 最も重要な要素というのは、なんといってもDJを聴いてくれるオーディエンスの存在。そして自分の気分が乗っていることも大事。それと良い音がするサウンドシステムもあればなお良いよ。もしモニタースピーカーの音が良ければ、プレイにのめり込んでいくのはあっという間だからね。

Dial : ウィーンで楽曲制作の勉強なさったと聞いています。あなたのトラックは印象に残るメロディとアブストラクトなバックトラックとのマッチングがすばらしいと思うのですが、制作する時、一番念頭に置くことはどんなことですか?

Efdemin : ウィーンの学校ではコンピューター・ミュージックの制作を勉強していたね。そこは本当に小さな学校だったけれど、とてもいい時間を過ごすことができて、そこでクールなことをいろいろと学ぶことができた。そうはいっても一番大事なものは、多くのレコードを聴くことによって得られたとわたし自身は思っているよ。

うーんそうだなぁ、音楽の数あるスタイルの中でもさまざまなものに興味があって、どれが制作をする時に最も重要かということは決め難い。しかしながら、トラック制作の際に大事にしていることのひとつに、日々の日常的な生活とは切り離して楽曲制作に取り組むということがある。それを実現するのは、わたしには決して簡単なことではないのだけどね。

Efdemin Schwarz

Dial : 楽曲制作される際、どういった機材を使っていらっしゃいますか?どんなアウトボードを使っているか気になっているのですが。

Efdemin : 今までの全てのトラックはコンピューターで制作したものだよ。みんなにはアウトボードを使って制作していたように聞こえていたなんて興味深いし、とても嬉しいことだね。実はアウトボードの機材もたくさん持っているし目下収集中で、今後はそれらも制作に導入していく予定だ。来年あたりにはサウンドも変化してくるだろうから、ぜひ期待していてほしいところだよ。

Dial : 今後のリリース予定を教えてください。

Efdemin : 最近取り組んだリミックスが Pokerflat、Mobilee、Baalsaal からリリースされるのと、Tobias. (Freund) とのスプリットシングルが Diamonds and Pearls から出ることになっているよ。そして今年の5月か6月くらいには、Pigon と Efdemin の新しいEPを Dial Records からリリースする予定だね。

Dial : エレクトロ、ミニマル、ディープ・ハウスとダンス・ミュージック・シーンの傾向は瞬く間に変わっていきますが、ベルリンでは最近はどのような音がフロアを沸かせているとご自身は感じていらっしゃいますか?

Efdemin : わたしはトレンドや流行なんてまったくもって考えないんだ。ただ、少し前はミニマルって呼ばれるものがクローズアップされていて、それからハウスへと焦点が移り変わり、今はテクノへ戻ってきている。だけどわたしはこれが全てとは思わない。これは以前にジャーナリズムに関わっていたから分かることなんだが、メディアというのは記事を書くために新しい物を必要とするものなんだ。だからわたしにとってそれはどうでもいいことだよ。

一方でベルリンはとても多様的な街で、今はテクノ・ハウスミュージックにとって最も適している場所なのかも知れない。そしてそのことが外国からの多くの人々を引き寄せているんだ。何が起ころうとしているのかは、よくは分からない。ただベルリンは今とても良い瞬間だと感じているね。

Efdemin Schwarz

Dial : おすすめのDJやアーティストを教えていただけますか?

Efdemin : Lawrence のDJ、Tobias. のLive、Cassy のDJ、Daniel Bell の DJとLive、Patrice Scott …、挙げたらきりがないね。

Dial : DJに楽曲制作と、忙しい毎日を送っていらっしゃると思いますが、普段ベルリンではどのようにお過ごしですか?

Efdemin : わたしにはルーティンというものはないね。音楽を作って、友だちと遊んで、本を読んで、レコードを買って、音楽を聴いて。ほとんどの時間をそうして過ごしているよ。

Dial : 普段はどんな音楽を聴くのですか。やはりダンスミュージックを?

Efdemin : いろいろなことを君には話さなくてはならないね。Ocora、Mississippi recordings、Lyrichord というレーベルがお気に入りだよ。

Dial : あなたのスタイリッシュで独自のセンスを音楽はもちろんのこと、アートワークやそのスタイルにも感じています。最近では日本のパーティグルーヴィたちがベルリンに行く機会も多いようなので、おすすめのスポットなどあれば敏感なアンテナを持っている日本の Efdemin ファンにこっそりお話しいただけませんか。

Efdemin : まずテクノのレコード屋だと、Hardwax、Rotation Records、Space Hall はおすすめだね。そのほかの音楽は Dig A Little Deeper と Dense かな。気に入っているコーヒーショップは Syndicato だよ。ほかには、Sasaya という和食屋にもよく行くね。実は日本料理が好きで、納豆もだんだん食べられるようになってきているんだ。またベルリンではないんだが、すごくすすめたいのが Chorin という街。実にすばらしいところだよ。

Dial : 日本といえば!のように、あなたのアンテナに届いた日本の気になる場所などあればお聞かせください。

Efdemin : 詳しくは覚えていないのだけれど、東京にはとてもいいジャズバーがあると友人の Lawrence から聞いてるね。どうやらすばらしいウイスキーがあるらしい。ほかには大宰府の光明禅寺の庭園や、芝大門の増上寺はぜひ行ってみたいよ。増上寺では鐘の音を録音できたらいいなぁと思っているんだ。

Dial : 最後に、東京は UNIT 、福岡は D-DELUXE であなたの日本初のプレイを心待ちにしているオーディエンスへ向けて、メッセージをお願いします。

Efdemin : 日本に行くのが待ちきれないよ。日本に行くのは、わたしの本当に長い間の夢だったんだ。 みんなのことをパーティで待っているからね!

End of the interview



DIAL feat. EFDEMIN
2009年2月20日 (Fri) @ UNIT _ 23:30〜
Door : Y3,500 _ w/flyer : Y3,000
【Unit】
Guest DJ : Efdemin (Dial Records/Germany)
DJ : Shinya Okamoto (Reveal, Foureal Records), Nop (Fusion, Frame Rec.), Bosh (Log Tech Machine)
VJ : V-Signs Graphic (Yashio Yonekura & 9TV)
【Saloon】 - Riot Lounge -
DJ : Takuya (BLiNKBLiTZ), Nehan (BLiNKBLiTZ), DJ Raymond (The Samos), Hyota. (Pernod), Ranuma (Pulse)

SAFARI
2009年2月21日 (Sat) @ D-DELUXE, Fukuoka _ 22:00〜
Door : Y3,000 (1d)
Guest DJ : Efdemin (Dial Records/Germany), Nop (Fusion, Dial, Frame Rec.)
Resident DJ : Nob (Safari , Partybug), Vava (Crystal Ship)
VJ : convexxx
Food & Goods : MUNCHEESTARR440 feat coffy66

Efdemin Schwarz


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