HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

Scott

「もしトラックが出来上がって、それが大して良くなく聞こえたら最初からやりなおした方がいい。自分が気に入らないものは他の人だって気に入らないよ。」

彼がインディー・レーベル、Hum & Haw を立ち上げるために Soma を去ってから18ヵ月。Alex “Smoke” Mendies は Jim Hutchinson (Somaの設立当時のスタッフ) と共に開始した独立が思っていた以上に難しいものである一方、制作においてナンセンスな指示に従わなくても良くなったと語った。

「Jim は制作の中でいつも僕にアドバイスをくれるんだ。同意することもあれば、反対することもある。だけど、彼は僕の目を覚ましてくれたよ。いい音楽を作ってなかったってことを気づかせてくれたんだ。今は音楽をやり始めた気持ちを少し取り戻せた気がするよ。自分の作っている音楽を心から好きだって言えるからね。」

彼らがこのレーベルを創立した当初の Skrufff とのインタビューで Alex は嬉しそうにこう語っていた。

「今まで Jim は僕が毎朝入る風呂に花びらを散らしてくれてるみたいな感じだった。だけど、今はその風呂に土を入れるんだよ。だけど、心地は悪くないんだよね。」

近日リリースされる Smoke の作品 ”EP of Infinite Affliction” では Shingles(帯状疱疹), Rickets(くる病), Dropsy (浮腫) と Scurvy (壊血病) という4つの病が表現されている。これら4つの Affliction (苦悩)は彼の古くからのファンが喜ぶような仕上がりとなっているが、彼は18ヵ月前に Hum & Haw を立ち上げた際にファンの期待を裏切ろうと考えたという。

「僕たちは二人ともバイナルやストリート・マガジンの時代の人間だから、ブログやデジタルなものに自分たちを合わせる中で学ぶことは多かったよ。レーベルを運営することは自分たちが思っているよりも大変だったね。僕は自己出版をするのがすごく得意っていうわけでもないし、本当にいいものを作れるか、ただの自慰行為かの境界線の上を歩いてると思うよ。本当なら今頃僕は Hip Hop のアルバムをリリースしてるはずだったんだけど、結局それはさすがに無理だった。今年はもう少し明るい年になることを願うよ。Flying Lotus, Rustie, Hud Mo が同時にいい音楽をリリースしてる時に成功するのは楽じゃないね。」

Interview & Introduction : Jonty Skrufff (Skrufff.com)
Translation : Shogo Yuzen

triangle

Skrufff : 前回のインタビューで君は「僕は禁欲家の手本だ」って言ってたよね?今でもそうなのかな?今までで一番誘惑に負けそうになったのはどんな時だった?

A.S : その質問は数週間後に僕がイビサで30歳の誕生日のお祝いをしてから聞いてもらった方がいいかもね。別荘に僕の友達をたくさん招いてるんだけど、その中には数人「深い関係の友達」も来るからね。実際に SXSW では誘惑に負けてしまったんだよ。ニューヨークからテキサスまでを車で移動してたんだけど、途中で友達のDerek を拾ったんだ。それで、彼がその5時間後に飛行機に乗って帰らなきゃいけなかったから、僕たちに 『ちょっとしたモノ』 を託して行ったんだ。そこで誘惑に負けたね。結局その後はビリヤードの店を探して、6時間もずっと同じ道を行ったり来たりしてたんだ。バーの従業員が僕を迎えにきた人だって勘違いしたりしてね。みんなが僕の汗ばんだ顔を見て、不思議そうにしてたよ。情けない恐怖感とおかしさのコンビネーションがたまらなかったね。

Skrufff : ツアー中に変な誘惑に惑わされたことはある?セックスに誘われることとか?

Alex Smoke (A.S) : 僕はセックスに誘われるようなことはないんだよね。僕の会話のほとんどがソフトウェアとかバファーのサイズについてだからね。そんな話の方が興奮するよ。

Skrufff : グラスゴーのクラブの環境はどうなのかな?あそこに拠点を置くのはなぜなの?

A.S : 面白いことに、9月になる前にロンドンに引っ越そうと思ってるんだ。ホックストンで、コウモリとか流行りのペットを飼おうと思ってる。僕のガールフレンドもそこで教師としての仕事を見つけたんだ。スコットランドには教師としての仕事もないし、一時的に気分を変えるためにロンドンに住もうと思ってるんだ。グラスゴーも好きなんだけど、そろそろ変化の時期だと思ってね。今、グラスゴーのシーンでは Wonky Squad (Hud Mo, Rustie, Numbers, Lucky Me) が大きなブームを巻き起こしてるよ。でも引っ越しを考えてるのはここでのシーンが理由じゃないね。

Skrufff : 数週間前に Drums of Death (Colin) とインタビューをしたんだけど、その時に彼はグラスゴーでまた犯罪が多発しているって言ってたけど、君もそれは感じてるのかな?

A.S : あ〜、…まぁ、他の場所と同じだよ。でもグラスゴーの方が突発的な暴力が起きたりするかな?だから、常に気をつけなきゃいけない。去年の11月のホリデー中に友達の家まで歩いてる途中に、体のでかい馬鹿に殴られたことがあったね。手に酒のボトルを持ってたんだけど、いきなりそれで殴ってきたんだ。だけど、僕はいい奴だから何をしてるのか聞いたんだ。そしたら、また殴ってきたんだよ。だから、もう一回何をやってるつもりなのかを説明するチャンスをやった。それでもまた殴ってきたから、反撃したんだよ。僕は友好的な人間だし、喧嘩は嫌いだけど、幸運なことに彼はただのヘタレだった。

Skrufff : Wikipedia の写真では George Michael みたいに髭をそっているけど、なんで髭を生やしたの?何か隠してるのかな?

A.S : 別に髭のない双子がいるわけじゃないよ。自然に生えた髭なんだ。男性の自然な姿だと思うし、身だしなみを整える手間が省けるのは僕にとって重要なことだからね。後、髭を生やしていないとじゃがいもみたいな顔をしてるんだよ。

Skrufff : スキンケアや脱毛は気にするのかな?自分はメトロセクシャルな人間だと思う?

A.S : あんなの馬鹿げたことでしかないよ。僕は完全にポストメトロ、プリメトロだし、スキンケアなんて全く気にしないね。

Skrufff : DJをやる上でイメージって大切だと思う?ショーのために意識的にドレスアップしたりするのかな?

A.S : 汗のしみ込まない服を着たほうがいいかも知れないけど、実際着てはいないよ。乳首に飾りをつけることはあるかな。(笑)

Skrufff : 君は迷信深い?

A.S : 全くだね。だけど、僕は物事がうまくいくだろうっていう根拠の無い感覚をもっとも重要視してるから、それも迷信深いって言えるのかも知れない。だけど、自分の運命を切り開くってことも信じてるよ。

End of the interview


Alex Smoke の EP "Infinite Affliction" は、Hum & Haw Records から7月に発売予定。

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