Ryujiro Tamaki Interview

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ファッションブランド「PUBLIC IMAGE」のデザイナー兼プロデューサーであり、トラックメイカー/DJとしても活躍するアーティスト Ryujiro Tamaki。
2008年、レーベルTimothy Reallyに所属し、都内を中心にDJ活動をする傍ら、トラックメイカーとしては森山大道の写真集「MORIYAMA ZOO NO.2」へ楽曲を提供。また2009年にはJeff Millsのステージ衣装を担当するなど、音楽、ファッション、アートと多岐にわたりその才能を発揮している。

先週となる8月13日、PUBLIC IMAGE 2010 AUTUMN & WINTER COLLECTION として「STREET KNOWLEDGE 2」をテーマにしたRikki Kassoとの映像作品を発表し大きな話題を呼んでいる今、彼にインタビューを決行。様々な活動から見えるその本質に迫った。


Interview : HigherFrequency

Thanks : Kana Miyazawa

 

――8/13にPUBLIC IMAGE 2010 AUTUMN & WINTER COLLECTIONである 「STREET KNOWLEDGE 2」の本編が発表されましたが、今回映像という形でコレクション発表をすることになった理由は?

R.T (Ryujiro Tamaki) : これまではずっとショーだったりインスタレーションだったりいろんな形で発表してきた中で、コレクションを発表して作品が簡潔するのではなく、商品が店頭に並んで、お客さんが買ったり、着るまでの流れがあって、一つのコレクションになっていくんじゃないかなと。

実際、このA/Wコレクションが発表されるのはこの前の3月で、今の時期から店頭に並ぶというのが一般的なんだけど、今回のように店頭に並ぶタイミングで初めてコレクションが発表されるということは、例えばその映像を見て洋服を買う衝動が沸いたとか、洋服を買いにいくのが楽しみになるとか、そういった効果も含めてオンタイムで展開されていくんじゃないかなと思い、イレギュラーなタイミングで発表したいなと思いました。

そして、映像を使って全世界へ同時多発的に配信することによって、生まれてくるバズというか話題性だったり、その一つの出来事を中心に洋服を買う楽しさや、コレクションを見る楽しさにつながっていけばいいなというのが最初に考えたきっかけですね。また、PUBLIC IMAGEのサイト、ウェブメディア、SNSといったダイレクトに伝えられるツールを使うことによって、これまで一方的だった発信が、同じ価値観を持った者同士で共有でき、広まっていく情報のあり方までもが、今回のコンセプトに付随していますね。

実際はこれを作っていくまでに、もちろんやりながら見えてきたこともあったんだけど、シンプルに言うと、そういう部分で今回の映像をこのタイミングでやろうということに決めました。



PUBLIC IMAGE
2010 AUTUMN & WINTER COLLECTION
STREET KNOWLEDGE 2
Film by Rikki Kasso

 

 

 


――ということは、コレクション発表の際、作品はすでに店頭に並んでいるということですか?

R.T : そう。トレイラーが発表された(7/12)と同じタイミングで店頭に並び始めて、7,8,9月の3ヶ月間がデリバリー期間でちょうど店頭でのピークを迎える今の8月中旬に本編を発表したんです。



――PUBLIC IMAGE の設立から今まで、どうような流れを辿ってきたのでしょうか?

R.T : ブランドを設立した当初は展示会から初めて、そこから4シーズン経ってからかな?、ランウェイのショーをやり、5回続けました。その後インスタレーションをやったりと形を変えて今に至ります。

ファッション業界における一つの行事ごとというか、受注を取るためにやらなければいけない作業や決まりきったセオリーのものではなく、全部が同じ一つの"洋服を伝えるというマーケット"だとした場合に、お客さんやメディア、作り手、友人も、すべての人が受け手という同じ立場だから、それをひっくるめて考えた時に、もっと違うツールだったり、違う発表の仕方だったりがあるのかなって。

それぞれの表現方法から何が足りないとか、もっとこうした方がおもしろいんじゃないかとか、いろいろな発表形式でトライして来た中で、シンプルに洋服を見に行きたくなるような意味で考えると、もっと楽しさがある伝達方法が今は必要なのかなと思いました。



――映像の制作を手掛けたRikki Kassoとの出会い、また今回タッグを組むことになった経緯は?

R.T : 今回映像作品を作り上げたいな、というのが頭の中にあるなかで、友達を介してRikkiに出会いましたね。プライベートな中で出会って、映像を作っていると聞いて作品を見せてもらったり、今回のコレクションに向けての考えや思いを話しているうちに、「じゃぁ一緒にやろうよ。」って自然の流れでした。自然発生的な感じです。

 

 


――今回のコレクションのコンセプトを教えてください。

R.T : タイトル自体は「STREET KNOWLEDGE」で、前回のS/Sからのストーリーの続きで今回が「STREET KNOWLEDGE 2」。カテゴリーの中にあるストリートファッションというよりは、もっと"日常から生まれてくるかっこ良さ"みたいなものを描き出したいなぁと思っていて、つまり"「リアルクローズ」の中にあるかっこ良さ"にコレクションとしてはフォーカスして作りました。


それを映像化していくにあたって、ライフスタイルの中にあるリアルさを描き出したいなと。みんなが一回は経験したことのあるような、その映像を見た時に自分に置き換えて見ることができたり、自分の記憶とどこかでリンクしたり、そういった隙間を見つけてほしいなと思って作りました。

 

 

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――映像の中に登場する人たちは、どのような経緯で?

R.T : 撮影していく上で、単純にそこに出てもらうためだけのモデルとして選んだわけではなく、ライフスタイルから生まれてくるパワーとか、「あ、かっこいいじゃんこの人」と思ったそこを描き出したかったので、Rikkiと同じように自分のライフスタイルの中で出会った人を選びました。

例えばスケボーやってるキッズとの出会いは、よく通るパークがあるんですけど、スケボーやってるかっこいい子たちいるな~とずっと見ていて、自分もスケボー持っていって声かけて、仲良くなって遊ぶようになり、ちょっと映像撮るから出てよ。っていう自然な流れでしたね。みんなそうですね。



――DJ AKiさんも登場していますよね?

R.T : はい。普段からPUBLIC IMAGEの服をよく着て頂いているんですよ。WOMBの方々とも昔から仲が良く、仕事の付き合いだけじゃなくプライベートでもよく一緒に遊んだりしているんですけど、みんな僕のブランドをサポートして頂いています。

Akiくんも同じく、普段自分がいるエリアで、かっこ良さを感じて、出演していただきました。



――以前、06S(@ WOMB)とのコラボでTシャツを作っていたり、8/5 に放送された"DJAKi STREAM VOL.3"にも出演されていましたよね?

R.T : "Living in Another Tokyo"というプロジェクトというか?概念なんですけど。現代の流れの中で、SNSなどのネットワーク上や同じ価値観の中でつながっている人たちがいるじゃないですか、それを実際の東京とは別の、違うレイヤーの東京という意味で"Living in Another Tokyo"としてTシャツを作りました。Akiくんの曲にもなっているんですけどその感覚に共鳴して"Living in Another Tokyo"という文字と、東京の夜の衛星写真がプリントしてあるんですけど、その写真は夜だから光だけで形作られていて、その部分はリフレクターでプリントしてあるので光が当たったところが光るというものです。

STREAMに出たのもその流れから、この映像プロジェクトもそれに付随する事として出演させて頂きました。



――そうだったんですね。話は戻りますが、撮影秘話などありますか?

R.T : 東京での撮影だったので、人がいない早朝にやるってのが大変でしたね。撮影期間は全部で3ヶ月かかったんですけど、長かったです。改めて見ると誰もいない東京は新鮮で、いいインスピレーションを受けましたね。
あとはスケボーの撮影中におまわりさんに指導されたりだとか。写ってるんですけどね(笑)



――バッグミュージックについて教えて下さい。自身、トラック制作もしていますよね?

R.T : トレイラー は僕のトラックを使いました。本編も、最初は全て自分のトラックでうめる気満々だったんですけど、映像の作品を考えた時に、曲は違えど同じ人が作ったものが10分間ずっと流れてるのってもしかしたら退屈なのかもしれないなと。もっとサントラ的に音楽を入れ込んだ方が、きっと作品としてはおもしろくなるだろうなと。なのでいろんなアーティストのトラックを使用しました。

僕が所属しているレーベル・Timothy ReallyからMotor City Drum Ensembleというアーティストがリリースしているんですけど、彼のレーベル・Faces Recordsを運営しているPablo Valentinoのトラックを使っているのと、Rikkiの友人でDeantoni ParksというNYのアーティストに提供してもらったりしています。Omar Rodriguez-Lopez GroupやThe Mars VoltaのメンバーでJohn Caleをフューチャリングした曲など、数曲使用しています。
出演者と同じように全て日常から繋がったアーティストですね。

僕の曲は2曲使っています。出来上がった映像を見ながら作りました。



――なるほど。今回映像での発表以外に、地方でワークショップを開催されたと聞きましたが。

R.T : 毎シーズン、卸先さんを対象として受注会を兼ねてやっています。今回のワークショップは、前シーズンからの半年間、洋服を作っていく過程を見てもらった上でコレクションをみてもらいたいなと。形にできる環境全て・・・ソースとなった書籍や音楽、PCのブックマークしたサイトだったりとか。会場の中には洋服と共に、ターンテーブルをはじめ本、PCなどを展示し、お客さんと話す上で実際にそこにある資料を手にとって一緒に見たり、ディスカッションすることによって、身近に感じられたり、作品の意味が伝わるんじゃないかなと思って。



――先程も話題に出ましたが、Timothy Reallyへの所属について、またDJ活動について教えてください。

R.T : DJはずっとやっていたんですが、一時期DJとしての活動をやめていた時期があり、また始めるきっかけになったのがTimothy Reallyでした。入ったのは2年前ですね。音楽は音楽だけとか、クラブの中だけのDJとか、そういうことではなく、アーティストが持ちうる全てを一つの形として発信していきたい、という思いに共感するところがあって、参加しました。



――トラック制作の方では、森山さんの写真集 "MORIYAMAZOO NO.2"に、Ryujiro Tamakiさんの楽曲が収録されると聞いたのですが・・・。

R.T : 昨年発売された"MORIYAMAZOO NO.1"は、森山さんの写真集とピクチャーヴァイナル、CD、メンコなどといったパッケージで、その様々なフォーマットにも全て森山さんの写真がプリントされたアートボックスセットでした。
そのNO.2が出ることになり、企画・出版会社の方から話をもらって何曲が送ったところ、参加することになり、それから"MORIYAMAZOO NO.2"用にトラックを作りましたね。
参加者はCarsten NicolaiやMika Vainio、Ryoji Ikeda、Ryuichi Sakamotoさんなど、錚々たるメンツでびっくりです。
今後発売予定です。



――では、今後の予定を教えてください。

R.T : ここ最近仲間たちと"Master Production"という、一つの情報だったり活動が集められてアウトプットされていくポイントを作りました。音楽はもちろん、いろんな活動をしていく中で、一つのものとして形にしたいと思ったのが設立の理由ですね。そこでの活動はPUBLIC IMAGEもその一つだし、音楽での活動、アートなど、全ての要素がまとまり、それぞれが作用して一つのものを作り出すという形で、今後展開していく予定です。

次のコレクションにもすでに取りかかっていて、絶対おもしろくなるので楽しみにしていてください。




End of the interview


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